今日のお題は“プローボラ”。
『サーレ・エ・ぺぺ』の記事です。日本語訳は、今月の(CIRP.35)。
プローボラは、正直言ってあまりなじみのあるチーズではありませんが、
『サーレ・エ・ぺぺ』の記事は、いきなり、こんな文章から始まります。
かなり正確に言い当てていて感心します。
「プローボラは失敗したモッツァレラではないが、基本的には人気者のいとこ、モッツァレラと同じ製法で造られている」
モッツァレラはパスタ・フィラータpasta filataのチーズです。
プローボラは最も古いパスタ・フィラータのチーズ。
材料は、牛か水牛の全乳、レンネット、加熱した乳清、自然発酵させた乳清。
プローボラの製法を見る時、モッツァレラとどこが違うのか、という観点で見ると面白いですよ。
一番違いがよく分かるのは形。プローボラがあの形になるには理由があり、それがモッツァレラとの大きな違いの理由の一つです。
下の動画がヒント。そう、答えは熟成です。
フレッシュチーズのモッツァレラは傷みやすいので自家消費用として用いられましたが、プローボラは保存ができたので流通向き。毎日食べる食糧として市場でも売られていて、価格も安定していたので、早くから広まりました。ナポリでは、スモークタイプ、プローボラ・アッフミカータが人気で、シチリアやパダナ平野でも造られていました。カチョカバッロもプローボラの進化形です。
ナポリ料理にもたっぷり使われたプローボラ・アッフミカータ・ディ・アジェローラprovola affumicata di agerola。
甘くて軽い酸味があり、デリケートな風味のカチョカバッロは、ナポリでは肉の代用品として貴重なタンパク源でもあったそうです。
ナポリの代表的なプロボローネの料理といえば、ズッキーニのパスタ、スパゲッティ・アッラ・ネラノspaghetti alla nerano(リチェッタはCIRのP.36)
ネラノ風で使われるプロボローネはプロボローネ・デル・モナコprovolone del manaco↓モナコのチーズではなく、ナポリのスモーク・プロボローネ。
プロボローネ・デル・モナコの産地、モンティ・ラッターリ。
この本では、パスタと職人を紹介した後に、プロボローネ・デル・モナコを誇らしげに掲げる
職人の写真を載せています。すべての写真に物語を感じる演出です。
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