2020年2月1日土曜日

アペニン山脈の向こうとこっちじゃ、ラグーもパスタも違うんだから

それでは、
猪肉のスーゴのパッパルデッレPappardelle sul cinghialeです。
材料
パッパルデッレ・・1.2kg
猪肉・・1kg
にんにく・・1玉
セージとローズマリー・・各50g
トマトペースト・・小さじ1
赤ワイン・・1L
ブロード
EVオリーブオイル
塩、こしょう

・肉を細かく切る。
・広いソテーパンに油を熱し、にんにく1かけ、セージ、ローズマリーを加える。にんにくに焼き色がついたら肉を入れてよく炒める。ワインをたっぷりかけてアルコール分を飛ばし、レードル1杯の熱いブロードで溶いたトマトペーストを加える。蓋をして、時々かき混ぜながら2時間煮る
・パッパルデッレをアルデンテにゆでてスーゴであえる。


トスカーナのスーゴについて、イタリア料理アカデミーの本、『スーゴとソース
にはこうあります。

トスカーナはパンと野菜がべースの様々なミネストラで知られる州で、これらはパスタ用のソースでもある。
最も重要なのはスーゴ・ディ・カルネsugo di carne alla toscanaだが、これはラグー・ボロニェーゼragu bolognese(ミートソース)によく似ている。
あるいは、肉の入らない貧しいミートソース、スーゴ・フィントsugo fintoとも呼ぶ。
肉を煮た煮汁はスーゴにして、肉はセコンドにする食べ方だ。
祝日には、うさぎや野うさぎ、鴨やガチョウで美味しいスーゴを作った。
ナポリ風ラグーはこの方式として有名だが、他の地方でも同様に作っていた。 

キアニーナ牛のラグーのパッパルデッレ

この料理にこんなにトスカーナ料理の真髄が詰まっているとは知らずに、完全にスルーしていました。
猪のラグーのパスタなら、細いパスタじゃなくてやっぱりパッパルデッレですよね。
ちなみに、誰かカールさせる方法を知らないかなとおもって探したけど、どれもシンプルな幅広麺でした。
トスカーナ料理のお薦め本、“グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズ『トスカーナ
には、トスカーナの家庭で手打ちするパッパルデッレは、アペニン山脈の向こう側とは違って、伝統的な方法で作るもっと幅広で素朴な麺だ。
トスカーナではタリアテッレよりパッパルデッレのほうが人気がある、と、

いきなり、むき出しの対抗意識。
どうやらトスカーナの人にとって、アペニン山脈の向こうかこっちかというのは大問題のよう。
トスカーナを北と南に横断する北アペニン山脈
地図はこちら
山を超えるとパスタは職人技のタリアテッレになり、山の手前では幅広で厚い無骨なパッパルデッレ。
ちなみにラグー・ボロニェーゼは牛肉と豚肉の贅沢なラグー、トスカーナ風は猪。


キアニーナのラグーのパッパルデッレの動画で、ワインにマルサラを使っているのが気になりました。
やはりトスカーナの赤ワインじゃないとね。
あ、そうだ、突然思い出したけど、全然紹介していないルフィノの本があった。
次回はこの本から・・・。

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総合解説
スーゴとソース
グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズ『トスカーナ
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