2021年4月9日金曜日

ペースト・ジェノベーゼをレベルアップするには、若いバジリコと上質のリグーリア産オイルを用意すること。

総合解説」7/8月号を発売しました。
『クチーナ・イタリアーナ』から訳した最初の料理は、“ミントのペーストとパン粉のパスタ“。
定番のバジリコにミントと固くなったパンを加えたジェノベーゼのバリエーションです。
バジリコは品種によってミント風味の後味がある、というのは時々聞く話です。
それにヒントを得たリチェッタかも・・・。
そういえば、リグーリアの主婦は残り物やありあわせの材料の美味しさを最大限に引き出すことや美味しい食材にこだわるが、見栄えの良さは気にしない、なんて言われます。

ペースト・ジェノベーゼにもリグーリアの人のこだわりが詰まっています。
主役はバジリコ。
中でも、ジェノヴァのプラPraという地域で栽培された若くて小さなバジリコです。
もう一つ欠かせないのはリグーリア産オリーブオイル。
プラのバジリコにかける情熱は半端じゃありません。
ジェノヴァから近いので思い立ったらすぐに行けますが、バジリコしかない街。

バジリコは、ご近所が育ちすぎちゃったと言って持ってきてくれるものしか知らなかったけど、プラの段々畑のビニールハウスで大事に育てられているバジリコは、若芽と呼びたくなるほど新鮮で若い葉っぱでした。



チーズと同様、産地でできたてを食すと、味が知ってるジェノベーゼと全然違っていてびっくりします。
マイルドで、飛び出た風味がまったくなく、加えたオリーブオイルのデリケートな味を十分に引き立てます。

地方と強く結びついた伝統料理は、その地と同じ気候と土壌の元で栽培された食材が欠かせません。
加熱しないソース、ジェノベーゼは、食材の風味が直接出るので、食材の質が重要。
ペースト・ジェノベーゼに理想的なオリーブオイルは、リビエラ・リグレDOP。
オリーブを栽培することは、自分たちの土地、歴史、未来を守ることにつながると迷いのない目で語る生産者↓

最近では、乳鉢ですり潰すのではなくミキサーでさっと作るのが主流です。


オリジナルのリチェッタではチーズはラツィオ産のペコリーノ・フィオーレ・サルドと24ヶ月熟成のパルミジャーノ・レッジャーノ、松の実は地中海沿岸部産も用意します。
松ぼっくりから松の実の収穫↓
ひと粒ずつ殻を割って出すんですね。

ミキサーを使うときのポイントは、鮮やかな緑色を出すためにバジリコを加熱しないこと。道具は冷やしておきます。
乳鉢で作るペースト↓

ミキサーで作るペーストの本、ファッチャーモロ・ペスト



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ファッチャーモロ・ペスト
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