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2025年8月23日土曜日

ザバイオーネ・アル・マルサラ。シチリアの酒精強化ワインとトリノのカフェ文化から生まれたホットクリーム。


ワインとの組み合わせが定番のイタリア料理、2品目は、ザバイオーネのマルサラ風味(CIR4月号)のリチェッタの日本語訳はP.34。
ピエモンテのデザートです。フランス語ではザバイヨンsabayonと言います。
冬にピッタリなホットクリーム。卵黄、砂糖、ワインから造る、ドルチェの古典。
トリノで発明されたとする説が有力ですが、その歴史は確かなことは分かっていません。
料理人とパティシエの保護聖人、サンパスクアーレ・バイロンにちなんだ名前、とも言われています。彼はフランシスコ会の修道士ですが、そもそもスペイン人。追求すればするほどこの説も根拠が曖昧。

ザバイオーネ・アル・マルサラ。



テーブルで作るザバイオーネ。
シェフは、ザバイオーネを作りながら客とおゃぺりするのが大好きなんだって。ルーツは不明だけど、ザバイオーネ食べるなら、トリノのおしゃべりなシェフがいる店も、老舗のカフェもいいな。


トリノ


トリノはカフェ巡りも楽しい。


マルサラはもちろんシチリアの酒精強化ワイン。

マルサラ


ワインのマルサラの話は次回。

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2025年7月12日土曜日

スペインで生まれたからパン・ディ・スパーニャと呼ばれるイタリアのスポンジ生地。フランスでは経由地のジェノバの名を取ってパータ・ジェノワーズと呼ぶ。案外適当。

今日のお題は、“パン・ディ・スパーニャpan di Spagna”。
なぜスペインのパンなのか、不思議でしたが、それはスペインで生まれたから、という超シンプルな理由でした。生地の日本語訳は(cir3月号P.37)。この生地は、19世紀半ばに、ジェノヴァで重要な晩餐会が開かれた際に、ジェノヴァの大使によってブルボン家の宮廷に贈られたものだそうです。
ジェノヴァという名前が頻繁に出てきますが、そういえば、フランス語ではパータ・ジェノワーズpâte à génoiseと言います。
イタリアのパティシエの巨匠、イジニオ・マッサーリのパン・ディ・スパーニャ

パータ・ジェノワーズ
フランスではジェノヴァ経由で生まれた生地となってるわけです。

世間ではフランスとかジェノヴァとか言ってるのに、なぜイタリアはスペイン?
イタリアでは、パン・ディ・スパーニャを作りだしたのは、ジェノヴァの料理人ジョバッタ・カボーナGiobatta Cabonaという人物と知られています。作られたのがスペインだったから、こう呼ばれていますが、説得力弱~い。

ややこしくなってきたついでに、スポンジ生地がベースのイタリア生まれのポルトガルのスポンジ生地と言われる、パン・デ・ローをどうぞ。


イタリア料理でスポンジ生地がベースのドルチェと言えば、フィレンツェのズッコット。

ズッコットに登場するのはカテリーナ・ディ・メディチ。

なんだかドルチェの世界はサッカーの世界と似てるかも。

次は、ペコリーノ・ロマーノの話。

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2025年7月10日木曜日

イタリア統一戦争のさなかに結ばれた休戦。それを記念して、ヴィッラフランカのカフェが作ったのが、このドルチェ。

今日のお題は、ヴェローナのドルチェ、“ヴィッラフランカのスフォリアティーネ”です。
(CIR3月号P.30)正直言って、ヴィッラフランカという名前は初めて聞きました。

ヴィッラフランカ・ディ・ヴェローナ

ヴェネトの街で、リソルジメントの時期、オーストリア=ハンガリー帝国の一部でした。
オーストリア=ハンガリー帝国という国があったこと自体知らなかった。
でも、その基盤となったハプスブルグ家のことはよく聞きます。
彼らが築いたこの帝国は中央ヨーロッパに君臨し、多民族国家で、政治だけでなく、音楽や芸術面で豊かな文化も生み出しました。
けれども民族的な対立は政治的な不安定さを生み出しました。

オーストリア=ハンガリー帝国の皇帝賛歌。ドイツ国家と同じメロディー。

この時代のことは全然知りませんが、当時、ヴィッラフランカの休戦というのが結ばれました。この出来事は、この街の名がイタリアの歴史に登場した出来事で、イタリア統一戦争の中での出来事でした。フランスがオーストリアと結んだ和約です。

ヴィッラフランカの休戦

ナポレオン3世まで登場して、ほんとにヨーロッパの政治は何がなんだか・・・。
よく分からないけど、その出来事がきっかけで生まれたのが“平和のケーキ”こと、ヴィッラフランカのスフォリアティーネです。
1842年オープンのヴィッラフランカのカフェ・ファントーニで、オーナーだったジョヴァンニ・ファントーニが考え出しました。
カフェ・ファントーニ


この地方は中央ヨーロッパのゴージャスな文化の影響が感じられる地方だけど、常に戦争の影がさしていた地方でもある。休戦の取り決めは市民にとってよほどうれしかったのでしょう。

そしてこれがスフォリアティーネ。
詳細は次回。

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2025年3月19日水曜日

未だに決着がついていないティラミスの発明者。でもトレビーゾのティラミス・ワールド・カップは10回も開かれている大会。トレビーゾ市民はここが発祥地と固く信じている。

ワインのコッリオの話題から、フリウリの州都、トリエステの料理の話をちょっとしました。実は、トリエステは、とーっても有名なイタリアのドルチェの発祥地、と強く主張していているのです。
それはティラミスです。
確かにルーツが曖昧なドルチェというか、誰もが考え出しそうなほどシンプルなドルチェなので、そのルーツは、いまだに決着がつかない議論になっています。

それが、フリウリの州都トレヴィ―ゾは、ティラミスの発祥地と信じて疑わないのです。ティラミス・ワールド・カップなるものまで開催されています。webページはこちら

ティラミス・ワールド・カップ2024は10月11~13日



ティラミスを発明したのは誰か、という動画。ベネトのベッケリエというレストランという説が一般的。トレビーゾ説は初めて知りました。

ティラミス・ワールド・カップとは

ベッケリエのオーナーもトレビーゾの住民も、元祖説を却下する気はさらさらなさそう。


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2024年12月17日火曜日

コルヌコピアとトリナクリア。前者は収穫祭の装飾、後者はシチリアのシンボル。どちらも表しているのは豊穣。グラン・シェフの料理のテーマにぴったり。

今月の(CIR)のグランシェフは、ピーノ・クッタイアシェフです。
シチリアのリカータのリストランテ・ラ・マディアのシェフ。出身地で店を持ったわけですが、その前にピエモンテに行き、学生として過ごした後に、トリノで料理人として働き、シチリアに戻り、独学で料理人としての腕をみがき、2000年に店をオープン、2006年にミシュランで最初の星を獲得、2009年に2つ目を手に入れています。
アバンギャルドで個性的で知的な料理を作るシチリアでは注目のシェフです。

ピーノ・クッタイアのシチリア料理

ピーノ・クッタイアのナスのカンノーロ・シチリアーノ

リカータのレストラン・ラ・マディア

(CIR)の記事では、前菜からデセールまで、5品のリチェッタが紹介されています。
最後の“カンノーリのコルヌコピア”は、イタリア語では“ラ・コルヌコピアla cormucopia”という料理名でした。

コルヌコピアとは何?


上の動画では、感謝祭の頃に見る装飾品だと言ってますね。角型のバスケットで、フルーツや野菜が詰まっています。豊穣や豊かさの象徴です。感謝祭の装飾、ということはシチリアじゃなくてアメリカの文化。


ピーノ・クッタイアシェフは、これをカンノーリで造りました。リチェッタはP.24。アメリカの文化が見事にシチリアとフュージョン。でも、感謝祭のコトは全く知らない私がこのカンノーリを見て最初に思い浮かんだのは、トリナクリアTrinacrinaです。
シチリアのシンボルであり象徴と言われている3本足の中央にメドゥ―サの頭という、ちょっとグロテスクな姿。でも、これはシチリアの豊かさを表しているのだそうです。つまり豊穣のシンボル。


ピーノ・クッタイアシェフのカンノーロ。


コルヌコピアもトリナクリアも、見たとはあるけど意味は知らなかった。料理のモチーフにピッタリだけど、さすがにトリナクリアをベースにした料理はまだ見たことない。

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2024年11月22日金曜日

ジェラートはパンとの相性も良いデセール。シチリアとナポリの人のジェラートの食べ方は、ほんとに自由。

今日は、(CIR)7月号のリチェッタから、ジェラートの話(P.12)。
リチェッタのテーマは、シンプルにコーンやカップに入れるジェラートではなく、クロスタータやボンボローニ、はてはフォカッチャにのせるジェラート。

ジェラートのデセールの最高峰はトルタ・ジェラート。

パン・ジェラート


ジェラートの食べ方は自由。シチリアではブリオッシュにはさみむ。
昔、パレルモのアラブ風お城の前のバールで、初めてブリオッシュとジェラートを注文した時のドキドキ感、まだ覚えてる。

なら、ナポリはピッツァと。

ナポリのジェラテリア・ファンタジア。夢の国がここにも・・・。


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2024年7月23日火曜日

イギリスのプディングからアメリカの典型的なケーキになったキャロットケーキ。今や世界中に広まった国際的で歴史のあるケーキ。

今日のお題は“キャロット・ケーキ”です。
『クチーナ・イタリアーナ2022年3月号』の記事から。
そもそも、キャロットケーキは、当然ながらにんじんが主役。
そして舞台は北ヨーロッパ。
主にイギリスで中世以降に流行った料理だそうです。
当時は、にんじんは砂糖に変わる甘さを出せる食材でした。
昔はキャロット・プディングと呼んで食後に食べていました。
なんとなく昭和の香りがする懐かしいケーキですが、そのルーツはプディングだったんですね。
そしてイギリスの植民地、アメリカに伝わり、次第に世界中のカフェに広まっていきます。
1783年の11月25日は、イギリスの撤収の日。つまり独立戦争の結果、イギリス軍がニューヨークから出て行った日です。


この日、未来の大統領、ジョージ・ワシントンがキャロット・ケーキ1切れをマンハッタンのカフェで食べた、ということが、今では歴史的な出来事みたいに後世に語り継がれています。

この頃がキャロット・ケーキ大流行のピーク。カフェでは、キャロット・ケーキがりんごのケーキに取って変わりました。アメリカがキャロット・ケーキの本場みたいなことも感じていましたが、スイスにはにんじんが特産物の地方があって、にんじんの大きな国際マーケットも開かれます。

スイスのマーケットのPV

スイスの鶏のPV

スイスのにんじんの産地のマーケットのPV

スイスってアルプスとチーズだけじゃない。

ブロンクスの人気キャロット・ケーキ専門店。

キャロット・ケーキの特徴は、クリームチーズがベースのアイシング。リチェッタに加わったのは1970年のこと。


とてもシンプルなケーキですが、調べれば調べるほど話が広がるインターナショナルで歴史のあるなケーキなのでした。

今日はちょっとおまけの番外編の日。(CIR4月号)はもうすぐ販売予定です。

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2024年6月1日土曜日

フィレンツェに行くなら、取りえず要チェックな老舗。フィレンツェは一時イタリアの首都だったので、サボイア家とのつながりもチラチラ。トリュフのパニーノが名物の人気店も。

(CIR2月号)のグルメガイドはフィレンツェ(CIRP.22)です。


世界的な、大きな観光地だし、行ったことのある人も多いと思いますが、昔から続く世界的な老舗が多い街なので、古い情報も意外と役に立ちます。というか、古い店ほど情報は貴重です。
アートの観光情報は巷に溢れていると思いますが、このブログでは食べ物の話中心。フィレンツェのグルメガイドとなると、必然的に歴史のある名店の話になります。
最初の店はプロカッチ。1885年創業。


ヘーゼルナッツやトリュフの再販所として開業した店で、トリュフのパニーノなど、トリュフ風味のオイルや蜂蜜、アンチョビなどの食材の店として人気になった軽食もとれる店。トルナブオニ通りにあります。トルナブオニ通りはフィレンツェ中心部のブランドショップ地区。
まさかフィレンツェにトリュフのパニーノノが名物の店があるなんて、知らなかった。

次はカフェ・ジッリ。フィレンツェで一番古いバール。レプップリカ広場にあります。


昔、私はフィレンツェでイタリア語を勉強していましたが、この店に対しては、上の動画のお父さんと同じことを考えていました。貧乏なアジアの若造を拒むような、高級感とスノッブな感じをギンギンに発しているこの店は、入口からして場違い感が強烈でした。イタリアで最初に知ったカフェです。今ならこれがヨーロッパの老舗のカフェの一般的な雰囲気だと知りましたが、当時はびびってました。


カフェ・ジッリの名物は、チョコレートケーキやヘーゼルナッツケーキ。
学校への通学路上にこんなカフェがあるので、ほぼ毎日通っていました。でも、困ったことに、通学路の途中に、超魅力的な店があって、そちらは毎日通っていました。フィレンツェの下宿先で同部屋になったスイス人が教えてくれた店です。ここがフィレンツェで一番美味しいジェラート屋だよ、と。スイス人の情報網はすばらしく、聞いたこともないフィレンツェの魅力的な店や食べ物をあれこれ教えてくれました。代わりに私は、生ハムやワインや惣菜を買い込んで部屋でみんなをおもてなしたものです。懐かしいなあ。

1929年にオープンしたたジェラテリーア、ヴィヴォリ。

ジェラートはコッパ入りのみ。名物はアルケルメス風味のズッコット、コーヒージェラートが中央に入ったコッパ・グラン・カフェなど。


シニョリーア広場のリヴォアールの創業者は、フィレンツェがイタリアの首都になった時にサヴォイア家と一緒にトリノからフィレンツェに移り住んで店を開きました。フィレンツェでトリュフのパニーノが食べられる理由が分かりましたねー。

ズッコット・フィオレンティーノ

ズッコットはフィレンツェの伝統のドルチェ。
ズッコットコンクールも開催されている。

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イタリアの新しいマスター・オブ・ワインが選ぶコンテンポラリーな赤ワイン。

イタリアの新しいマスター・オブ・ワイン、アンドレア・ロナルディが提案するPinosophyの概念。イタリアの食の分野のカリスマたちは、深い哲学への造詣がある人が多く、言ってることの意味が分かるまで、かなり苦労します。マスター・オブ・ワインも例外ではありません。なので、それなりにか...