2024年11月5日火曜日

マルサラを世界的に重要な美食上の食材にした料理、スカロッピーネ・アル・マルサラ。マルサラは、このワインをシチリアからリバプールまでアルコールを安定させて運ぶ方法として考え出された。

(CIR6月号)のリチェッタから、90年代以降、イタリアンのニュー・クラシックとなった料理を紹介しています。
今日は肉料理。
リチェッタは、“鴨の胸肉のグリーンペッパー風味”
“”鶏のマスタード焼き”
“タリアータのミニトマトとルーコラ添え”
“スカロッピーネ・アル・マルサラ”
どれも確かにイタリアンの定番メニュー。
今日取り上げるのは、“スカロッピーネ・アル・マルサラscaloppine al marsala”です。リチェッタの日本語訳は(CIR6月号P.15)

子牛肉料理ですが、豚肉で代用できます。
私がこの料理を初めて食べたのも豚肉料理でした。豚肉の薄切り料理は、生姜焼きぐらいしか食べたことがなかった当時の私は、豚肉ってこんなに美味しいの、とビックリしました。
これが子牛肉だったら、もっとおいしかったかも・・・。そもそもこの料理は子牛肉の一番柔らかくて貴重な部位を使う料理。スカロッピーネはフランス語のescalopが語源。

スカロッピーネのクラシックはレモン風味とマルサラ風味。
スカロッピーネのレモン風味

子牛肉料理で知られるのはロンバルディア。
さらにこの料理のポイントはマルサラ。
この料理が広まることでマルサラも広まり、マルサラが重要な美食上の食材になった。

スカロッピーネ・アル・マルサラは、ロンバルディアとシチリアの出会い。

ロンバルディアの子牛肉料理、オッソブーコ。

ロンバルディアの中心地、ミラノの料理を紹介するミラノ出身のマルケージ。

マルサラは歴史と文化と自然に満ちたワイン。昔はマルサラへの注目度はもっと高かったようで、そのとても面白い歴史を解説する記事もたくさん訳しました。マルサラにやってきた外国人はみんなマルサラに夢中になったようです。1773年イギリス人のジョン・ウッドハウスは、長い航海を経てこのワインをリバプールまで持ち帰る方法として、ワインにブランデーを添加してアルコールを安定させる方法を考え出しました。

スカロッピーネ・アル・マルサラの歴史に、リバプールが関係していたなんて。マルサラは、以前はよく知られていたけど、次第に忘れ去られていくんだなあ。


酒精強化ワイン

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2022年1~12月号です。
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