2022年4月25日月曜日

南イタリアからの移民によって、イギリスの植民地に広まった料理、パルミジャーナ

ナポリの人気料理、パスタのフリッタータの次の今月の(CIR)のリチェッタは、シチリアとの間で容赦のない本家争いが起きている料理、なすのパルミジャーノです。

由緒正しいナポリの名物食材となすを使った夏の料理として、世界中(特にアメリカ、オーストラリア、カナダ、ほお、これは見事にイギリスの植民地ですねえ)に広まった料理、パルミジャーナ。
もちろん世界中の人は、これがナポリ料理かシチリア料理かなんて、どっちでもいいいでしょうが、おそらく南イタリアからの移民が広めたイタリア料理の名品、ということに異議はないでしょう。
さらに言えば、カラブリアにもパルミジャーナという伝統料理はあります。

シチリア派の根拠は、料理書に初めて登場したのが、ナポリで出版された歴史的料理書、ブオンビチーノ公ことIppolito Cavalcanti著、『Cucina teorico-pratica』(1837)だとされているのです。彼は今でも当時のナポリ料理の基礎を本にまとめた人物として尊敬され、彼の名前を冠したホテル学校や博物館もあります。

ベースのなすのパルミジャーノを、他の野菜(今回はパプリカ)で応用するので、ベースのナポリ風パルミジャーナのリチェッタを見てみます。

なすのパルミジャーナ/Parmigiana di melanzane

材料/
なす・・2㎏
トマトソース・・700g
モッツァレラ・・300g
おろしたパルミジャーノ・・100g
小麦粉・・大さじ4
バジリコ、塩、こしょう
EVオリーブオイル

・なすの皮をピーラーでストライプにむき、厚さ7~8㎜にスライスしてざるに入れる
・塩をして重石の皿と水を張ったボールをのせ、30分置いてアクをだす。
・モッツァレラを小角切りにして水気を切る。
・なすの水気を抜き取って小麦粉を薄くまぶし、190℃のたっぷりの油で両面を揚げる。
・シートに取って油を切る。
・オーブン皿にトマトソースを敷き、なす、トマトソース、モッツァレラ、ちぎったバジリコ少々、パルミジャーノ少々の順で3~4段重ねる。
・最後の段はトマトソースで覆ってパルミジャーノを散らす。
・180℃のオーブンで25分焼く。

ちなみに、なすはアラブから中世後期にヨーロッパに伝わりましたが、例の料理書に登場したのは19世紀とかなり後になってからです。
なすの苦さが敬遠されていたのでした。
そのため、パルミジャーノに使ったのはズッキーニやパースニップが一般的でしたし。
なので、ズッキーニのパルミジャーノというのもおいしいはず。

パプリカのパルミジャーナ/PARMIGIANA con PEPERONI 


材料/
パプリカ
EVオリーブオイル
ハム、モッツァレラ
パン粉、ターメリック、パプリカパウダー、塩、砂糖

・パプリカをオーブンでローストしてむらし、皮をむく。
・オーブン皿に油を引き、パプリカを並べて塩をする。
・モルタデッラ、モッツァレラの小角切り、油を重ねる。これを繰り返し、パン粉を散らす。
・180℃のオーブンのグリルで焼く。

ズッキーニのパルミジャーナ





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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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