2021年5月10日月曜日

ファッロの粉のピッツァもボンチが広めたピッツァ生地。


今日のピッツァ生地はファッロの長時間発酵生地です。
リチェッタは「総合解説」P.18。
正直言って、素人にはなんのこっちゃですが、
ファリーナの粉をパンではなくピッツァに使うというのは、プロにとっては画期的なことのようで、その先駆者は例によってガブリエレ・ボンチだったようです。
どうやら小麦粉との一番の違いは味。

ファッロ粉のピッツァ生地↓
スローフードのスクオラ・ディ・クチーナ”シリーズの

パーネ・ピッツェ・フォカッチェ


グルテンフリーの粉の本、ディ・ファリーナ・イン・ファリーナ

によると、ファッロは人類が農耕を始めた頃から栽培されていたいわゆる古代小麦で、イタリアでは主にトスカーナとウンブリアを始めとする中部で栽培されています。
中でもトスカーナのガルファニャーナのファッロはIGP製品として知られています。
ファッロは痩せた土地でも育ち寒さにも強い丈夫な小麦でしたが、小麦によく似ていて、小麦を栽培したほうが需要があったので、20年前には消えかかっていたそうです。そんなファッロを再生したのはこの地方の農家。
ちなみに3種類あるファッロの一種、スペルト小麦にはグルテンが含まれますが、香ばしくてパンには適しています。


ファッロの代表的な料理は粉ではなくゆでた粒を使うサラダやミネストローネ。
グイド・トンマージ地方料理シリーズの『トスカーナ』から、

ファッロのサラダInsalta di farroのリチェッタを訳してみます。
材料/4人分
 ガルファニャーノのファッロ・・300g
 ピエンツァのペコリーノ・フレスコ・・150g
 マジョラム・・1束
 レモン・・1個
 EVオリーブオイル・・大さじ6
 塩、こしょう

・ファッロを流水でよく洗い、塩を加えたたっぷりの水で約30分ゆでる。
・水気を切って冷水ですすぐ。
・ペコリーノを小角切りにする。レモンの皮の黄色い部分を千切りにする。
・ファッロ、マジョラム、ペコリーノ、レモンの皮を混ぜて油、塩、こしょうで調味する。

ガルファニャーナのファッロの脱穀↓

ペコリーノ・ディ・ピエンツァとモンテファルコのテイスティング↓



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 「総合解説
グイド・トンマージ地方料理シリーズの『トスカーナ
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2021年5月9日日曜日

ガブリエレ・ボンチが考案したピッツァ・ロベッシャータ。


今日のお題はピッツァです。
リチェッタは「総合解説」P.18〜。
今回のピッツァの記事のテーマは、定番じゃなくてオリジナルのピッツァです。
最初のピッツァはピッツァ・ロベッシャータpizza rovesciata。
ロベッシャータは裏返した、という意味で、ドルチェの世界では、タルト・タタンが代表的なロベッシャータの手法を取り入れたケーキ。
つまり生地に具を乗せるのではなく、具に生地を載せて焼き、裏返して盛り付ける方法です。
タルト・タタン↓


このピッツァの考案者はローマピッツァ界の天才児、ガブリエレ・ボンチ。ネーミングセンスも抜群ですねえ。他にもいろんな名前がつけられたけど、ロベッシャータが一番広まってます。

彼の感性の素晴らしさが伝わる本、『ガブリエーレ・ボンチのイル・ジョーコ・デッラ・ピッツァ

カボチャ、くるみ、ゴルゴンゾーラのピッツァ・ロベッシャータ。
普通の焼き方のピッツァに対して生地が薄くてカリッとなるのが特徴。さらに具材は水分を失わないのでしっとり焼き上がる。下の動画では生のカボチャの薄切りの上に生地をかぶせている。Pizza Rovesciata alla zuccaカボチャのピッツァ・ロベッシャータ
材料/2枚分
 0番の小麦粉・・500g
 室温の水・・300ml
 ドライイースト・・小さじ1
 塩・・小さじ1
 砂糖・・小さじ1
 EVオリーブオイル・・大さじ2
 生のカボチャの薄切り
 ゴルゴンゾーラ
 くるみ
 塩、EVオリーブオイル

・ドライイーストを水で溶く。
・小麦粉、イーストを溶いた水、砂糖、塩、油を混ぜる。
・台に移して(またはニーダーで)こね、なめらかな生地にする。
・油を塗ったボールに入れ、ラップで覆って最低3時間発酵させる。
・生地を2つに分け、覆いをして30分休ませる。
・40×30cmの天板に油を塗ったオーブンシートを敷いてスライスしたカボチャを並べ、塩をする。
・1枚の生地を伸ばしてカボチャに端までしっかりかぶせ、油を塗る。250℃のオーブンで(コンベクションオーブンの場合は240℃)15〜20分焼く。
・オーブンから出して天板の上で裏返し、シートを剥がす。
・スモークスカモルツァ100gの薄切りとゴルゴンゾーラの小片をカボチャにのせ、オーブンでチーズが溶けるまで焼く(5分)。
・オーブンから出してくるみを散らしてカットする。
シンプルな食材の組み合わせですが、食通の好みをしっかり抑えてますね。

ローマのピッツァリウムのボンチ。複雑な味の食材を組み合わせて食べたことのない味にするのが彼のピッツァの醍醐味。

ナポリのピッツァの本、『ピッツァ・アルバ・ペゾーネ


小型の“ピッコリ・スプンティーニ”シリーズのエンツォ・コッチャの『ピッツァ・フリッタ

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2021年5月8日土曜日

ズッパ・イングレーゼ・ナポレターナ?

イタリアのクラシックドルチェ、トルタ・デッラ・ノンナの次は、ドルチェ・アル・クッキアイオ。dolce al cuccchiaio、スプーンで食べるドルチェの王様、ズッパ・イングレーゼです。
イタリアのドルチェなのにイングレーゼとは、という謎も定番。一節では、ロンドンからフェラーラに戻った外交官がロンドンで食べたトライフルを再現した、という話が一番知られています。
昔はイタリアンの代表的なドルチェでしたが、今は、ブームはすっかり去ったといった状態。

ちょっと変わった動画を見つけました。
ナポリを代表するカフェとして知られるガンブリヌスのズッパ・イングレーぜです。
いったいナポリとズッパ・イングレーゼがとう関わっているのか。
下の動画によると、ナポレオンを破ったことで知られるイギリス海軍のネルソン提督にまつわる話のようです。
彼は戦いで負傷してナポリで治療を受けていたようです。
その際、ナポリのために戦った彼のために盛大な祭りが開かれ、その席でお披露目されたのが生地にリキュール入りシロップを染み込ませて重ねたズッパ・イングレーゼだったそうです。
思っていたよりかなり説得力がある説。
しかもズッパ・イングレーゼ・ナポレターノは徐々に広まっているようです。
すでに一般の人の動画も上がっていました。

ガンブリヌスのズッパ・イングレーゼの材料は、
 パン・ディ・スパーニャ
 クレーマ・パスティッチェリーア
 アマレーナ
 ラム酒
 卵白
 粉糖
 
・スポンジ生地を2段に切り、下段のスポンジにラム酒のシロップ、カスタード、アマレーナ、スポンジ、ラム酒、カスタード、アマレーナの順で重ねてシロップを染み込ませたスポンジで閉じます。これをカラメル入りイタリアンメレンゲで覆ってフランベします。
作り方や構成は似ていますが、スプーンで食べるドルチェには見えないですねえ。
それにしても謎なので、久しぶりにガンブリヌス

の本を見てみました。いつ見ても謎な表紙の絵は別にしても、ナポリの老舗カフェの歴史を感じる素晴らしい本です。
ババのリチェッタはたくさんあるのですが、ズッパ・イングレーゼの話はないなあ。

ガンブリヌス↓

本家を主張するフェラーラのズッパ・イングレーゼの動画もどうぞ。

ニュートン地方料理シリーズのドルチ・ナポリターニには、一番最後にズッパ・イングレーゼが載っていました。ちょっとびっくり。




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2021年5月7日金曜日

チャンベッローネ(エンゼルケーキ)もノンナのケーキの一種だった。しっとりしたケーキにするポイントは型。

イタリアのクラシックドルチェ、トルタ・デッラ・ノンナがトスカーナ生まれの松の実のケーキということを知り、トスカーナ料理の本を調べてみました。


トスカーナ料理書の傑作とプッシュしていた『ルフィーノのトスカーナ』ですが、売り切れたようです。残念・・・。


この本で紹介している松の実のケーキは、松の実のチャンベッローネil ciambellone con i pinoli。
こんな話が添えてありました。
「チャンベッローネは家庭で作る焼き菓子の中でも、簡単にできるの定番のドルチェだ。比較的ヘルシーなので、朝食に食べてもよいし、しっかりしたおやつにもなる。家庭料理の常で、チャンベッローネにもバリエーションは豊富にある。」

チャンベッローネも、実はイタリアの家庭のクラシックドルチェの一つで、その素朴さとシンプルさから、これもおばあちゃんのケーキ(トルタ・デッラ・ノンナ)の一種とみなされています。

・レーズン75gをオレンジの汁で戻す。
・00番の小麦粉500gとベーキングパウダー16gを振るう。
・ボールの下に湿らせた布巾を敷き、小片にした室温のバター250g、オレンジ1個の皮のすりおろし、レモン1個の皮のすりおろし、バニラ1本の種を入れ、砂糖300gを少しずつ加えながら5分ホイップする。
・卵275gを1個ずつ加える。卵を混ぜ込んだら小麦粉を大さじ1ずつ加える。
・牛乳250gを加える。
・レーズンの水気を切って小麦粉をまぶす。
・オレンジピールの小角切り50gとレーズンを混ぜる。チョコチップやしょうがのカンディートで代用できる。
・エンゼル型にバターを塗って小麦粉をまぶし、生地を半分流し入れて平にし、レーズンとオレンジピールを散らす。その上に残りの生地を入れる。180℃のオーブンで約1時間焼く。
・串を刺してみて乾いていたら焼き上がり。
・型から出して冷まし、粉糖を振りかける。
これはエンジェルケーキですね。
『ルフィーノのトスカーナ』の松の実のチャンベッローネは仕上げにアイシングをかけてから松の実を散らします。真っ白いアイシングとふわふわの生地が、エンジェルケーキという名前によくマッチしている天使みたいなケーキです。

クラシックドルチェを店のメニューに取り入れるセンスが抜群の店、ローマのロッショーリの本には、

ロッショーリ

チャンべッローネについて、こんなことが書かれていました。
その前に、まずはリチェッタ。
材料
 00番の小麦粉・・500g
 砂糖・・200g
 卵・・4個
 EVオリーブオイル・・250ml
 牛乳・・250ml
 レモンの皮・・1/2個分、塩
 ベーキングパウダー・・16g
 飾り用ブラウンシュガー

・卵と砂糖を白くなるまでホイップする。
・塩、油、レモンの皮、最後に振るった小麦粉を加える。
・速度を落として2分こね、ベーキングパウダーを加える。再び4〜5分こねる。
・エンゼル型にバターを塗って小麦粉をまぶし、生地を流し入れる。表面にブラウンシュガーを散らし、180℃のオーブンで20分、160℃でさらに20分焼く。

・このチャンべッローネのポイントは型だ。卵白の泡立て方や材料の混ぜ合わせ方は重要ではない。
すべては型の中で起こる。
生地を焼く温度も型が変わると変わり、結果も変わる。
このリチェッタで使うのは、一般的なチャンベッローネの型よりの幅が広くて低めのアルミの型だ。
中央の穴は閉じているもの。
穴がある中央部分は熱が穴で遮られて温度が上がり、焼く時間も短くなってしっとりしたチャンベッローネになる。

ロッショーリ↓



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ロッショーリ

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2021年5月6日木曜日

ノンナのケーキとノンノのケーキ。

イタリアのクラシック・ドルチェ、2品めはトルタ・デッラ・ノンナtorta della nonnaです。
昨日から言ってるフロッラの松の実のケーキ、これが、下の動画背を見て、トルタ・デッラ・ノンナのアレンジなのでは、と気がついた次第です。


torta della nonno/トルタ・デッラ・ノンナ
材料
《パスタ・フロッラ》
 00番の小麦粉・・320g
 粉糖・・140g
 卵黄・・4個
 バター・・180g
  塩・・2g
《クレーマ》
 牛乳・・1㍑
 卵黄・・6個
 グラニュー糖・・250g
 片栗粉・・100g
 バニラ・・1本
《トッピング》
 松の実・・50g
 バニラシュガー・・大さじ1弱

・パスタ・フロッラを作る。小麦粉と冷えたバターの小角切りをフードプロセッサーで撹拌して砂状にし(この作業はサッビアトゥーラと呼ぶ)、粉糖、塩少々、卵黄4個を加える。生地がまとまったら台に明け、3対2に分ける。オーブンシートで挟んで厚さ2〜3mmに伸ばし、クレーマを作る間(最低30分)冷蔵庫で休ませる。
・カスタードクリームを作る。牛乳に卵黄、グラニュー糖100g、片栗粉、バニラを加えてかき混ぜながら弱火で煮詰め、オーブン皿に広げて表面が固まらないようにラップで覆って冷ます。
・底が直径20cm、口が直径23cmの型にバターを塗って丸く切ったオーブンシートを敷き、シートには型の直径20cmの円と+厚さ5cmの円を描く。1箇所に20cmの円まで縦に切込みを入れ、そこから5cm間隔に切り込みを入れる。これを型に敷き込む。
・大きいほうのフロッラを麺棒を使って型に敷き込む。はみ出した生地は切り落とし、底をピケする。冷蔵庫で15分固める。
・クレーマをホイッパーで混ぜてフロッラに入れ、平にする。小さいフロッラをかぶせて余った生地を切りと落とす。端をフォークで抑えて閉じる。
・表面に松の実をまぶし、175℃のオーブンで50分焼く。粉糖をふりかけてサーブする。

「総合解説」P.18のリチェッタはフロッラに松の実のクリームを詰めて焼きますが、これはカスタードクリームを詰めています。
トルタの由来についてはこう説明しています。
まず、考え出したのはトスカーナのレストランオーナー、グイド・サモリーニ。おばあちゃんでも作れるようなとても簡単なリチェッタのケーキを考え出して店で出したところ、人気になりました。松の実とアーモンドの代わりにチョコレートクリームを入れたケーキは、もっと簡単で、おばあちゃんじゃなくても、おじいちゃんでも作れそうだと、ジョーク交じりに“おじいちゃんのケーキtorta dello nonno”と呼ばれたとか。
ノンノのケーキの動画もありました。

材料
 小さく切った冷えたバター・・120g
 砂糖・・60g
 00番の小麦粉・・210g
 ビターココアパウダー・・40g
 ベーキングパウダー・・小さじ1
 卵・・1個
《クレーマ》
 砂糖・・120g
 塩
 卵・・1個
 00番の小麦粉・・25g
 ビターココアパウダー・・20g
 生クリーム・・150g
 室温の牛乳・・350ml
 松の実、粉糖、牛乳

・バターと砂糖を手で練り、小麦粉、ココア、ベーキングパウダー大さじ1、卵黄を加えてなめらかな生地にする。ラップで包んで冷蔵庫で1時間休ませる。
・クレーマを作る。砂糖、塩少々、卵1個を混ぜて小麦粉とココア、生クリーム、牛乳を加える。中火で煮詰め、火から下ろして時々かき混ぜながら冷ます。
・生地を2対3に分けて厚さ2〜3mmの円形に伸ばす。大きい生地を直径20cmのクロスタータの型に敷き込み、余った生地を切り落として底をピケする。
・クレーマを流し込んで平にする。小さい生地を伸ばしてかぶせ、表面を串でピケする。牛乳を塗って松の実を散らし、180℃のオーブンで50分焼く。仕上げに粉糖を散らす。

   

おばあちゃんのケーキなんて名前のケーキが国民的定番ケーキっていうのもほんわかしますね。
松ぼっくりから松の実を取り出し、乾燥させて叩いて殻を割って出す↓
松の実はイタリアの森の地方の食材。
トスカーナでは、松の実のドルチェが家庭のドルチェの定番。


松の実の収穫。松ぼっくりは夏に熟して落ちる。


松の実はジェノベーゼなどイタリア料理には欠かせない地中海の食材。
次回はトスカーナ料理の本で見つけた松の実のドルチェの話です。

お勧めトスカーナ料理の本、『ラ・クチーナ・トスカーナ


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2021年5月5日水曜日

入門編、イジニオ・マッサーリのパスタ・フロッラ

今日のイタリアのクラシックドルチェは松の実のケーキです。
リチェッタは今月の「総合解説」P.16。
クロスタータやビスコッティの生地。パスタ・フロッラのケーキです。
イジニオ・マッサーリの下の動画のリチェッタは、フロッラ・ミラノ。
一般的なフロッラと違って卵黄しか使わないので、一段と香ばしい生地になるそうです。
クリームやジャムのクロスタータに適した生地です。

材料/
 バター・・200g
 粉糖・・75 g
 アカシアの蜂蜜・・40g
 卵黄・・1個
 水40mlで溶いた塩・・2g
 バニラビーンズ・・1本
 レモン1/2個の皮
 0番の小麦粉・・300g

・バターは室温にするが形がなくなるほど柔らかくすると弾力のない硬い生地になる。バターと粉糖(グラニュー糖でもよい、粉糖は粒子が小さいので生地の中に行き渡りやすい)、蜂蜜(生地の焼色が濃くなる)、卵黄、水で溶いた塩、バニラの種、レモンの皮(黄色い部分だけ)をニーダーで混ぜる。生地に空気が入ると焼く時間が長くなり、均一に焼き上がらないので、バターはホイップしないように砂糖と蜂蜜を混ぜ込む。
・小麦粉をふるって生地に加える。こねすぎると固くなる。こね方が足りないと均一に焼き上がらない。ニーダーは常に水分の状態を確認しながら高速で回転させる。一握りの生地を片手でぎゅっと握った時になにも手につかなければ生地が小麦粉を完璧に全部吸い込んでいる。生地を取り出してまとめ、ラップで包む。冷蔵庫で一晩休ませて油と砂糖を行き渡らせて麺棒で均質に伸ばせるようにする。
・打粉をした台にあけて表面に粉を振り、麺棒で均一に伸ばす。上下に伸ばし、生地を90度回転させながら伸ばす。
《クロスタータ》
厚さ4mmに伸ばした生地にセルクルをのせて丸く抜き、セルクルに入れる。生地の一部を同じ太さの棒状に伸ばして巻き、型の端からほどいて側面に重ねる。余った生地を切り落としてやや平らにし、刃先で飾りをつける。

フロッラミラノとフロッラの違いが微妙すぎてわからない・・・。


彼の本、『イジニオ・マッサーリ』には、2種類のパスタ・フロッラのリチェッタがあるのですが、材料の配合が数g単位で違うという細かさ。

ところで、「総合解説」の松の実のケーキですが、これはパスタ・フロッラに松の実のクリームを詰めて焼いたケーキです。
イタリアのクラシック・ドルチェの一つ、トルタ・デッラ・ノンナを想像させます。
このケーキの話は次回に。

この『ラ・クチーナ・イタリアーナ』誌のこの記事は、パスタ・フロッラがイタリアに広まったのは ペレグリーノ・アルトゥージの本のおかげ、という説を取っています。
アルトゥージは、様々な地方料理に分裂していたイタリアの家庭料理を統一して、イタリア料理という概念を明確にし、イタリア家庭料理の父と呼ばれる、イタリア料理史上欠かせない人物です。
おまけの動画はアルトゥージの業績をまとめた動画です。カーサ・アルトゥージはイタリアの食文化を広めるために設立された財団の本拠地。
webページはこちら



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2021年5月4日火曜日

パヴィアのトルタ・パラディーゾ

現在のテーマは、イタリアのクラシックドルチェの中でもアルトゥージが広めたもの。
前回はパスタ・マルゲリータpasta margheritaでした。
北イタリア生まれの質素な生地を、アルトゥージは、特に高価な材料は使わずに、スポンジ生地のようなふんわりした生地にしました。
マルゲリータ(デイジー)のような黄金色の生地からしても、ポイントは卵だとわかります。
そしてこのマルゲリータによく似ているのが、トルタ・パラディーゾtorta paradisoです。
スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズの『ドルチ・ダ・フォルノ』

によると、このシンプルなケーキはロンバルディアのあらゆる町が、わが町こそが本家だと主張しているそうです。
伝統的には食後にワインに浸して食べるケーキで、ミラノでパティシエの修行をしたエンリコ・ビゴーニが1878年にパヴィアで考え出したという説が有力だそうです。
その際、貴族の女性がこのケーキを食べてパラダイスみたいだと言ったというのが大ヒットの要因でした。

↑イジニオ・マッサーリのトルタ・パラディーゾtorta paradiso。

・室温のバター220g、粉糖200g、グラニュー糖66g、塩、レモンの皮をホイップする。
・卵黄66g、室温の全卵166gを少しずつ加える。
・00番の小麦粉166g、べーキングパウダー3g、片栗粉100gを振るう。
・生地にマラスキーノ13gと振るった粉を加える。
・直径18cmの型にバターを塗ってグラニュー糖をまぶし、生地を流し入れる。
・170℃のオーブンで30分焼く。
・型から出して砂糖をふりかけ、裏返して底の固まった部分を切り落とす。

パヴィア↓
街の自慢の一つがパヴィア大学。世界最古の1361年設立。


大学ゆかりの偉人は電池を発明したアレッサンドロ・ボルタなど。
でも、食の分野なら、動画の最後の方に出てきたパスティッチェリーア・Vigoniに注目です。
ここがトルタ・パラディーソが生まれた店。パヴィア大学の向かいにあります。
店のwebページはこちら

トルタ・パラディーゾによく似たケーキがありました。
トルタ・パッラーディオ    torta Palladioです↓

パッラーディオはパドヴァ出身の天才建築家。ホワイトハウスもパッラーディオ様式を取り入れている。これは彼に捧げたケーキです。
後に彼が移り住んだヴィチェンツァのドルチェとして伝えられている。

ヴィチェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオのヴィッラは世界遺産↓





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イタリアの新しいマスター・オブ・ワインが選ぶコンテンポラリーな赤ワイン。

イタリアの新しいマスター・オブ・ワイン、アンドレア・ロナルディが提案するPinosophyの概念。イタリアの食の分野のカリスマたちは、深い哲学への造詣がある人が多く、言ってることの意味が分かるまで、かなり苦労します。マスター・オブ・ワインも例外ではありません。なので、それなりにか...