2021年3月31日水曜日

グラニャーノのパスタはシェフの発想力を引き出し、イタリア料理がフランス料理を超える革命のきっかけとなった。

ボンゴレ名人の1位と2位が同じパスタを使っているのを知って、気が付きました。
おいしいアサリを手に入れるのも大事だけど、パスタも大事だ、と。

ちなみに二人共、使っていたのはグラニャーノのパスタ。

値段が高くても、世界的に強力に支持されているグラニャーノのパスタ。
グラニャーノのパスタは他のパスタとは明らかに大きく違う、アルティジャナーレなパスタの傑作。
グラニャーノのパスタはなぜこんなに特別なのでしょうか。

プーリアのダウニアDauniaの丘陵地がグラニャーノGragnanoのパスタになる小麦の産地。
小麦は自分と息子や家族に流れる血だと語る小麦農家。

グラニャーノGragnanoの語源は小麦grano。
グラニャーノはアマルフィ海岸の始まる場所。
澄んだ水と涼しい海風に恵まれていました。
グラニャーノには600年以上のパスタの大量生産の歴史がありますが、
パスタの天日干しをするようになったのは紀元1000年以降のこと。
総生産量の約半量が世界中に輸出され、クリエイティブなシェフの元で最高のイタリア料理に生まれ変わっています。
シェフたちが新しく生み出した料理は、フランス料理を越えようと試行錯誤していた80、90年代のイタリア料理界に革命を引き起こます。

グラニャーノのパスタのスーパースターの一人は、ドン・アルフォンソ。
彼のリチェッタもたっぷり載っている南伊のパスタ名人のリチェッタを集めた本、パスタ ; サポーリ・エ・プロフーミ・ダル・スッド
を久しぶりに読んでみたら、こんな文章がありました。
「ナポリ近くの海辺の街、トッレ・アンヌンツィアータTorre AnnunziataとグラニャーノGragnanoは、パスタの歴史の最初から、パスタ・アルティジャナーレという小さな世界の重要な街だった。
なぜ重要なのか。
まず、乾燥のために必要な気候に恵まれてた。
現在でも、ナポリスタイルの天日干しには3段階ある。
1.表面に薄い層を作る“incartamento”、これがしっかりできるとゆでても崩れない。
2.湿度のある部屋で休ませて微発酵を起こさせる“rinvenimento”、これによって風味が強くなる、ナポリ人に取って、パスタは生き物なのだ。
3.そして最後は最終乾燥。ゆっくり乾燥させることによって、パスタはますますゆでても崩れなくなる。ナポリのパスタの腰と弾力がこれによって生み出される。

パスタの発酵については、他の本にも書かれていたけど、ここまで簡潔ではなく、小難しそうだったので、省略してきました。
そして19世紀にフランスの美食文化の教祖、アントンナン・カレームがマカロニのティンバロに崩れにくいこのパスタを使うことを勧めたことによって、グラニャーノのパスタは国際的な名声を得ます。

アントナン・カレームはイタリア料理にも多大な影響を与えたていたのですね。
パスタの製造過程について詳しく知りたいなら、お薦めの本はパスタ・フォルメ・デル・グラノ

パスタでイタリア料理に革命を起こしたシェフの本なら、パスタの本の傑作の1つ、パスタ・レボリューション

グラニャーノのパスタメーカーの本ならジェンティーレ/ストーリア・ディ・ファブリカンティ・ディ・マッケローニ


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