2020年6月6日土曜日

缶詰のトマトのトマトソース。ただしあえてこの料理を人に教えようとする人はほとんどいない。

トマトソースは、イタリアンの基本のソースだけに、母親の数だけバリエーションがあります。
むしろ、全てのイタリア人のDNAのなかに、母親の料理の思い出として鮮明に刻み込まれています。
カルロ・クラッコシェフの母親のトマトソースの思い出は、以前ブログても紹介したことがあります。こちら

しかも機械化で缶詰の大量生産が主流になると、世界中に広まって地域性もあまり感じられなくなりました。
わざわざ缶詰のトマトを使うことを指定するリチェッタなんて、あるのかなあと悩みながら探してみたら、意外とあるんですねーこれが。
キーワードは、初心者向けの入門編のリチェッタです。

イタリア料理の初心者向けの本と言えば、ロングセラーの

クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ


外国人が初めてイタリア料理に出会った時の感動をそのまま本にしたような、イタリア料理の魅力のツボを押さえた内容で、初心者向けなのにイタリア人まで虜にして、イタリアで長年売れ続けている外国人が書いたイタリア料理の入門書、という驚くべき本。

イタリア人のDNAに刻まれているトマトソースのリチェッタをイタリア語で解説するのは、インド人にカレーの作り方を教えるようなもの。

■トマトソースのペンネPenne al sugo di pomodoro
このソースは一般的に缶詰のトマトで作られるが、風味の強い完熟トマトのペラーティでも美味しくできる。
各種のロングやショートパスタ(スパゲッティ、ペンネ、リガトーニなど)、ラザーニャ、オーブン焼きのパスタ、ポレンタによく合うソースだ。

材料/4人分
EVオリーブオイル・・大さじ2
にんにくの薄切り・・2かけ
ハーブ(バジリコ、ローズマリー、タイム)のみじん切り・・大さじ1
トマト・・800g
ペンネ・・500g
おろしたパルミジャーノ

・フライパンに油、にんにく、バジリコ以外のハーブを熱し、トマトを加えてなじませる。
・時々かき混ぜながら弱火で20~30分煮詰める。
・パスタをアルデンテにゆでる。
・水気を切って皿に盛り付ける。
・スーゴにバジリコを加える。
・スーゴとパルミジャーノをパスタにかける。

次は、トスカーナ料理の研究家として世界的に知られるイタリア料理の権威でイタリア料理アカデミーの会長、パオロ・ペトローニ氏の、入門編の乾麺の本、という珍しい本、『スパゲッティ・アモーレ・ミオ』から。

 学者のペトローニさんは、どんなトマトソースを紹介してくれるのでしょうか。
まずはトマトソース、またはプンマローラSalsa di pomodoro o "PUMMAROLA"
材料/8人分
完熟トマト(ペリーニかサン・マルツァーノ)・・1kg
玉ねぎ・・1個
セロリ・・1本
にんじん・・2本
バジリコ・・6枚
イタリアンパセリ・・1房
EVオリーブオイル、塩

・大鍋に油大さじ8、粗く刻んだトマト、薄く切った香味野菜(バジリコとイタリアンパセリはハサミで粗く刻む)、塩を入れて火にかけ、蓋をしないで弱火で約1時間煮る。
・冷まして裏漉しする。
・再び火にかけて適度な濃度に煮詰める。

トマト風ソースSugo "FINTO" o "SCAPPATO" o "DI POMODORO"
材料/4人分
完熟トマトか缶詰のトマト・・500g
玉ねぎ・・1個
にんじ・・2本
セロリ・・1本
イタリアンパセリ
赤ワイン・・1/2カップ
EVオリーブオイル、塩、こしょう

・全部の香味野菜をみじん切りにして油大さじ6で炒める。
・しんなりしたらワインをかけて弱火でアルコール分を飛ばす。
・小さく切ったトマト、塩、こしょうを加えてかき混ぜながら約1時間煮詰めて濃いソースにする。

本には、トマトとパスタの出会いについて面白いことが書いてありました。
次回はこの部分を訳してみます。

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