今日はハロウィンも終わった11月1日。
ハロウィンの翌日はキリスト教では“諸聖人の日”で、その翌日の11月2日は“死者の日”。
イタリアではハロウィンにはいまいち冷淡ですが、世界中でハロウィンとセットでになっているのがこの死者の日。そもそもハロウィンの語源は諸聖人の日(ハロウマス)のイブ、ハロウマス・イブということ。
以前、イタリアのカボチャの話をした時、ポー河沿岸やロンバルディアではカボチャの栽培が盛んという話をしましたが、ポー河沿いでは死者の日に死者のスープZuppa dei mortiという豆、またはカボチャ入りの野菜スープを食べる習慣があります。
なのでこの時期のポー河沿岸の農家では、アメリカの祭りには関係なくカボチャを食べていました。
ポー河沿いの地方で死者の日に食べる豆のスープのリチェッタを探してみました。
動画は見つからなかったので、こちらのページのリチェッタを訳してみます。
LA ZUPPA DEI MORTI
材料/4人分
玉ねぎ・・1個
にんじん・・3本
セロリ・・3本
じゃがいも・・3個
トマトソース
クローブ・・2個
ローリエ・・2枚
黒目豆・・300g
水、塩、オリーブオイル
サラミーニ・・10個
豚皮
・玉ねぎ、セロリ、にんじんの小角切りを油でソッフリットにする。
・最低一晩戻した豆とトマトソース、野菜のブロード、または湯とブイヨンを加える。蓋をして45分煮る。
・じゃがいもの小角切りを加えて20分煮る。
・パンのクロスティーニかポレンタを添えてサーブする。
・好みでサラミーニや豚皮を加えてもよい。
これは言い換えればいんげん豆のスープですね。
ただ、上のリチェッタで使っている豆は、fagioli dall'occhio(黒目豆)。
目のような黒い模様が特徴。ヨーロッパに最初に伝わった豆の子孫で、原産地はアフリカ、アジア。特にトスカーナではこの豆を使った料理が多く残っています。(というか、そもそもトスカーナには豆料理がたくさんある)。古代ローマ以来知られていた小粒の豆。
スペイン人が新世界からヨーロッパに持ち帰ったいんげん豆は、ヨーロッパに一種の革命を起こします。結局、黒目豆を凌駕してヨーロッパ中に広まりました。フランス語のいんげん豆、アリコharicotsはメキシコのayacotlが語源。イタリア語のファジョーリfagioliはラテン語で黒目豆を意味するphaseouluファセオルスが語源。
いんげん豆のスープは、イタリアの国民食。
バリエーションは無数にある。ベースは何時間もかけて煮崩して一部を裏ごししてポタージュ状にしたいんげん豆。
白インゲンのズッパ・ディ・ファジョーリ。
アメリカの白いんげんは煮崩れないが、カンネッリーニはどろどろに煮崩れる。豆の代わりにカボチャを使うのも、そのあたりの効果が期待されている。
=====================================
0 件のコメント:
コメントを投稿