2026年1月22日木曜日

アブルッツォの海沿いの村でズッパ・ディ・ペッシェを食べるのは大冒険でした。

今日の(CIR)の料理はズッパ・ディ・ペッシェzuppa di pesceです。
イタリアの沿岸部に共通の料理。つまり、海に囲まれたイタリアでは、海がない北部以外はどこででも作られている漁師料理。基本は、売れ残ったり、小さすぎて売れない魚を使って漁師たちが船の上や砂浜で大鍋で煮たシンプルで質素な料理。カサゴ、ホウボウ、アンコウ、アナゴ、貝、ムール貝、ウナギ、その他の数多くの種類の魚を使います。これに香草やトマト、上等な魚が加わって、今では美食の一角を占めるご馳走になりました。

ズッパ・ディ・ペッシェ。

モンテフィアスコーネ(ラツィオ)のリストランテ・ラ・リタのズッパ・ディ・ペッシェ。


ファーノのブロデット。


地方によって名前は違いますが、リチェッタはどれもよく似ています。
フリウリからプーリアに至るアドリア海添いではブロデットbrodetto。南部ではズッパzuppa、リヴォルノとその北のヴェルシーリア地方(トスカーナ)ではカッチュッコcacciucco
、リグーリアではブリッダbriddaやチュッピンciuppinと呼ばれます。
 アブルッツォでブロデットを食べたい!と思った私は、大冒険をして、アブルッツォまで行ってブロデットを食べました。仕事柄、情報収集はバッチリです。でも、ローマやミラノといったイタリアの人気の観光地として外国人が押し寄せる街には行ったことはあっても、アブルッツォの名前も知らないマイナーなビーチリゾートの村に、バカンスの季節が終わったオフシーズンに、車もなく、公共手段を使っていくことがこんなに大変だとは知らなかった。まあ、なんとか行けるだろう、という安易な考えで、度胸だけは人一倍の若い私は、イタリア語が全然しゃべれない友人2人を連れて、はるばる海辺のレストランに行ってきました。出てきたブロデットは、期待を裏切らない美味しさで、あらゆる苦労がふっとびました。でも、イタリアの田舎の交通手段、甘く見てました。
 車がないと、ほんとにまったくお手上げなんです。どこにも行けない。ちょっと日が暮れかけた程度の夕方には早くもバスがなく、ペスカーラのホテルまでどうやって戻るのか、という難問が頭を離れない状態でした。でも、大勢で食べるズッパ・ディ・ペッシェは、いわばパーティー料理のようなもの。食べていると、自然と元気が出て、賑やかになり、気がついたら隣のテーブルの初対面の人たちとも大いに話が弾んでいました。彼らは私たちが足がなくて困っていることを知ると、ペスカーラまで送っていこうと言ってくれました。私はともかく、友人の一人はかなり絶望的な気分になっていたようで、それを知った途端に、送ってくれると言った彼に恋をしちゃったほどです。その後数日間彼にまた会いたい、と言ってましたが、ナポリのカフェ・ガンブリヌスでイケメンピアニストの生演奏を見て以来、今度は彼が好きになって、ブロデットの彼のことはきれいさっぱり忘れました。
でも、それ以来私の頭から忘れられないのが、あの時食べたブロデットの美味しさです。
ズッパ・ディ・ペッシェの話、次回に続く。


この話は、(CIR2023年8月号)の料理、“ズッパ・ディ・ペッシェ”の解説です。料理の日本語のリチェッタと写真はP.6。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』という地方料理の本としては最高の雑誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。毎月日本語に翻訳している力作です。イタリア発の地方料理の情報は、昔の有名書籍が売り切れて入手困難になっている昨今ではとても貴重です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。

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アブルッツォの海沿いの村でズッパ・ディ・ペッシェを食べるのは大冒険でした。

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