2026年1月6日火曜日

クロスティーニ2、トスカーナのパン料理。パンにもテロワールの発想があるイタリアのパン。

今日のお題はクロスティーニ。
イタリア料理のベーシックな前菜の一つ、クロスティーニは、トスカーナの名物料理でもあります。
トスカーナ料理の本『クチーナ・トスカーナ』

によると、トスカーナ料理はterraとpaneの料理で、料理の効果を最大限に引き出す塩とスパイスの配合が絶妙。トスカーナのパンは、別名パーネ・ショッコpane sciocco。塩気がないのが特徴で、代表的なパーネ・カザレッチョ。トスカーナではミネストラ、ズッパ、クロスティーニ、ブルスケッタなどの伝統料理に使う、味の強い料理に合うパン。
 アメリカのイタリア系俳優として知られるスタンリー・トゥッチがイタリアを巡ってイタリアの食文化を紹介するナショナル・ジオグラフィックの番組のトスカーナ版。ちょっと長いけど、経費をかけたゴージャスな番組。

パーネ・トスカーノ、パーネ・ショッコ。

代表的なトスカーナ料理。

パーネ・カゼレッチョ。
イタリア各地の田舎風パンの総称。ブルスケッタ、チーズやサラミなど地方のに添えるのに適している。固くなったものや軽くトーストしたものはズッパやミネストラに。


ワインの世界には、テロワールという言葉があります。
ワインのテロワールとは。

 
 ちょっと小難しそうなので、時間のある時にでも、のんびり見てください。
 これはワインだけの概念ではなく、イタリアのパンにもテロワールの考え方があります。
10年ほど前の『ガンベロ・ロッソ』誌にパンのテロワールに関する面白い記事がありました。テーマは“パンとテロワール”
 そのきっかけは、集約農業の到来。昔は農民が小麦を育て、粉屋が粉にして、パン屋がパンにしました。それが70年代頃から、種を研究所で交配して掛け合わせ、粉はパン用、ピッツァ用、ドルチェ用にミックスされ、酵母は科学的に作られて冷凍乾燥し、2時間程度で発酵しました。パンの製造過程は長く、複雑になっていきます。
 ワインのテロワールの話はとても複雑ですが、まさかパンにもテロワールがあるなんて考えたこともなかった。でも、イタリアのパン業界では、パンの後ろで何が起こっているのかを理解しようとする傾向が生まれてきたそうです。それは市場の流通の外にあるような小さな業界でも、どこから出発してどこに着くかが明確に分かり、その距離も短く、価格は適正。例えるなら小麦畑に面したかまどがある農場、大地に足をつけたパン屋、匠たちを結び付ける粉屋、すべての断片を管理する協同組合。古代小麦や天然酵母への回帰も見られる・・・。
 イタリア料理はなぜ日本でこんなに人気があるのだろう、といつも考えます。両者が似ているからだ、という説もありますが、その一方で、大きく違うと思うことの一つが、このテロワールのような発想です。イタリアやヨーロッパの生産者は、常にこんな発想を抱いています。
《小麦畑に面したかまどがある農場》。
 職人たちの頭には、大きな俯瞰的視点の科学的な発想があります。
パンとテロワールの話、次回に続きます。

今日の話は(CIR2023年8月号)の料理、“エビのマリネ、ズッキーニ、玉ねぎのクロスティーニ”の解説です。料理の日本語のリチェッタと写真はP.2。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』という地方料理の本としては最高の雑誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。毎月日本語に翻訳している力作です。イタリア発の地方料理の情報は、昔の有名書籍が売り切れて入手困難になっている昨今ではとても貴重です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。

現在、2023年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
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週末はクレアパッソのお薦め本の紹介。
スッド・グランデ・クチーナ(南伊・山・海)』

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小麦粉の製品に関してはイタリアはガチ。ピッツァが生まれたのも納得。

トスカーナのクロスティーニの話をしてたら、昨日はパンの話で脱線しました。 小麦粉の製品に関してはイタリアはガチですよ。ピッツァを生んだ国の小麦に対する向き合い方は、テロワールという言葉まで引き合いに出して本気です。『ガンベロ・ロッソ』の記事によると、小麦がどのように栽培されている...