2023年8月9日水曜日

フォカッチャ・ジェノベーゼの前身、フガッサ・ビアンカ。

調べれば調べるほど、ジェノバのフォカッチャは、ジェノバのものが一番おいしい、という結論に・・・。
ローマ・ピッツァのカリスマ、ガブリエレ・ボンチのイタリア各地のピッツァの本、『ピッツァ・ヒーロー』には、こんなことが書いてありました。
「私にとってリグーリアの海岸の女王はフォカッチャfocaccia、いやむしろ水のしぶきとオイル少々、塩の粒数粒を散らしたフガッサ・ビアンカfügassa Biancaだ。これこそがリグーリアの本物のフォカッチャだ。食べる時は、舌の上で最初の一口から塩とオイルというリグーリアのポエムを感じられるように、必ず「裏返してtesta in giù」食べる。(つまり塩とオイルがある面を上にする)
ピッツァとフォカッチャの違いは、フォカッチャは生地を天板に伸ばした後、すぐに焼かずに再び発酵させるのでピッツァより厚い。厚さは2㎝以内で表面の色は砂糖があるので茶色。

一説によると、本物のfügassaとは指に油少々をつけて底に油を塗った粘土の“テスタtesta“に入れてcotta nel focolare”囲炉裏で焼いたものだそうだ。
フォカッチャのことを敢えてフガッサと呼ぶ人は、今では少数派のよう。


“bigaビーガ”、またはポーリッシュpoolishと呼ぶ液種法で作ります。

fügassa genovese/フガッサ・ジェノベーゼ

材料/9人分の天板1枚分
《ビーガ》
00番のw300~320の小麦粉・・95g
水・・43ml
生イースト・・1.1g

・ボールに30℃の水 43mlを入れてイーストを溶かす。
・00番の強い小麦粉95gを少しずつ加える。
・ざっと混ざったら台に移してこね、滑らかで均質の生地にする。
・ボールに入れてラップで覆い、さらに布で覆って室温(約20℃)で12時間発酵させる。

《ビーガ》
・ニーダーのボールに30℃の水210ml(95%)と生イースト11gを入れて溶く。溶けたらドライモルト8gを加える。ビーガを加えてこねる。00番の小麦粉360gを少しずつ加える。塩9gを加える。残りの水20ml(5%)を加えてこねやすくする。ニーダーのスピードをやや速くし、EVオリーブオイル22mlを少しずつ加える。
。滑らかで均質の生地になったら打ち粉をした台に取って指先で軽く長方形に伸ばし、1回目の三つ折りにする。
・生地を90度回転させ、再び平らにして3つ折りにする。
・折り目を下にして裏返し、ラップで覆って30分休ませる。
・35×43㎝の天板に油を引き、底と側面に塗り広げる。
・生地のラップをはがし、打ち粉をして麺棒で天板の大きさに合わせて伸ばす。
・生地を麺棒に巻き付けて天板に敷き込む。天板一杯に広げてラップで覆う。
・さらに覆いをして発酵させる。
《サラモイア》
水・・150ml
EVオリーブオイル・・38ml
塩・・8g

・30℃の水150mlと塩8gを混ぜてサラモイアにする。
・天板の生地を1時間発酵させたら穴をあける前に軽く小麦粉を散らす。
・両手の中央3本の指の第一関節まで刺して生地にくっついた深い穴をたくさんあける。
・全部の穴に入るようにサラモイアをかける。
・EVオリーブオイル38mlを均一にかけて1時間発酵させる。
・230℃のコンベクションオーブンで21分焼いて表面をきつね色にする。
・焼き上がったら熱いうちにEVオリーブオイルをぬっぶり塗る。

きのう知ったフォカッチャの香りはフォカッチャの具の一つ、ということからしても、EVオリーブオイルが大切な材料。
次回はリグーリアのオリーブオイルの話。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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