2024年2月10日土曜日

ヴァル・ディ・キアーナの宝石で、フィレンツェの大ボス、コジモ・ディ・メディチが文化的にも金銭的にも大バックアップしたワイン、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。


今日のお題は今月のワイン。(CIR11月号の記事P.41)解説です。
今月のワインは、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。
イタリアの編集者は、今月も素敵な言葉でこの有名な上質ワインを言い表していました。
歴史の古いワインでエトルリア時代から高い評価を得ていましたが、医師で博物学者のフランチェスコ・レーディFrancesco Rediという人物が、1685年に“モンテプルチャーノはワインの王様だ“Montepluciano chi d'ogni vino è il re”と書いたことがすっかり有名になり、このワインのキャッチフレーズみたいになってしまいました。現在では、“ヴァル・ディ・キアーナの宝”と呼ばれているようですね。地元民のこのワインに対する愛情が伝わってくるような、高尚な呼び方。
まずはトスカーナはシエナ県のモンテプルチャーノを訪れてみましょう。
モンテプルチャーノ。

次はシエナ県の南部にあるヴァルディキアニーナ、キアニーナ渓谷。世界文化遺産。


外国人がイメージするトスカーナの、そしてイタリアのイメージそのままの姿が広がる地方。この美しい地方の、さらに宝石、とまで呼ばれるワインです。
この記事を書いた編集者は、ここまで持ち上げて、ちょっとイタリア人ならではの遊び心と貴族を皮肉る庶民のたくましい本能が抑えられなくなったようです。
このワインのことを、トスカーナ大公のコジモ・ディ・メディチが文化的にも金銭的にも大きな投資をしたワインだと、上げてるんだか下げてるんだか、よくわからないビミョーでインテリジェンスがほの見える言い方をしてます。コジモ・ディ・メディチはフィレンツェを支配したメディチ家の大ボスの銀行家。ルネサンスの重要なパトロンの一人。徳川家康と渋沢栄一を合わせたような人。

彼は、798年には土地とワインの取り引きに関する決まりを作り、1350年には輸出に関する最初の決まりを作るなど、大いにこのワインを保護しました。
1787年にはヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノというワインになり、1966年にはDOC、1980年にはDOCGワインになります。1988年にはロッソ・ディ・モンタルチーノが誕生します。1980年にはキアンティがDOCGになったことに押されて一時人気に陰りが見えますが、その後再生(ルネサンス)に成功します。

VINO NOBILE DI MONTEPULCIANO DOCG。


ぶどうはサンジョヴェーゼのクローンの一種で、地元ではプルニョ―ロ・ジェンティーレGRUGNOLO GENTILEと呼ばれるぶどうが最低70%。

トスカーナの大ワイナリーが作ったトスカーナの食文化を紹介する傑作

ルフィーノのトスカーナ


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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリアの月刊料理雑誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

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