2020年6月1日月曜日

貴族と大衆を料理で結びつけたのがナポリのモンズーの料理。

ナポリの宮廷料理は、どんな料理でしょうか。
私の貴族料理のイメージは、『山猫』があまりにも強烈だったので、
シチリア貴族とシチリア料理のゴージャスなイメージしかない。

これに対して、ナポリ料理といえば、『貧困と貴族』でクリス〇〇にそっくりなトトがスパゲッティを手づかみで食べるシーン。

貴族と庶民という両極端がミックスされたのが、ナポリの宮廷料理。
想像力をたくましくしないと、何も思い浮かばないー。
イタリア貴族に知り合いは一人もいない私が参考にしたのは、唯一の手がかり、新入荷の本、『ナポリの宮廷料理』  
そういえば、以前、トスカーナの大ワイナリーの経営者の貴族さまに仕事のお手伝いでお目にかかったことがありました。
私は、貴族さまにはなんて話しかけたら失礼に当たらないかなんて、最初の一歩から卑屈になっちゃっていました。
するといきなり、◯◯と呼び捨てにされ、大河ドラマでしか見たことがないモブ扱いに、ショックと共に、自分が階級社会の底辺にいたことを生まれて初めて知ったのでした。

さて、この本から何を訳そうと探していたら、“ペンネ・スカルパリエッロ”というのを見つけましたよ。↓


この料理は、ナポリの基本のトマトソースのパスタの1品です。
この料理については、以前にブログでも紹介しています。こちら

ナポリのスペイン地区の靴職人が考え出したので、その名も靴修理職人という意味のスカルパリエッロ。
スペイン地区




日曜のご馳走の残りのトマトソースと、お客の農民たちが現金の代わりに置いていったチーズで作る、バリバリの貧しい庶民料理です。
でも、農家のトマトソースと自家製チーズなんて、どう考えても地元の農家でしかできないようなご馳走。
さて、モンズーはこれをどう料理したのでしょうか。

その前に、なぜこの料理が基本のトマトソースなのか、ついでなので、それを次回は説明します。


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ナポリの宮廷料理』 
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