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2025年11月15日土曜日

北イタリアのストリートフード

北イタリアのストリートフード、次はロンバルディアとピエモンテ。イタリアの国際都市、ミラノが州都のピエモンテと、サヴァイア家の本拠地、トリノが州都のピエモンテ、どちらもリッチな工業都市で、ちょっと考えても、これらの州のストリートフードなんて浮かんできませんねー。
トリノにはこんなストリートフードがありました。ゴーフルgòffreと言いますが、まさにワッフル。

チェゼーナ(エミリア・ロマーニャ)のゴーフル屋。

下の動画は肉祭り状態ですが、これはミラノのストリートフード祭りの風景。ミラノのストリートフードは、オフィスに持ち帰って食べれる形に進化しました。ピエモンテ牛などおいしい肉で知られるピエモンテのハンバーガーschiscètaは、ファストフードのハンバーガーより美味しいと言われてます。

パンにはさむ具として人気があったのは、ミラノの名物料理、ミートボールことモンデギリ。モンデギリをはさむschiscèta。

モンデギリは家庭の残り物で作るミートボール。これをバーガーにするとミラノの勤め人の定番の食事になります。

モンデギリ


もう少し南に下ると、リグーリアです。フォカッチャの本場で、ようやくイタリアのストリートフードらししくなってきました。

フォカッチャ・ジェノヴェーゼ。


ジェノヴァはあちこちにフォカッチャの店があって、毎日大勢のジェノヴァ人が立ち寄ってます。

美味しいフォカッチャを食べるなら、ジェノヴァに行かなきゃ。一口目で違いが分かる。


逆にもっと北に行ってアルト・アディジェ風になると、ソーセージとクラウティ入り


かなりドイツ風ですね。ドイツのソーセージは、ほんと美味しいです。ハンバーガーに出会いたくてドイツのハンブルグに行ったけど、ハンバーガーには出会えなかった。代わりに屋台のソーセージの美味しさにはまりました。

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2025年10月14日火曜日

パスタがベースの現代イタリア料理の歴史を感じられる未知の味の料理を作るアルべルト・ジッポー二シェフ。

今日は(CIR5月号)で紹介したシェフ、アルベルト・ジッポー二さんの話です。記事とリチェッタの日本語訳はP.31。

下の動画の33.7万人の登録者がいるグルメ系ユーチューバーは、私が知ってる店の中で、一番クレ―ジーな店、と言ってます(多分誉め言葉)。記事によると彼は、パスタがベースの現代イタリア料理の歴史を感じられる未知の味の料理を作るシェフ。
 1980年生まれで社会学の学位を取り、ジョルジュ・ブランやマッシモ・ボットゥーラのレストランで働いた後に、料理への情熱は本物だと確認し、2017年にフランチャコルタに自身のエノテカ併設のレストラン、ディーナを開いたそうです。ディーナとはおばあちゃんの名前だとシェフは言ってます。ここを私たちの家のようにしたかったそうです。入り口のモダンアート1点と赤い壁の部屋は一種の減圧室だって。とても知的な人のようですね。わずか3つだけのテーブルがあるのは半地下。最善を尽くして対応する客席は6~10席。でも、イタリアのレストランのルーツはオステリアにあるとして、お客の暮らしに寄り添いたいとも語っています。
ユーチューバーはシェフはちょっと狂ってると言ってます。ミシュランの星はないけどガンベロ・ロッソのトレ・フォルケッテ。彼の料理の主役と本質はパスタ。
味は記憶を造り出す。自分が通ったレストランの料理から料理を創り出す。誰もが知っているものから、それを超えて深い意味を含む料理を作るのが好きだ、と記事で語っています。



魚に透明のソースをかけてますよ。牡蠣のリゾーニは(CIR)にリチェッタの日本語訳を載せています。リゾーニは米の形のパスタ。不思議な料理を食べて、ユーチューバーたちも言うことが高尚になってますねー。カネロニの訳も載せましたが、意味不な訳すのが難しい料理でした。付け合わせなどとが違うので別の料理のようですが、シェフはカネロニも得意のよう。まさかカネロニが底をつなげた輪切りになっているとは。なんか楽しい。その味には見ているもの以上のものがありそうですね。
この動画を見ると、知恵と経験が豊富なプロが作ったパスタが食べたくなるなあ。
ただ、食べる前に、シェフがイタリア料理のベースは水と小麦粉、さらに詳細に言えば、北イタリアの軟質小麦粉の卵入りパスタと、南イタリアの硬質小麦粉のパスタと考えていて、料理の美しさは、知識が人から人へ、国から国へ、地方から地方へと伝わること、つまり伝統にある、と考えていることは知っておきたい。
ユーチューブに溢れる彼の動画を見ると、今、すごく注目されていることがよく分かる。


ジッポー二のイカリング風カネロニ。
ジェラートは白トリュフ入り。






アマトリチャーナを語るジッポー二。





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new『スッド・グランデ・クチーナ(南伊・山・海)』

【地方料理、シリーズ】
シチリア』、『ローマとラツィオ』、『トスカーナ』、『ミラノ』、『ベネチアとラグーナ』、『ナポリ
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2025年9月13日土曜日

トリュフの生存戦略にどっぷりはまったのは人間。

アルバの白トリュフの話をして思い出しました。ピエモンテで一番重要で来場者の多い食のイベント、アルバの白トリュフ国際見本市は、現在開催中。10月11日~12月8日まで開催されています。
トリュフが解禁されるのは、9月末から1月末まで。webページはこちら
アルバに行くなら、この間です。

アルバの白トリュフ国際見本市、今年は95回め。





白トリュフ。


その香りで動物を虜にして掘り起こさせ、食べられることによって遠くに運ばせる、というトリュフの生存戦略は、豚より人間にはまったよう。多分逆らうのは無理。無駄な抵抗はやめてどっぷりトリュフにはまるしかない。
トリュフ犬に最適、と言われているのはラゴット・ロマニョーロという犬種。子犬の頃から訓練する。毎年この時期になるとかしこいワンちゃんがトリュフを探している様子を見たくなります。日本のワンちゃんはここ掘れワンワンと教えますが、イタリアのわんこは掘りながらquarda qui guarda qui/ここ見て、ここ見て、と教えます。

わんこと一緒に行うトリュフ狩り。


個人的には、トリュフ犬に匹敵するのがトリュフをサーブするカメリエーレだと思ってます。


タヤリンの白トリュフがけ



緊張してレストランのテーブルに座っているお上りさんの世界中の観光客を前にして、トリュフを削るカメリエーレは、やけに堂々としてかっこよく、得意げに、時価の白トリュフを景気よく、永遠に削り続けるのです。いったいこれでいくらになるの・・・とおびえて、もういいです、と言いたくなるのをぐとこらえる、多分、みんなそうだよね。しばらくすると、ようやく満足したのか、カメリエーレはトリュフを削るのを終了します。でも、その瞬間気が付きました。このトリュフを削りかけるパフォーマンスも含めて、この料理は完了するのです。なので、ある意味、このパフォーマンスの瞬間は、この料理のピークなのでした。香りを味わうという、とても象徴的な食材、トリュフは、料理を味わっている空間を特別なものに変身させます。そこにカメリエーレの洗練された所作が加わると、一生残る体験になります。オ―バーなようですが、レストランからの帰り道、星で覆い尽くされたアルバの夜空を見上げた時の感動は、今でも覚えています。

ちなみに、料理に加えるトリュフの適量は、黒も白も9~10g。

アルバの注目シェフ、リストランテ・ピアッツァ・ドゥオモのエンリコ・クリッパ。



ピエモンテの人はみんなベテランカメリエーレやトリフォラウみたいで美食意識がすごく高い。

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2025年9月12日金曜日

モンフェッラートのアニョロッティ・デル・プリンは、籠城戦の勝利を祝う料理で、料理人アンジェロットが物がない中で作り上げたご馳走。

ランゲ地方の話。今日はランゲ地方の名物料理です。
まずはタヤリンに次ぐ名物プリーモ・ピアット。
アニョロッティ・デル・プリンagnolotti del plin。
ピエモンテの伝統的クリスマス料理でもあります。
モンフェッラートMonferratoの名物です。

モンフェッラート。





プリントとはつねるpizzicotto、という意味。
詰め物入りパスタの一種で、ピエモンテの古い方言でパスタをカットする時に使った道具、anolotが語源。
民間の言い伝えでは、1340年にモンフェッラート公の料理人、アンジェリーノ、通称アンジェロットがサヴォイア家の分家、ジャコモ・ダカイア広国軍の包囲戦終結を祝う宴会の料理をまかされた。食料が不足していたにもかかわらず、  彼は肉と野菜を集めて細かく刻み、薄いパスタで包んだ美味しいトルテッリを作って出した。このスペチャリタは、アンジェロットの料理と呼ばれ、それがのちにagnolottoとなったのだった。 


背景の物語を知ってから見るアニョロッティは、なかなかドラマチックな詰め物パスタに見える。
元々この料理はロースト肉の残りで作り、ローストの焼き汁をソースにしていた。来客用にする時はアルバ産の白トリュフの薄片を散らす。
アニョロッティ・デル・プリンの特徴であるつねる成形は、シェフの気まぐれで生まれたものではなく、おそらく、詰め物をしたパスタをしっかり閉じるために行うようになった。詰め物に触れないようにしながらしっかり強くつまむのがポイント。

組み合わせるワインは、ランゲとアスティ地方のシンボル的な料理だけに、フレイザのようなプリーモ・ピアットによく合う地元の赤ワインがお勧め。強さがあるアニョロッティのソースやパスタの柔らかさにも向き、詰め物のコクと対照的な若さもある。

フレイ―ザ・ダスティ。



エンリコ・クリッパのローストのスーゴのアニョロッティ・デル・プリン。



材料/
豚カポコッロ(肩ロースのサルーミ)・・300g
子牛すね肉・・1/2本
うさぎ・・1羽
セロリ・・2本
にんじん・・4本
玉ねぎ・・1個
にんにく・・3かけ
ローリエ・・2枚
香りのよい白ワイン・・1/2本
トマトペースト・・大さじ2
スカローラ・・1個
ほうれん草・・500g
生クリーム・・50ml
パルミジャーノ・・50g
卵・・2個
こしょう
クローブ・・1個
ジュニパー・・3粒
バター

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2025年9月11日木曜日

ランゲが最も輝くのは秋。アルバの白トリュフと質素なタヤリンの組み合わせは、農民料理を最大限ゴージャスにした1品。


ランゲ地方の話、続きます。
まずはランゲ地方の冬の話から入りました。家族の最も大切な場所は、寒い冬でも暖房が利く唯一の場所、キッチンでした。
でも、ワインとトリュフの丘、ランゲ地方がもっとも輝くのは秋です。この地の料理はかまどとカンティーナの間から生まれた、という説もあります。
そしてこの地の最も象徴的な料理はタヤリンtajarin。15世紀のランガ・ロエーロとモンフェッラートの農家で、乳母が食事の世話をする習慣から生まれたとか、脱穀場で生まれたなどと言われている質素な料理だが、現在ではグランシェフたちが作る料理。
ランゲの貧しい農民がトリュフと出会って豊かになるメタファーでもある。特に秋には、アルバの白トリュフと組み合わせる最高に贅沢な料理。アルバの白トリュフはアルバの秋に君臨している。おろしたフォンドゥータや生肉、炒り卵に散らす。
質素な農民料理のランゲ料理を、一躍豪華な一品に変えてしまうトリュフ。




アルバを有名にしたのは白トリュフだけど、このトリュフのフィエラはアルバを白トリュフの聖地にした。


フィエラの発案者はピエモンテを代表する美食家として知られるジャコモ・モッラ


アルバはランゲ地方の中心地。チョコレートのフェレッロでも有名な街。
もちろん、トリュフより有名なのはワイン。

アルバ。



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2025年9月10日水曜日

昔と今ではすべてがかなり違うランゲの農民文化。ランゲは雪がたくさん降る地方でした。

北イタリアの話題に移ってます。今日のお題は“ランゲの伝統料理”。(CIR5月号)の記事の日本語訳はP.26です。
ランゲ地方は、イタリアワインに興味のある人なら、一度は訪れてみたい場所。ピエモンテです。

数年前に世界遺産に登録されたランゲ。ぶどう畑はバブル状態。


この地を訪れる人の目的は、もちろんワイン。
今回の記事は、そこに暮らす農民が、ランゲの暮らしを語るもの。
そもそも冬はとても寒く、雪がたくさん振り、氷は春まで残っていました。

ランゲの雪景色。イメージなかった。


現在は周囲はすべてぶどう畑になりましたが、昔は小麦やとうもろこしの畑もありました。70年代までは収穫は手作業でした、と語るのは、ランゲの丘で暮らし、小さなアグリトゥーリズモを営んでいるメティルデ。

ランゲの料理。

メティルデのアグリトゥーリズモの外国人客は、最初はアメリカ人でした。それが今では世界中からやってきます。


ランゲの名物は料理はタヤリン。

農村の生活は厳しく、力をつけるためにみんなたくさん食べました。料理はみんなシンプルで、その時手に入るものを使っていました。と語るメティルデ。

台所は、家庭の最も大切な場所で、暖房が利く唯一の場所。家庭の生活の中心でした。日中は薪で煮るかまどと、ポタージュpotagéに常に火が入っているました。そしていつでも使えるように、その上では湯を沸かしていた。料理なら、コトコト煮るスーゴやミネストラを常に煮ていた。そして寒い外から帰った人に、温かい料理を提供していました。

なんだか、ランゲの冬景色が思い浮かぶような話です。考えてみれば、ランゲに行くのはワインが目的で、冬景色を見たことがある人は少ないかも。でも、家庭料理は冬の料理がベースなんですね。

ランゲのオステリア。


タヤリン。



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イタリアの新しいマスター・オブ・ワインが選ぶコンテンポラリーな赤ワイン。

イタリアの新しいマスター・オブ・ワイン、アンドレア・ロナルディが提案するPinosophyの概念。イタリアの食の分野のカリスマたちは、深い哲学への造詣がある人が多く、言ってることの意味が分かるまで、かなり苦労します。マスター・オブ・ワインも例外ではありません。なので、それなりにか...