今年もよろしくおねがいします。
2020年最初の話題はパスタのリチェッタなどどうでしょう。
イタリア料理初心者向きの本、
『クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ』
この本の著者はイギリス人。イギリス人向けに長年イタリア料理を教えてきました。
イギリス人といえば、昔からイタリアに憧れ続けてきた人たち。
年季が違います。
この本は、私が初めてイタリアを訪れて、その虜となっていった頃の純粋なイタリア料理で満ちています。
イギリス人が書いた本なのに、イタリアでロングセラー。
イタリア人からも愛されている本です。
この本の最初の料理は野菜の前菜。
さらに海の前菜、肉の前菜と続きます。
当たり前と思えるのに、野菜の前菜が載っている本は、意外と少ないのです。
昔ながらのオステリアのメニューがゴージャスな本になったような1冊です。
さて、そんな本に載っているパスタは、どんなメニューでしょうか。
ざっと挙げると、
■スパゲッティーニ・アーリオ・エ・オーリオ
■トマトソースのペンネ
■ペスト・ジェノヴェーゼ
■タリアテッレ・アル・ラグー
■スパゲッティ・カルボナーラ
■ブカティーニ・アマトリチャーナ
■スパゲッティ・プッタネスカ
■パスタ・アッラ・ノルマ
■パスタ・プリマベーラ
■サルシッチャとスーゴのリガトーニ
■パスタ・エ・ファジョーリ
■野うさぎのラグーのパッパルデッレ
■ブロッコリのオレッキエッテ、サルサ・ピッカンテ
■くるみのソースのタリアテッレ
■オーブン焼きラザーニャ
■ヴィンチスグラッシ
■トリュフとポルチーニのラザーニャ
■アーティチョークとほうれん草の具のカネロニ
■カボャとセージのトルテッリーニ
■きのこのトルテッリーニ
■ラビオリ・サルディ
・・・
といった地方料理と定番が絶妙に混ざったラインナップ。
アーリオ・オーリオといった基本中の基本から始まって、リストランテには欠かせないトリュフのパスタや超マニアックな・サルデーニャ風ラビオリまで網羅しています。
スパゲッティーニ・アーリオ・オーリオには、
「オリーブオイルがベースの軽いソースなのでスパゲッティーニがあいます。にんにくを焦がすと苦味が出るので焦がさないようにするのがポイント」という短い解説が。
ちなみに、料理名にペペロンチーノは省略されていますが、リチェッタには入っています。
アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノはやっぱり長い。
アーリオ・オーリオはローマの名物パスタだけど、
ナポリのシェフたちのナポリ風アーリオ・オーリオがビックリ。
さ
一番最初のシェフはおふくろの味の家庭料理が得意。
盛り付けは、シンプルなパスタに用いると映えるベスビオ山型。
レードルを使ってフォルケットーネで巻きつけ、崩さないようにまっすぐ抜きながらこんもり盛り付けます。
2番めは、高級ホテルの総料理長就任後1年でミシュランの星を1つ獲得した若手シェフによる、かなり斬新なアーリオ・オーリオ。
・口の広い浅鍋に水と海塩を入れ、スパゲッティ160gを入れる。室温37~38℃で45分置いて戻す。
・別の浅鍋で水を沸騰させ、塩少々とイタリアンパセリ15gを加えてさっとゆで、氷水に取る。にんにく(風味が強いブランドにんにく)5かけをスライスして水に浸し、冷蔵庫で一晩休ませてにんにくの香りをつける。
・ボールにニンニク風味の水、種を取り除いて小口切りにした生唐辛子2.5gを入れて湯少々、りんご酢を加えて冷ます。この水とゆでたイタリアンパセリ、塩少々、オイル少々をハンディミキサーで撹拌してソースにする。
・鍋ににんにく風味の水、野菜のブロード、イタリアンパセリの茎5g、オイル少々、粉唐辛子少々を入れる。
・戻したパスタを加えて蓋をし、リゾッターレする(リゾットの要領で水分を少しずつ加えながら煮る)。
・仕上げにオイルをかけてイタリアンパセリの茎を取り除く。皿に盛り付けて唐辛子風味の水をスプレイして散らす。イタリアンパセリのソースをたらす。
今時の若手のトップシェフは、既存の概念を破壊することにすべてをかけてますね。
常識的なことはいっさいやりません。最初のシェフとは親子ほど年齢が離れていると思いますが、今どきのナポリの親子はうまくいってるんでしょうか。
しれっとこれがナポリ風のアーリオ・オーリオだと言っているのでびっくりしました。
3人めも私が知ってるアーリオ・オーリオと全然違う・・・。
イタリア料理はどうなってるのか。
訳は次回です。
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『クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ』
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