今月の地方料理、まずはアブルッツォです。
「総合解説」P.14
最近、アブルッツォ料理の魅力に気が付きだして、個人的に注目度アップ中の地方。
イタリア料理の基本情報が充実している本、『クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ』によると、
アブルッツォは地理的には中部イタリアに属していますが、その料理は南イタリアの味に近いそうです。
アブルッツォには気温の低い山も、広い平野も、国立公園も、アドリア海に面した海岸線もあります。
美しいアブルッツォの風景
綺麗なビーチに与えられる称号、バンディエラ・ブルーを多く獲得しているビーチと、魚が豊富に取れる海があり、漁に出なくても海岸から網を投げれば魚が捕れた。
網打ち小屋はトラボッコと呼ばれ、この海岸はトラボッキ海岸と呼ばれるようになった。
トラボッキ海岸
アブルッツォ生まれの作家、ダヌンツィオはこの小屋を“巨大な蜘蛛”と呼んだ。
代表的な漁師料理はズッパ・ディ・ペッシェのブロデット。
さらには、羊の群れを、牧草地から夏の間は山の放牧地に移動させる移牧の伝統も息づいています。
アブルッツォのトランスマンツァ
トラスマンツァの本拠地、マイエッラ国立公園は山の世界。
アブルッツォ料理の南イタリアとの共通点の1つが、パスタをよく食べること。
アブルッツォはパスタメーカーが多く、イタリア最大のパスタメーカー、ディチェコのお膝元でもある。
デチェコの本拠地、ファラ・サン・マルティーノ。
そしてアブルッツォを代表するパスタがキタッラだ。
キタッラは、アブルッツォのパスタ打ち名人の女性たちによって作り出される手打ちで太く、断面が四角で表面がザラザラしたパスタ。
もともとは、アブルッツォの子羊文化の中心地、マイエッラ山地の農民が昔から作っていたパスタだが、今ではアブルッツォの食事付には欠かせないパスタになった。
ソースは子羊肉は首や肩などの軟骨が多い部位を煮込んだコクのあるソース。
次回はキタッラのリチェッタです。
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