2021年8月31日火曜日

ポー河デルタ地帯は牡蠣だけじゃなくて鴨も捕れる。

さて、今月の(CIR)(料理雑誌の日本語解説CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)に話は戻ります。
横道にそれましたが、今月は11・12月号のリチェッタということで、クリスマスなど年末年始のちょっとゴージャスなイタリア料理が登場します。
最初は牡蠣でした。
次の料理は鴨の胸肉のサラダです(リチェッタはP.3)。

確かに、鴨の胸肉は庶民は普段はあまり食べないなあ。
でも大丈夫。今回はスモークを使います。
ガンベロ・ロッソと鴨の胸肉のスモーク↓

今月のリチェッタは、鴨の胸肉のスモークのサラダにみかんのヴィネグレットをかけて、新年らしく、縁起物のザクロの粒を散らした1品。
チコリとエンダイブのサラダに、みかんのオレンジ色やザクロの赤い色がよく生えます。

鴨だけでなく、ジビエ全般には全くなじみがないのですが、イタリア料理界でジビエのスペシャリストといえば、イグレス・コレッリシェフ。彼の本、『カッチャジョーネ

は初心者にも丁寧な解説付き。
イグレス・コレッリシェフの最初の店、アートマン↓



ジビエの話は、まず地形の話から入ります。
鴨がいるのはどんな地形の場所でしょう。
今どきの都会っ子は、皇居のお堀にいるものと思ってるかも(www)。

イタリアでジビエの鴨のメッカと言えば、牡蠣の養殖が行われている場所としてつい先日紹介したのと同じ場所。
ポー河デルタ地帯(delta del Po)です。↓


サギや鴨など水辺の鳥の楽園のようなこの風景も、かつては病気の温床でうらぶれた地方でした。20世紀になると開発が進み、広大な地方が農地に変わっていき、水辺はどんどん減っていきました。今は保護をして環境を守っています。

夏は暑くて冬は寒く、蚊が多いこの地方は、人間には敬遠されても、水鳥や牡蠣には適していました。
デルタ・デル・ポーの生き物↓

デルタ・デル・ポーの養殖牡蠣、オストリカ・ローザ↓

ザクロは縁起物として新年には欠かせない食べ物。詳しくは来月の1月号で取り上げます。

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