2020年2月7日金曜日

キアンティの焼き物職人のもったいない精神のシチュー、ペポーゾ


トスカーナのオステリアの料理から代表的なトスカーナ料理を見てきましたが、今回は肉料理です。
肉食系のトスカーナには、肉料理がたくさんありますが、今回、パーネ・ディ・トスカーノのリチェッタを探して様々な料理書を読み、一番印象に残ったのは、キアンティ地区の伝統料理、ペポーゾpeposoでした。

トスカーナに行った時、この料理のことを知っていたら・・・、
と軽く後悔しています。
そもそも、あの頃はビステッカのことしか知らなかったなあ。

ペポーゾ

主役の肉は牛のすね肉。
普通はボッリートに使う経済的な部位。
これを赤ワインとこしょうで煮る、シンプルで経済的なトスカーナ気質たっぷりの料理です。
この料理を考えだしたのは、キアンティの焼き物職人たち。
テラコッタの壺や瓦を作っていた人たちです。
有名な焼き物の村、インプルネータ・イン・キアンティの職人は、持ち前のトスカーナ人の節約気質で、テラコッタが焼き上がった後も十分に熱い窯の火を有効利用出来ないかと考えたのです。
そこでテラコッタの鍋に牛の安い部位のすね肉と地元キアンティの赤ワインと黒こしょうを入れて、窯の入り口に置いたのです。
あとは、放っておけば、ゆっくりじっくり煮上がります。
ゆっくりであればあるほど肉はジューシーで柔らかくなりました。

トスカーナ人のもったいない精神、侮れない。
さらに、焼き物作りは重労働だったので、こってりした、脂が溶け込んだ料理が人気でした。
インプルネータのテラコッタ工房

それでは、

オステリエ・ディ・イタリア新版』から、

マンジャンド・マンジャンドのリチェッタで、
ペポーゾ・アッラ・フォルナチーナPeposo alla fornacinaをどうぞ。
材料/6人分
牛すね肉・・1kg
にんにく・・2玉
キアンティ・クラッシコ・・3L
粒こしょう・・100g、塩

・この料理の唯一のポイントは肉の質。
肉を小さく切って鍋に入れ、ワインで覆う。
・丸ごとのにんにくとこしょうを加える。
・火をつけて肉が十分柔らかくなるまで煮る。
・火を止めて30分休ませてサーブする。

すごいほったらかし料理だった。
鍋は陶器の鍋が理想的。底に牛脂を入れておいて煮ている間に溶かす。
ちなみにフォルナチーナfornacinaとは焼き物職人のこと。


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総合解説

オステリエ・ディ・イタリア新版

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