今日のお題は“エビとピスタチオ・ペーストのストラッチェッティ”です。
キーワードはピスタチオとペースト。
イタリアでピスタチオといえば、エトナ山の麓の町、ブロンテです。
イタリアのピスタチオの大部分はブロンテで栽培されています。
ピスタチオは2年に一度収穫します。
その量は世界のピスタチオの総生産量のわずか1%ですが、その色や味は高く評価されています。
ブロンテは、ヨーロッパで最も高く、最も活発な活火山、エトナ山の西側にある古い町。
かなりの部分が国立公園の区域で、何世紀にも渡って流れ出したエトナ山の溶岩は玄武岩の黒い川となってブロンテまで達している。
かつてこの町の農民は圧政に苦しんできた。暴動が起きたこともある。
そんな農民たちにピスタチオ栽培を広めたのはガリバルディが組織した千人隊の副官、ニーノ・ピクシオという人物だった。
彼の指揮によって広大な畑や古い牧草地がピスタチオ畑へと生まれ変わっていった。
ブロンテのピスタチオ祭り↓
ピスタチオはアラブ人がシチリアを支配していた時代に中東から伝わった。
同時に彼らの菓子作りの技術も伝わった。
カッサータやジェラートなどが知られているが、ピスタチオのペーストはパスタのソースにもなる。
というか、そもそもペーストはパスタのソース用に生まれた。
ペーストといえば、ジェノバ。
ジェノバは地中海地域の小麦の販売を独占していた。パスタ作りの歴史も古い。
伝統的なペーストは乳鉢ですり潰す、ミキサーが一般的になった現代では、乳鉢ですり潰すペーストは滅多に見かけなくなった。
でも、ジェノバでは、料理は時代と共に変わるものであり、変化を受け入れることも必要、というスタンス。
だからペースト作りは信じられないくらい簡単になった。
その分、はっきりしたのが、使う食材の品質に左右される、ということ。
ピスタチオのペーストについて、お勧めのペースト専門の料理書、『ファッチャーモロ・ペスト』には、こう書いてあります。
美しいピスタチオはトーストして皮付きのまま売っているが、強い香りを楽しみたいならトーストしていない生のピスタチオがお勧めだ。
ピスタチオの皮をむく小芝居付き“エビとピスタチオのタリオリーニ”のリチェッタをどうぞ↓
エビとピスタチオのタリオリーニtagliolini gamberi e pistacci
材料/4人分
タリオリーニ・・320g
ピスタチオ・・80g
無頭のエビ・・300g
バジリコ・・6~8枚
にんにく・・1かけ
オリーブオイル
塩、こしょう
・殻をむいたピスタチオを2分ゆでて(ゆですぎない)皮をむく。
・油でにんにくをソッフリットにしてにんにくを取り除く。この油でエビをさっと炒める。
・ピスタチオを刻む。
・油とバジリコをハンディミキサーで撹拌する。
・パスタをゆでてエビのフライパンに加える。ゆで汁少々も加える。
・バジリコ風味の油にピスタチオを加える。
・これをパスタにかけてなじませる。
・パスタをニーディ形に巻いて皿に盛り付け、エビで飾る。ピスタチオとこしょうを散らす。
生のピスタチオがあれば栽培もできるらしい↓
シチリア料理のミニシリーズ“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ
「総合解説」
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