2023年4月12日水曜日

ノンナの料理には人生の物語と家族への愛情が詰まっている。かなり大雑把で材料をきっちり図るおばあちゃんはいない。

今日から3月のリチェッタです。日本語訳は(CIR)3月号P.2~。
今月のテーマは《ノンナの料理》、つまりおばあちゃんの料理です。
ポイントは、マンマの料理じゃなくて、ノンナの料理、というところ。
ノンナは、孫に取ってはいつも何か食べた?と尋ねてくれる愛情にあふれた存在。
その料理には背後に必ず何かしらの物語があり、母方が代々受け継ぐ遺産のようなもの。
オシャレで今時な食材は一切使わず、流行に流されず、正確に計量することもないので、分量は、だいたいかなり大雑把。おばあちゃんの料理に大さじ何杯なんて感覚はないのです。
今月のリチェッタは、すべて冒頭にこの料理にまつわるおばあちゃん(雑誌の編集者たちの年配の親戚たち)のミニエピソードが語られていました。最初はあまりにも個人的なことなので読み飛ばしていたのですが、次第に、これらの料理には名も知らぬおばあちゃんの人生の物語と家族への愛情が凝縮されていることに気が付きました。

ノンナと孫の料理風景。

昔、若かりし頃、イタリア語を学んでいたフィレンツェの下宿先の大家のおばあちゃんの料理を見学したことを思い出しました。
おばあちゃんははりきって大作に挑戦したけど、一切妥協しなかったので、いつもよりかなり時間がかかっちゃいました。
他の下宿人がお腹を空かせて待ちわびているなかで、出来上がったのは詰め物入りロールロースト。今ならクリスマスに作るようなご馳走だったことがよく分かるけど、当時は何の知識もなく、ただただ美味しさに感動して、その時以来、イタリア料理をもっと知りたい、と思うようになったのでした。
3月のリチェッタの1品目は鶏肉のガランティーヌGalantine。フランス料理ですが、イタリア語ではガランティーナgalantinaです(リチェッタはCIR3月号P.2)。
この料理を作った人の孫が語るのは、友人をもてなすのが好きだったノンナの得意料理だそうです。
ノンナにとって、こういう派手で美しい料理がおもてなし料理。

鶏肉のガランティーナ。

ノンナの料理動画をたくさん見たけど、結論は、やっぱりおばあちゃんは料理の時、調味料を計らない。
今月のリチェッタは、各リチェッタに添えられたノンナのエピソードも注目です。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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