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2025年8月30日土曜日

アマーロではなくアマローネ。苦いんじゃなくて、すごく苦い、てこと。甘口ワインを造ろうとして失敗し、超美味しいワインができちゃった。

今日のお題は、“リゾットのアマローネ風味”に使う食材から、アマローネです。リチェッタの日本語訳は(CIR4月号)P.35。
アマローネこと、アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ。

アマロ―ネとは


アマーロamaroではなくアマローネamarone。
この違いが分かる人は大人だなあ。
まず、アマーロは、単純にイタリア語で“苦い”という意味。英語ではビターbitterです。
アマローネは“苦い”という意味の“アマーロ”という言葉に接尾語のoneがいたもの。one というのはいわば“拡大辞”。“大きな”とか“多くの”という意味です。つまりアマーロを大きくしたのがアマローネ。単純に言えば超苦い、ってこと。

アマーロ、入門編。

イタリアのお年寄り(おじいちゃん)には欠かせない食後酒。これってイギリスのお年寄り(おばあちゃん)に欠かせないシェリーみたいなもの?
個人的にはアマーロの苦さは苦手。

ヴァルポリチェッラのキーワードはレチョート。

レチョートreciotoは甘い。


レチョート・ディ・ソアーヴェは白ブドウから造るパッシートワイン。
パッシートワインが嫌いな人なんているわけない(きっぱり)。



そもそも糖度の高い甘いワインを造ろうとして、冬の気温が高かったなどの偶然の要素が重なり、発酵が途中で止まり、ワインに多量の糖分が残ってしまった。こうしてできたワインはセッコでタンニンが強く、力強くて柔らかく、香りがよい、上質なものでした。
このワインをアマーロと形容することはできない、アマローネだ、となったそうです。
ヴァルポリチェッラの独特の地形が生み出すワインで、ヴァルポリチェッラ地区の土地はイタリアでもっとも価格が高いそうです。
そうそう、バローロの産地、ピエモンテのランゲ地方も地価が高騰して農地はすべてぶどう畑になってました。
バブルは影響の強さが怖い。

リゾット・アッラ・アマローネ。


リゾット・アル・バローロ。


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new『スッド・グランデ・クチーナ(南伊・山・海)』

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さらに、イタリアの情報はとても詳細。観光の役に立ちます。
私のイタリア料理の知識は、すべて長年読み込んでいるこの本から得たものです。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。

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2025年8月29日金曜日

リゾットのアマローネ風味、シンプルながら地元の名物が各種使われている料理。

ワイン風味の定番イタリア料理、最後は“リゾットのアマローネ風味”。
アマローネは、アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラvalpolicellaのこと。ヴェネトのワインです。コルヴィ―ナ、ロンディネッラ、モリナーラなどのぶどうを収穫後に干してから醸造する濃いルビーレッドの滑らかでボティーのある味のワイン。ジビエやロースト、ブラザート、煮込み、熟成チーズなどに合う。

ヴァルポリチェッラのストラーダ・デル・ヴィーノ。


きのうの白ワインの銘産地、スッドチロルから一転して、今度は上質赤ワインの産地。北イタリアでも様々なワインが造られています。

今日の料理の舞台はヴェローナ。
下の動画はヴェローナの名物の祭り。


アマローネのリゾットのもう一つの主役、米もヴァルポリチェッラ地区の名物。
その品種は、ヴィアローネ・ナノviarone nano。

ヴィアローネ・ナノの産地。



イタリアでは、“米は水から生まれてワインの中で死ぬ”、と言われています。
米とワインは切っても切れないパートナー。

という訳で、この料理の主役はアマローネとヴィアローネ・ナノです。
北イタリアでリゾットというと、カルナローリ米が中心ですがヴィアローネ・ナノもヴェネトなど北イタリアのリゾットには欠かせない米。
イタリアの米はリゾットになった時に美味しくできるように品種改良されてきた米。

この料理には、地元の名物がもう1つ使われています。
それはモンテ・ヴェロネーゼというチーズ。(CIR4月号)のリチェッタの日本語訳はP.35。

モンテ・ヴェロネーゼ


材料が少なく、シンプルな料理だけに誓う食材の品質がポイント。ヴェローナの食文化と食材の知識が必要な料理でした。
モンテ・ヴェロネーゼはいわゆる“山のチーズ”と呼ばれるチ―ズの代表格。牛乳のセミハードチーズです。

アマローネとモンテ・ヴェロネーゼのリゾット。


ベネチアでイカ墨のスパゲッティ食べたことがありますが、リゾット食べとけばよかった、と未だに後悔してます。
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2025年8月18日月曜日

ベネチアの潟の中にある島のグリーンスターのレストラン、ヴェニッサのシェフ、キアラ・パヴァン。

今日は、今月の(CIR)二人目のシェフ、キアラ・パヴァンシェフです。
記事の日本語訳はP.25。
ヴェローナ生まれ、ベネチアの世界遺産の潟の中にある島にある、オステリアでワインリゾートで星付きリストランテ、ヴェニッサのシェフです。2022年からはミシュランのグリーンスター(持続可能なガストロノミーに積極的な店を評価するシンボル)も獲得している。

ベネチアの潟の中にあるマッツォルポ島にあるヴェニッサ


ヴェニッサの料理。


潟の中にあるということは船で行く店?

潟の中にある島々。
ヴェニッサのあるマッツォルボ島。


キアラ・パヴァン。


どうやら、その生き方も相まってサステナブルを象徴する女性シェフと見なされているもよう。料理の食材の大部分は島の10ある共同農場で地元の家族が栽培したものや潟の産物。



休日にはlibreria crapassoで毎週新しい本を紹介しています。



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2025年7月11日金曜日

ハプスブルグ家も登場する壮大な歴史があるヴィッラフランカの超シンプルなパイ菓子スフォリアティーネ。ある意味、ナポリのスフォリアテッラの究極にあるイタリアのパイ菓子。

今日のお題はオーストリア=ハンガリー帝国の一部だった街、ヴェローナのヴィッラフランカのカフェが、歴史的な休戦、“ヴィッラフランカの休戦”に捧げて作ったドルチェ、平和のケーキこと、“ヴィッラフランカのスフォリアティーネ”。やたらドラマチックな背景の割には、超シンプルなドルチェです。リチェッタの日本語訳はP.30。
バターと砂糖の香りのドルチェ。

スフェリアティーネはパイ生地のこと。
普通は長方形に切りますが、ヴィッラフランカのスフォリアティーネは端を閉じてドーナツ形にするのが特徴。

ヴィッラフランカのスフォリアティーネ

スフォリアティーネ

スフォリアティーネとクレーマ・シャンティ―

リコッタクリーム入りスフォリアティーネ

ナポリのスフォリアテッラはイタリアのパイ菓子の世界的に有名なバリエーションの1つ。

次回もドルチェ、パン・ディ・スパーニャの話。

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2025年7月10日木曜日

イタリア統一戦争のさなかに結ばれた休戦。それを記念して、ヴィッラフランカのカフェが作ったのが、このドルチェ。

今日のお題は、ヴェローナのドルチェ、“ヴィッラフランカのスフォリアティーネ”です。
(CIR3月号P.30)正直言って、ヴィッラフランカという名前は初めて聞きました。

ヴィッラフランカ・ディ・ヴェローナ

ヴェネトの街で、リソルジメントの時期、オーストリア=ハンガリー帝国の一部でした。
オーストリア=ハンガリー帝国という国があったこと自体知らなかった。
でも、その基盤となったハプスブルグ家のことはよく聞きます。
彼らが築いたこの帝国は中央ヨーロッパに君臨し、多民族国家で、政治だけでなく、音楽や芸術面で豊かな文化も生み出しました。
けれども民族的な対立は政治的な不安定さを生み出しました。

オーストリア=ハンガリー帝国の皇帝賛歌。ドイツ国家と同じメロディー。

この時代のことは全然知りませんが、当時、ヴィッラフランカの休戦というのが結ばれました。この出来事は、この街の名がイタリアの歴史に登場した出来事で、イタリア統一戦争の中での出来事でした。フランスがオーストリアと結んだ和約です。

ヴィッラフランカの休戦

ナポレオン3世まで登場して、ほんとにヨーロッパの政治は何がなんだか・・・。
よく分からないけど、その出来事がきっかけで生まれたのが“平和のケーキ”こと、ヴィッラフランカのスフォリアティーネです。
1842年オープンのヴィッラフランカのカフェ・ファントーニで、オーナーだったジョヴァンニ・ファントーニが考え出しました。
カフェ・ファントーニ


この地方は中央ヨーロッパのゴージャスな文化の影響が感じられる地方だけど、常に戦争の影がさしていた地方でもある。休戦の取り決めは市民にとってよほどうれしかったのでしょう。

そしてこれがスフォリアティーネ。
詳細は次回。

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2025年7月7日月曜日

今どきのアサリのスパゲッティは、リチェッタがちっょと進化していて、アサリを最大限に活かす。

今日のお題は、“アサリのスパゲッティ”(リチェッタの日本語訳はCIR3月号P.4)。
イタリアの海辺の町の料理の定番中の定番で、その作り方も、昔からほぼ変わらず。

ナポリvsべネチアのアサリのスパゲッティ


今月の料理のテーマは、主役の食材を活かす、ということ。
この料理の主役は、もちろんアサリ。
イタリアでは、アジア産アサリと国産アサリvongole veraceが出回ってます。
両者は味が違うので、アサリに対する知識もシェフには必要。
動画を見る限り、ナポリもベネチアも、リチェッタに大きな違いはないようです。
多分、みんなこうやって作ってますよね。
でも、(CIR)のリチェッタは、違います。
スパゲッティをアサリのブロードでゆでます。
ブロードは、フライパンで油少々と皮付きにんににくをソッフリットにし、アサリを加えて熱し、イタリアンパセリの茎、ワインを加えてアルコール分を飛ばす。火を止めて汁を濾し、殻を取る。これを濾したのがブロードです。
パスタはこのブロードとアサリの殻を加えた湯でゆでます。

ナポリのクリスマスのプランゾのスパゲッティ・ボンゴレ。お皿も素敵。


今月のリチェッタのもう1品、“ガンベロ・ロッソと柑橘フルーツのタルタルとビスク”はガンベロ・ロッソの頭と殻から取ったビスクが主役。
殻から出汁を取るリチェッタが、広まっているようですね。
今月の白身魚の記事も、イタリアの魚料理の概念が大きく変化していることを感じさせるとても興味深いものでした。
詳細は次回。

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2025年7月5日土曜日

魚の生食が普及した今時のカルパッチョは、かなり進化している。

(CIR3月号)のリチェッタのテーマは、“主役の食材の活かし方”。次の料理はカルパッチョとスパゲッティ・アッレ・ヴォンゴㇾ。どちらもお馴染みのイタリア料理。定番料理のリチェッタを、どうアレンジしているのでしょうか。
まずはカルパッチョ。
今さら言うまでもなく、ヴェネチアのハリーズ・バー生まれの大ヒットした生の牛肉の料理。
ハリーズ・バーのカルパッチョ

それが今では生魚の料理として広まっています。
ハリーズ・バーの自伝的本、『ハリーズ・バー

によると、若い牛のサーロインをスライスしてサルサ・カルパッチョをかけた1品。 
サルサは、自家製マヨネーズにレモン汁やウスターソースを加えたもの。

(CIR)P.3の日本語のリチェッタの今どき版カルパッチョは、さすがに生肉の料理ではなく、生魚の料理。主役はスズキで、ソースは海のマヨネーズとなっています。

スズキのカルパッチョ。
魚の生食が広まった現代のカルパッチョは、常に大きく進化しています。

ソースはレモンヴィネグレット。もうマヨネーズは過去のもののようですが、今回の海のマヨネーズというのは、香味野菜とスズキの粗で取ったフメットがベース。これにピーナッツ油を加えながら乳化させたもの。魚は軽く叩いて平らにして、ソースをかけます。かなり進化していますね。これは一度イタリアで今どきのカルパッチョ食べてみる必要がありそう。
次の1品、アサリのスパゲッティも面白そう。ボンゴレの話は次回。

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イタリアの新しいマスター・オブ・ワインが選ぶコンテンポラリーな赤ワイン。

イタリアの新しいマスター・オブ・ワイン、アンドレア・ロナルディが提案するPinosophyの概念。イタリアの食の分野のカリスマたちは、深い哲学への造詣がある人が多く、言ってることの意味が分かるまで、かなり苦労します。マスター・オブ・ワインも例外ではありません。なので、それなりにか...