2024年10月21日月曜日

トラットリア・カンタレッリはまだ田舎があった時代の地方主義の最後のきらめき。

トラットリアで上質の料理を味わう時代の象徴になったのが、(CIR6月号)によると“お米のサヴァラン”だそうです。あまり食べたことない料理かもしれませんが、こんな料理です。

パルミジャーノ風味のお米のサヴァラン。
サヴァランというフランス語の型を使う料理ですが、これをイタリア語でいうと、“ボンバ爆弾”となります。
ボンバ・ディ・リーゾ

名前をサヴァランからボンバにしただけで、なにこの親しみやすさは。
トスカーナのルニジャーナ地方の料理だそうです。
さらに、ナポリではサルトゥと呼びます。

ナポリのサルトゥ・ディ・リーゾ。
なんだかかなり派手で賑やかでお祭りムードがある料理ですね。どこから見ても南イタリアの料理ですが、実はその原型はフランスの宮廷で生まれた料理。それがモンズー経由でナポリ、パレルモなど、南イタリアの貴族たちの間に伝わりました。
モンズーというは、あるフランス語のイタリア語なまり。正確に言うと、イタリア語、フランス語、ナポリ方言をミックスした言葉で“ムッシュー”という意味です。
実は、このナポリなまりのフランス語について、ある事実を知ってしまいました。
この不思議ななまりを生み出した犯人がわかったのです。
その人は、ナポリ料理のもっとも権威のある歴史的な本として知られる『Cucina Teorico Pratica 』の著者、ブオンビチーノ公、イッポリート・カヴァルカンティ(1787〜1860)です。

この本の序文で、カヴァルカンティはフランス語の発音をイタリア語に当てはめて、新しい言葉を作りだしたことを告白しています!しかも、読者の大部分はフランス語を理解しないだろうから、とも書いています。彼の目的は、当時貴族や富裕層の間で流行していたフランス風料理を、分かりやすく紹介することにありました。

彼が発明したナポリ風フランス語は、チャルロッタ(シャルロット)、グラッテ(グラタン)、セッレーリ(セロリ)、ガトー(ガットー)などです。

イタリア料理の百科事典、『グランデ・エンチクロペディア・イッルストラータ・デッラ・ガストロノミア』

によると、18~19世紀のナポリやシチリアの貴族の家の料理人のことで、フランス人じゃなくてもモンズ―と呼んでいたようです。当時、フランス料理は
やその食文化は憧れの的だったとあります。それは現在まで続いているようです。

次回は80年代。
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