以前のブログでもこの話題を扱っていました。
このページを読んでいただけると、地中海式ダイエットについて、多少は分かっていただけると思います。
地中海式ダイエットという言葉で思い浮かべるのは、アメリカ人研究者のアンセル・キーズ博士のことです。
当時のアメリカ人の死因の第一位は心臓病でした。
博士の研究は20年に渡り、当時他にはまだ誰も気が付かなかったコレステロールの影響を世に知らしめました。
さらに、心臓血管系の病気には、一昔前の地中海の食事が効果的、ということに気づくと、すぐさまカンパーニア南部に移住し、百歳まで長生きしたのでした。
博士が選んだ街、ピオッピは、今では地中海式ダイエットの聖地になっています。
ピオッピ
現代になって、イタリア料理はかなり身近になりましたが、これは地中海式ダイエットに気がつく前の、世界で一番栄養状態が良かったアメリカ人の食生活に日本人も近づいている、ということでもあります。
特に気になるのは野菜嫌いと肉への偏重。
ナポリの人は、昔は“野菜好きmagniafoglia”と呼ばれて北イタリアの人からからかわれるくらい野菜が好きでした。このくらいの野菜好きがあった上での動物性脂肪好きです。
ただ、生活が豊かになると、人は自然とこういう不健康な食生活になるもののようです。
(CIR6月号)では、博士が目指した地中海式ダイエットを、古代ローマ時代の南イタリアの詩人にまで遡っています。
後世に大きな影響を与えたその詩人、ホラティウスは、紀元前35年に、『風刺詩』で、「家に帰ると、ポロネギ、ひよこ豆、ラガーネのスープがある」と書きました。
現代のイタリア人には、古代ローマの偉大な詩人のこんな一文が刺さるようです。
ラガーネは穀物の粉と水がベースの古いパスタ。
これが満ち足りた時代の理想的な南イタリア料理でのイメージです。
ひよこ豆のラガーネLagane e ceciと言えば、カラブリア料理。
材料/5人分
00番の小麦粉・・400g
セモリナ粉・・100g
水・・250ml
チェーチ・・500g
にんにく・・2かけ
カラブリア産赤唐辛子・・1本
ローリエ・・4枚、塩
・粉と水をこねて生地にし、少量ずつ伸ばして長方形のラガネにカットする。
・ローリエと塩を加えてチェーチをゆでる。
・ラガネをゆでる。
・にんにくを油でソッフリットにする。
・水気を切ったチェーチとラガネを混ぜてにんにく風味のオイルをかける。にんにく、唐辛子、ローリエを取り除く。
カンパーニアの野菜料理と農家の本『ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ
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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)』
『ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ
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