今日のお題は“秋”です。
シェフの人柄と同じでとてもとっつきやすくて楽しい本。
“春は香り”、“夏は太陽の味”、“冬は偉大な寒さ”、と清少納言みたいに各季節を詩的に表現しているのですが、さて、秋はどんなふうに表現しているでしょうか。
秋のテーマソング、ビバルディの秋↓
農家ならではの表現です。
「秋は収穫の時」tempo di raccoltaだそうです。
霜、木々の鮮やかな色、きのこやハーブの香りに満ちた森の下生え・・・。私は秋が大好きだ。
この季節は、くるみ、ヘーゼルナッツ、栗のような硬い殻の実が熟す。
収穫する時は、慎重に大きくてずっしりしたものを選ぶ。栗は大きなものほどよい。この季節はオリーブも熟す。オリーブは食べる前にはアク抜きが必要だ。
ズッキーニも、すべての品種が収穫時だ。収穫したら次の季節に備えて保存する。
カルド・ゴッボも素晴らしい野菜だ。土に埋めて新聞紙で覆い、光を遮って白く、柔らかくする。
ビエトリーネも甘く、柔らかくなる。ぶどうはワインもいいが、ジューシーな実を生で食べるのも美味しい。
ジョルジョーネの秋の料理から、
くるみのカゼレッチェCaserecce alle nociのリチェッタをどうぞ。
材料
カゼレッチェ・・200g
くるみ・・20個
カンナーラの赤たまねぎ・・1/2個
水牛のバター
ウンブリア産モライオーロのEVオリーブオイル
黒こしょう、粗塩
白ワイン・・大さじ2
ミルククリーム・・1/2カップ
36ケ月熟成のパルミジャーノ、ペコリーノ・ロマーノ
・熟したくるみには油が豊富に含まれているので美味しいソースになる。
くるみを殻から出してミキサーで刻む。
・ソテーパンに水牛のバター(普通のバターより風味が強い)、くるみと同じ大きさに刻んだ玉ねぎ、オリーブオイルを入れて炒め、こしょうをかける。色がついたらワイン少々をかけてくるみ、粗塩少々、ミルククリームを加える。
・パスタをゆでる。ゆで汁少々と共にくるみに加えてなじませる。ペコリーノ少々を散らす。
・皿に盛り付けてパルミジャーノを散らす。
くるみのペーストのスパゲッティ。
秋が旬の作物は、カボチャ、ローストして新ワインと一緒に食べる栗、収穫には深い知識が必要なきのこ、柿、ザクロ、そして秋の女王ぶどうなど。
森では、堅い殻の木の実が熟し、ぶどうやオリーブは収穫の最盛期で、さらに畑では、軟白やアク抜きなどの作業や冬用の保存食作りも始まる。
それにしても、生食用のぶどうの収穫はraccoltoで、ワイン用のぶどうの収穫はvendemmiaと使い分けていたなんて、気が付かなかったなあ。
バルベーラ・ダルバの観光客向けベンデンミア。
ぶどうの話が出たので、ここでトルゲレンTörggelenの話でも。
アルト・アディジェ名物の、トルゲレンは、新ワインを味わうために農民たちが山小屋に集まってワインを飲みながらスペックやチーズ、黒パン、大麦と栗のミネストラ、ソーセージ、ザワークラウトなどを食べてアコーデオンを奏でながら歌い、秋の昼下がりを夜まで幸せに過ごすことだそうです。現在では観光客も参加する賑やかなお祭り。
聞いただけでテンション上がるなあ。アルト・アディジェは何度も行けるような場所じゃなさそうだから、どうせ行くならトルゲレンの時期に行かないと。
でも、新ワインと焼き栗は一番最後に出てくるらしいから、最初から飛ばしすぎないようにしないとね。
お勧め店の動画を探してみました。
アルト・アデイジェはドイツ語の世界。知ってるイタリアとは別世界です。
まず、農場に行くか、カンティーナに行くかレストランに行くかで違うようですが、
例えば、ブレッサノーネのレストラン・オステ・スクーロ。地産地消にこだわる料理を出しているそうです。webページ
収穫の話、次回に続きます。
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