さて、例によって、これはどの地方の料理でしょうか。今回は分かりやすいですね。
まずは“うさぎのトンノ”。これはある地方のとても有名な料理です。海に面してないのにトンノ(マグロtonno)という名前をよりによってうさぎ(コニッリオconiglio)と組み合わせるというセンス。しかもその州の名前は山の麓、という意味なんです。強烈な海愛が感じられるこの料理。その地方は、ピエモンテです。州の名前に山(モンテ)がついてるんですが、その山は、もちろんアルプス。アルプスの麓なのに、その名物料理がやたらマグロに絡んでるんです。例えば有名なのはヴィテッロ・トンナート。
ピエモンテ
この料理のポイントはサルサ・トンナータsalsa tonnata。
この人はサルサ・トンナータには千種類あるんやで、って言ってます www。この言い方。イタリア人シェフからよく聞くけど、ちょっと控えめww。
香味野菜と一緒にゆでた子牛肉をスライスしてこのソースをかけるとヴィテッロ・トンナートになりますが、今日の料理はうさぎのトンノ。香味野菜やスパイスと一緒にゆでたうさぎ肉の料理ですが、サルサトンナータは登場しません。
この料理は、ガンベロ・ロッソの生みの親、ステファノ・ボニッリのイタリア地方料理の入門書“ティピコ・イタリアーノ
”によると、北西イタリアの代表的料理の一つ。この本によると、昔のうさぎ料理は野ウサギのことで、飼育されるようになったうさぎは比較的歴史の浅いもの。最初のうさぎ肉専門店は1874年にピエモンテのトリノにできたんだとか。やがて乱獲によって姿を消します。うさぎのトンノに使ううさぎは、グリージョ・ディ・カルマニョーラgrigio di carmagnolaというピエモンテの品種。うさぎのトンノは、昔はピエモンテのトラットリアには欠かせない料理でした。ピエモンテに野ウサギはいなくなったけど、この料理は無くさないで受け継いでいってほしい、とボニッリは書いています。
”によると、北西イタリアの代表的料理の一つ。この本によると、昔のうさぎ料理は野ウサギのことで、飼育されるようになったうさぎは比較的歴史の浅いもの。最初のうさぎ肉専門店は1874年にピエモンテのトリノにできたんだとか。やがて乱獲によって姿を消します。うさぎのトンノに使ううさぎは、グリージョ・ディ・カルマニョーラgrigio di carmagnolaというピエモンテの品種。うさぎのトンノは、昔はピエモンテのトラットリアには欠かせない料理でした。ピエモンテに野ウサギはいなくなったけど、この料理は無くさないで受け継いでいってほしい、とボニッリは書いています。
グリージョ・ディ・カルマニョ―ラと野ウサギ。
さて、そろそろ答え合わせをすると、うさぎのトンノという名前の由来は、モンフェッラートやヴァル・タナ―ロ地方のこの料理が、マグロのオイル漬けによく似ていたから、こう呼ばれるようになりました。ゆでたうさぎを瓶詰めにしてオイル漬けにする料理なのです。貧しい庶民の料理で、うさぎが手に入らない時は鶏肉で作りました。
ランゲとモンフェッラート。モンフェッラートはトリュフとわいんで有名。ポー河とターナロ河に挟まれた地域。
トンノ・ディ・コニッリオ。
ピエモンテの主婦が偶然造り出したと言ってますが、今やグランシェフのアルタクチーナとして扱われます。
ピエモンテでマグロ食べたことある人は、日本人でうさぎ肉食べたことある人ぐらい珍しかったんだろーなー。
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週末はクレアパッソのお薦め本の紹介。
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『スッド・グランデ・クチーナ(南伊・山・海)』
『春・夏・秋・冬』
【地方料理、シリーズ】
new 『イジニオ・マッサーリ』
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価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。
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