2024年9月7日土曜日

節約してもっと美味しいものを食べる時代の新しいクイント・クアルト

今日のお題は(CIR2022年5月号)の記事“新しいクイント・クアルト”から、

フィレンツェの内臓料理のマエストロこと、チブレオのオーナー、ファビオ・ピッキ。

ローマのテスタッチョの食肉処理場で生まれた内臓料理の中で、その象徴とされたのがパヤータ。(小腸)

ピエモンテ料理のフィナンツィエーラ。

下の動画のタイトルはパレルモで一番有名なパニー二。“パーネ・カ・メウザ”。具は脾臓です。

内臓は、昔から、どこでも貧しい庶民の料理の、トラットリア料理の代表でした。

記事には、rigaglieとfrattaglieの違いについての説明がありました。訳す時は、どちらも内臓、と訳していましたが、イタリア人にとっては違いがあったのです。rigaglie は鳥類の内臓で、frattaglieはその他の動物の内臓なんだそうです。
ローマ皇帝ヘリオガバルスの宴会には、彼の好物が登場しましたが、それらは、クジャクの舌、鶏のとさか、ダチョウの脳みそと言ったregaglieたちでした。

鶏の内臓のフェットゥッチーネ。

70年代になると、内臓料理よりフィレット、スカロッピーナ、ビステッカの時代が訪れます。それに伴って、時間と経験と新鮮さと下ごしらえが必要な内臓料理は家庭から消えていきました。
やがて、家族みんなで集まって暮らすライフスタイルが一般的になり、アイランドキッチンが広まり、何も無駄にしないことが美徳とされる時代になります。
そして現代の暮らしのキャッチフレーズは、“paghi meno e mangi meglio”支出を減らしてもっと美味しいものを食べる、です。

現代では、内臓料理も大きく変わっています。ただ、内臓が美食家に注目される食べ物であることは変わらないようです。

最初の内臓は子牛の腎臓、rognone di vitello。

子牛の腎臓のトリフォラート

茶色いイメージの内臓料理に添えるのは、鮮やかな黄色のサフランライスです。
その結果、今月の料理の中でも、特に美しい1品になりました。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年の号からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

============================


0 件のコメント:

イタリアの南vs北問題は、今や若者vsおばあちゃん問題になってイタリア人の笑いのツボのドストライク。楽しい国~。

スパゲッティ・ボロニェーゼは実は、地方の集合体である豊かなイタリア料理の特徴と、南北の分断という実情を如実に反映した料理でした。北のソースを南のパスタにかけるのは、外国人には全然わかりませんが、イタリア人にとってはかなり不自然で邪道な行為。 イタリア人にとっても、南北の違いは面白...