パヴィア料理の話をしたので、最後にロンバルディアのパスタの話で締めよう、と軽く感えて、ロンバルディアのパスタが思い浮かばず、心が折れかけました。
とりあえず、ディチェコの本、『パスタ・ヴィアッジョ・イン・イタリア』
は乾麺の地方料理がテーマの本だったことを思い出して、ロンバルディア州のページを読んでみました。すると、ロンバルディアのページは、いきなり、difficile(難しい)という言葉で始まっていました。
ロンバルディアの11ある県を、一つの料理で語ることは難しい、と言うのです。
さらに、プリーモ・ピアットの主役の食材は米で、つまりリゾット。エミリア地方に近いマントヴァ以外は、パスタはマイナーな存在だそうです。
エミリア寄りになると、カソンセイcasonsei、マルビーニmarubini、ヴァルテッリーナ寄りだとピッツォッケリpizzoccheriなどがありますが、ロンバルディアを代表するパスタは、歴史的な料理書には登場しません。
でも、この本にはロンバルディアを代表するシェフの乾麺のパスタの料理が載っています。
アンティカ・オステリア・デル・ポンテの3つ星シェフ、エツィオ・サンティンの料理です。
珍しいその料理は“ブレーメの赤玉ねぎとビジェバノのいんげん豆のリガトーニ”Rigatoni al sugo di cipolle rosse di Breme e fagioli borlotti di Vigebano。
パスタはリガトーニ・ナポレターニ。
ナポリのパスタに玉ねぎのソースということは、バリバリナポリ料理、と思わせておいて北の食材いんげん豆も加えるというそのパスタは、どんな料理でしょう。
ブレーメの赤玉ねぎ↓
ブレーメはロンバルディア州、パヴィア県の小さな村。
ロンバルディアのグランシェフのリガトーニはなかなか貴重な料理。
リチェッタを訳してみます。
材料/4人分リガトーニ・ナポレターニ・・320g
ブレーメの赤玉ねぎ・・400g
さやむきのヴェジェバノのいんげん豆(ボルロッティ)・・200g
熟成させたパンチェッタ・・80g
にんにく・・1かけ
ローズマリー・・小1枝
トマトソース・・大さじ1
バター・・20g
上質のEVオリーブオイル・・大さじ2
砂糖・・小さじ2
塩、粉唐辛子
パルミジャーノ
ブロード・・1カップ
・玉ねぎを薄切りにする。パンチェッタを細く切る。
・軽く塩を加えた湯でいんげん豆を弱火でゆでる。
にんにくを半分に切る。ローズマリーの葉を取って粗く刻む。
・パスタ用の湯が沸騰したら海塩の粗塩を加える。
・銅のソテーパンにオリーブオイル少々、半分に切ったにんにく、パンチェッタを入れて熱し、にんにくを取り除く。
a.玉ねぎを強火で炒めて塩と砂糖を加え、しんなりしたらトマトソース大さじ1をブロード1カップで溶いて加える。ローズマリーのみじん切りの半量、粉唐辛子少々を加えて数分熱し、いんげん豆を加える。必要ならブロードを足しながら玉ねぎが柔らかくなるまで煮て塩味を整える。
・パスタをゆでてaのソース、バター20gの小片、残りの油であえる。おろしたチーズでマンテカーレし、残りのローズマリーを散らしてすぐにサーブする。仕上げにオリーブオイルを回しかける。
最後にバターとチーズでマンテカーレするところは、さすがはロンバルディアのシェフ、
ロンバルディア料理の真髄も忘れていませんねー。
「総合解説」
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