2021年5月6日木曜日

ノンナのケーキとノンノのケーキ。

イタリアのクラシック・ドルチェ、2品めはトルタ・デッラ・ノンナtorta della nonnaです。
昨日から言ってるフロッラの松の実のケーキ、これが、下の動画背を見て、トルタ・デッラ・ノンナのアレンジなのでは、と気がついた次第です。


torta della nonno/トルタ・デッラ・ノンナ
材料
《パスタ・フロッラ》
 00番の小麦粉・・320g
 粉糖・・140g
 卵黄・・4個
 バター・・180g
  塩・・2g
《クレーマ》
 牛乳・・1㍑
 卵黄・・6個
 グラニュー糖・・250g
 片栗粉・・100g
 バニラ・・1本
《トッピング》
 松の実・・50g
 バニラシュガー・・大さじ1弱

・パスタ・フロッラを作る。小麦粉と冷えたバターの小角切りをフードプロセッサーで撹拌して砂状にし(この作業はサッビアトゥーラと呼ぶ)、粉糖、塩少々、卵黄4個を加える。生地がまとまったら台に明け、3対2に分ける。オーブンシートで挟んで厚さ2〜3mmに伸ばし、クレーマを作る間(最低30分)冷蔵庫で休ませる。
・カスタードクリームを作る。牛乳に卵黄、グラニュー糖100g、片栗粉、バニラを加えてかき混ぜながら弱火で煮詰め、オーブン皿に広げて表面が固まらないようにラップで覆って冷ます。
・底が直径20cm、口が直径23cmの型にバターを塗って丸く切ったオーブンシートを敷き、シートには型の直径20cmの円と+厚さ5cmの円を描く。1箇所に20cmの円まで縦に切込みを入れ、そこから5cm間隔に切り込みを入れる。これを型に敷き込む。
・大きいほうのフロッラを麺棒を使って型に敷き込む。はみ出した生地は切り落とし、底をピケする。冷蔵庫で15分固める。
・クレーマをホイッパーで混ぜてフロッラに入れ、平にする。小さいフロッラをかぶせて余った生地を切りと落とす。端をフォークで抑えて閉じる。
・表面に松の実をまぶし、175℃のオーブンで50分焼く。粉糖をふりかけてサーブする。

「総合解説」P.18のリチェッタはフロッラに松の実のクリームを詰めて焼きますが、これはカスタードクリームを詰めています。
トルタの由来についてはこう説明しています。
まず、考え出したのはトスカーナのレストランオーナー、グイド・サモリーニ。おばあちゃんでも作れるようなとても簡単なリチェッタのケーキを考え出して店で出したところ、人気になりました。松の実とアーモンドの代わりにチョコレートクリームを入れたケーキは、もっと簡単で、おばあちゃんじゃなくても、おじいちゃんでも作れそうだと、ジョーク交じりに“おじいちゃんのケーキtorta dello nonno”と呼ばれたとか。
ノンノのケーキの動画もありました。

材料
 小さく切った冷えたバター・・120g
 砂糖・・60g
 00番の小麦粉・・210g
 ビターココアパウダー・・40g
 ベーキングパウダー・・小さじ1
 卵・・1個
《クレーマ》
 砂糖・・120g
 塩
 卵・・1個
 00番の小麦粉・・25g
 ビターココアパウダー・・20g
 生クリーム・・150g
 室温の牛乳・・350ml
 松の実、粉糖、牛乳

・バターと砂糖を手で練り、小麦粉、ココア、ベーキングパウダー大さじ1、卵黄を加えてなめらかな生地にする。ラップで包んで冷蔵庫で1時間休ませる。
・クレーマを作る。砂糖、塩少々、卵1個を混ぜて小麦粉とココア、生クリーム、牛乳を加える。中火で煮詰め、火から下ろして時々かき混ぜながら冷ます。
・生地を2対3に分けて厚さ2〜3mmの円形に伸ばす。大きい生地を直径20cmのクロスタータの型に敷き込み、余った生地を切り落として底をピケする。
・クレーマを流し込んで平にする。小さい生地を伸ばしてかぶせ、表面を串でピケする。牛乳を塗って松の実を散らし、180℃のオーブンで50分焼く。仕上げに粉糖を散らす。

   

おばあちゃんのケーキなんて名前のケーキが国民的定番ケーキっていうのもほんわかしますね。
松ぼっくりから松の実を取り出し、乾燥させて叩いて殻を割って出す↓
松の実はイタリアの森の地方の食材。
トスカーナでは、松の実のドルチェが家庭のドルチェの定番。


松の実の収穫。松ぼっくりは夏に熟して落ちる。


松の実はジェノベーゼなどイタリア料理には欠かせない地中海の食材。
次回はトスカーナ料理の本で見つけた松の実のドルチェの話です。

お勧めトスカーナ料理の本、『ラ・クチーナ・トスカーナ


------------------------------------------------------ 
[creapasso.comへ戻る]
お問い合わせ
=====================================

0 件のコメント:

セナトーレ・カぺッリはすべての硬質小麦の父と呼ばれる小麦。たんぱく質の含有量が高く、貧者の肉、と言われるほどでした。

イタリア料理を象徴する食材、小麦の話を続けます。 硬質小麦と軟質小麦の区別は、1900年代初めに導入されました。 最も一般的なパンに使われる00タイプの小麦粉が軟質小麦粉で、硬質小麦からは若干大粒のセーモラsemolaを作りました。 軟質小麦と硬質小麦 セーモラは乾燥パスタの原料...