2020年8月15日土曜日

アランチーニのルーツは、手で食べていたアラブのクスクス。これにパン粉をつけて揚げると持ち運びできるようになった。クスクスのアランチーニ。

今月の「総合解説」から、今日のお題は、シチリアのソールフード、“アランチーニ・ディ・リーゾ”(P.33)です。

これまでにも度々取り上げていますが、だいたい、いつも必ず話題になるのが、男性名詞の“アランチーノ”という名前と球形のパレルモ派と、女性名詞のアランチーナでコーン形のカターニア派の2大流派がある、ということ。
しかも専門家はシチリアの方言では男性名詞だけど、イタリア語では果物は女性名詞なので、どちらも正しい、という曖昧な説でいつもお茶を濁す。

12月13日のサンタ・ルチアの日は、パレルモではアランチーニの日。

そう言えば、サンタ・ルチアはナポリの漁師町としておなじみ名前だけど、聖ルチアは殉教したれっきとした聖女でした。
こちらのページには、サンタ・ルチアの日になぜアランチーニを食べるのかについて、こんなことが書かれていました。
1646年の12月13日、飢饉で苦しんでいたパレルモの港に、小麦を積んだ船が到着したのだそうです。飢饉が終わった奇跡を祝して、小麦を粉にする間も惜しんで、小麦粉で作られたパスタやパンを食べるのではなく、小麦以外の穀物を食べた、ということにあやかっているのだそうです。この日は、パレルモ中のパン屋は休みで、揚げ物屋だけが営業するのだそうです。
毎回同じ話題でアランチーニの話題は出尽くしたかな、と思っていましたが、今月号には、新節が披露されていました。
アランチーニのルーツは、アラブに支配された時代のクスクスを手のひらで丸めて、子羊肉と野菜の煮汁をかけて食べた料理だというのです。
クスクスを手で食べる。↓

これに時代ともにトマトが加わり、パン粉をつけて揚げるようになると、持ち運びしやすい料理になって、メッシーナとレッジョ・カラブリアを渡し船で行き来する人々の定番の食事になったのでした。

おまけのリチェッタはメカジキ入りクスクスのアランチーニArancini di cous cous

 con ragù di pesce spada。(リチェッタは1:20~)


・サフランを溶いた湯をボールに入れたクスクスにかけてバターを加える。
・覆いをして5分休ませ、粒をほぐして冷ます。
・パルミジャーノ少々を加える。
・少量ずつ手のひらに取ってメカジキのラグーとパスタ・フィラータのチーズの小片を詰めて閉じる。冷蔵庫で休ませる。
・小麦粉、水、塩少々を混ぜて衣にする。
・アランチーニに衣とパン粉をつけて油で揚げる。

シチリアと本土を結ぶフェリー。

今月の「総合解説」P.6には“クスクスとナスのクロケッテ”のリチェッタも。


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