2023年1月10日火曜日

トスカーナ料理のデザートには欠かせないヴィンサントはパッシートワインの一種。昔の人はギリシャワインと比べたけど、現代人ならリパリのパッシートかも。

今日のお題は、カントゥッチとは切っても切れない、ヴィンサントvinsantoです。
そもそも、ヴィンサントとは、甘くてアルコール度の高いトスカーナの白ワインです。
干したぶどうから造るパッシートワインの一種で、主なぶどう品種はトレッビアーノtrebbianoやマルヴァジーアmalvasia。
イタリア各地の特産品を解説した本、1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ
によると、サンジョヴェーゼから造ったものは、“vinsanto occhio di pernice”と呼ぶそうです。
年間わずか500~600本しか作られていない貴重品。ちなみに下の動画でテイスティングしているのはルカ・マルティーニという世界のベストソムリエと評価されている人。1980年トスカーナのアレッツォ生まれ。ワインの色はマホガニー色と呼んでますねー。ビャクダンの香りもするそうです。ワインを形容する詩のような言葉が次々に流れ出てきます。

下の動画はヴィンサント・デル・キアンティができるまで。ぶどうを収穫したら風通しの良い部屋ですのこに広げて約2か月間乾燥させて糖分を凝縮させます。

干したぶどうから絞ったモストは小樽に入れて最低3年~最高10年熟成させます。樽の栓を密閉する作業は、熟成の間、人は何も手を加えないという堅い決意のようなものを感じます。

聖なるワインという意味のヴィンサントの語源には2つの説が知られていて、ミサに使われるからこう呼ばれるという説と、東西のキリスト教間の問題を解決するために開かれた1439年のフィレンツェ公会議の時に、晩餐会で出された甘いワインがとても美味しく、正教会の高位聖職者が、思わず「サントスのワインだ」と叫んだのでした。“サントス”とはギリシャ語で黄色という意味。ギリシャのサントリーニ島で造られている黄色いワインを思い起こさせたというのです。

熟成させたヴィンサント・デル・キアンティ。

サントリー二島のワイン

サントリー二島は火山島。知れば知るほどシチリアのエオリエ諸島のリパリ島にそっくり。
現代のイタリアワイン通なら、「リパリのマルバジーアだ!」と叫んだかも。

ヴィンサントとストルーデルとカントゥッチのデザート。




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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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