2024年10月12日土曜日

イタリアの現代ロゼワイン発祥の地は、プーリアのサレント地方。

今日のお題はプーリアのロゼワイン。
ロゼワインは黒ぶどうの皮をモストに短期間浸漬することによって生まれます。浸漬時間は一般的には6~12時間ですが、2日間漬けることもあります。この作業によって色だけでなくタンニンなどのポリフェノール成分もワインに加わり、その結果白ワインのようにフレッシュでかつ、コクのあるワインができます。

イタリアの現代ロゼワイン発祥の地は、プーリアのサレント地方。

プーリアのロゼは酸味を考慮して造られているのでトマトがベースの料理やフリットによく合う、と言われています。
この地方のロゼワイン造りは、ギリシャ人によって始まりました。彼らは袋にぶどうを入れて潰し、“ラクリマツィオ―ネ(涙分泌)”と呼ばれる方法でモストと絞り粕を分離させました。

サレント地方を象徴するぶどうは、ネグロアマーロ。

プーリアのロゼ

赤か白かでもめたらロゼに・・・。プーリアのロゼが全部持ってった。

そしてイタリア最初の瓶入りロゼは、レオーネ・デ・カストリスのファイブ・ローゼス。

まずはネグロアマーロの話から。このぶどうが栽培されるようになったのは少なくともギリシャの植民都市の時代(紀元前7世紀)までさかのぼります。語源ははっきりしていないけれど、ギリシャ語で「黒」という意味の“mauros”とラテン語の「黒」の“niger”ではないかという説が有力。このぶどうを語る人は、とにかく小難しい歴史的で専門的な説を調べているので、言ってることもよく分からない。つまり、ギリシャ語とラテン語で黒、と言ってる、という主張ですが、こんなに強調されれば、もちろんぶどうの房の色が黒いこととはよく分かります。ただ、残り半分のアマーロですが、これはイタリア語では「苦い」ということですが、ぶどうが苦いという意味ではない、と考えられています。
もちろん、そんなこと知らなければ、ネグロアマーロがタンニンが豊かでポリフェノール分が豊富で苦みもあるぶどうという説にころっと同意してしまいます。

 少し前まで、プーリアのワインは、主に北部やフライスのワインの色づけのために用いられていました。ワイン農家にとっては貴重な収入源。毎週月曜日の朝にレッチェのオロンゾ広場にぶどうが集められ、それを貨物列車でフランスや北イタリアに運んでいました。

レッチェの聖オロンゾ広場。駅前の古代ローマの遺跡もある大きな広場。駅前に古代ローマの遺跡って・・・。レッチェは美しくて歴史に満ちた、食べ物も美味しい良い街です。ここにも若い学生たちが大勢見学に来てました。


次は、イタリアで最初の瓶入りロゼの話。瓶入りロゼって、なに?て思うかもね。ブレンド用ワインは瓶に入れる必要なかったんですが、市場が瓶入りワインを望むようになってきました。そのため、1957年には 北の瓶詰業者がぶどうを買わないと言い出し、暴動騒ぎになります。多くの農家がぶどう栽培をやめて他の作物に転向してしまいます。サレント地方のぶどう畑は半分以下に減少します。
そのような中でサレントワインが復活し、プーリアワイン全体が活気づきます。そのきっかけとなったのが、レオーネ・ディ・カストリスです。
この話は次回。

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