2020年2月22日土曜日

山から降りたばかりの羊の匂いを弱めるために考え出されたカッチャトーラ

イタリアで羊肉と言えば、アバッキオ。
イタリア料理を代表する羊肉料理と言えば、前回登場したアバッキオのスコッタディート。
ローマの料理書には、ローマ風アバッキオが必ず登場しますが、それと同じくらい一般的なのが、アバッキオのカッチャトーラ。

ちなみに“グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズの『ローマ
には、アバッキオのコストレッタの炭焼きグリルがローマやラツィオで生まれた料理とは言い切れないが、ローマとその周辺ほど愛されている地方はほかにない、とあります。

農民料理では、羊料理は背肉など上等な部位ではなく、内臓を使います。

一方、アバッキオのカッチャトーラは典型的なローマの伝統料理で、もも肉などのブロック肉には欠かせないアンチョビやハーブなどで、味を強くする、とあります。

さらに、

コスパのよい店を知り尽くしたジャーナリスト、カルロ・カンビの『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ

には、アッバッキオのカッチャトーラは、羊の群れが山での放牧から戻ってきた秋に作る料理、とある。
ほとんどの子羊は、この時期に一生を終えるのだそうです。
なむ~。
山から降りたばかりの羊は、匂いがきつい(ほんとか!)ので、調味料の味を効かせて弱めたのだとか・・・。
この絶妙の味付けが世界中に受けて、今ではローマを代表する料理になっています。

移牧は世界各地に伝わる文化で、ユネスコの文化遺産にも登録されている

アバッキオのカッチャトーラ

動画の冒頭に、アバッキオはローマ人にとってクリスマスや日曜日の料理で、スコッタディートからローストまで、様々な料理にすると言っています。

それでは、前述のグイド・トンマージのリチェッタを訳してみます。

アバッキオ・アッラ・カッチャトーラABBACCHIO ALLA CACCIATORA
材料4~6人分
あまり小さく切りすぎないアバッキオ・・1kg
白ワイン・・1/2カップ
ビネガー・・1/2カップ
セージ・・3~4枝
ローズマリー・・1枝
塩漬けアンチョビ・・4尾
塩、こしょう

・ボールにセージ、ローズマリー、潰したにんにく1かけ、アンョビを入れてビネガーで覆い、スプーンで潰して覆いをして2時間マリネする。
・底の厚いソテーパンで調理して肉にゆっくりに火を通すと柔らかく仕上がる。
・ソテーパンに油を入れてにんにく1かけをソッフリットにする。
・水気をふき取った肉を入れて木べらでかき混ぜながら焼く。
・肉の色が均一に変わったら塩少々とワインを加え、火を強めてアルコール分を飛ばす。
・とろ火にして蓋をし、時々かき混ぜて必要なら湯少々を加えながら30~40分煮る。
・肉が柔らかくなってきたらビネガーのソースを加え、火を強めてよく混ぜる。
・蓋をして弱火で10~15分煮る。
塩、こしょうで調味して火を止め、最低30分休ませてサーブする。



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総合解説

ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ

グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズの『ローマ
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