ピエモンテのドルチェから、今日はジャンドゥイアgianduiaの話。
まずはおなじみのうんちくの本、『1001スペチャリタ』には、なんて書いてあるでしょうか。
ジャンドゥイアはピエモンテで1806年に作り出されました。
そのきっかけ、ナポレオンの経済封鎖。
当時入手困難になって価格が高騰していたカカオやカカオバターの代わりに、
トリノのパスティッチェーリが、チョコレートのカカオの一部を、もっと値段が安くて手に入りやすいヘーゼルナッツ(正確にはとても味がよいと評価が高かったトンダ・ジェンティーレ・デッレ・ランゲ)で代用しようと決めたのがこの年です。
歴史的にはナポレオンの没落を招く契機となった出来事ですが、イタリア料理史上も大きな契機となった決定でした。
ヘーゼルナッッで大躍進したイタリアの企業の一つ、フェッレーロ
それまではまだ世界は、チョコレートとヘーゼルナッツの相性の良さを知らなかったのです。でも、知ってしまったら、もうヘーゼルナツなしではいられない・・・。
先月取り上げたオリーブの下ごしらえの大変さと比べたら、ヘーゼルナッツは造り手に超優しい。
ジャンドゥイア
アルティジャナーレのジャンドゥイアの作り手、ズッコットのリチェッタ。
カカオマスにトーストしたピエモンテ産ヘーゼルナッツを練り込んで砂糖とバニラを加えて練ってクリームにする。
まあ、基本的にはチョコレートですよね。
アルティジャナーレのチョコレート。
gianduiaの発音を教えてくれる動画
ジャンドゥイアに似た名前なのがジャンドゥイオットgianduiotto。
この話は次回に。
本屋部門から、再入荷本のごあんないです。
地方料理シリーズの傑作“グイド・トンマージのクチーナ・イタリアーナ・シリーズ”のナポリ版、『クチーナ・ディ・ナポリ』が入荷しました。
今なら在庫があります。
-------------------------------------------------------
クレアパッソの地方料理書リスト
クチーナ・プリエーゼ
『リグーリアの発酵生地』
『グイド・エ・グイド』
『トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ1』
『1001スペチャリタ』
クチーナ・レジョナーレシリーズのドルチェ・ディ・ピエモンテ
“グリバウドのグランデ・クチーナ・イタリアーナ”シリーズ
『クチーナ・ディ・ナポリ』
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
ローマ帝国の中でも上質のワインと評価されていたタウラージはアリアニコのワイン。その評価の普及にはフィロキセラも一役買ってます。
今日のお題はタウラージ。 タンニンが強いのが特徴のカンパーニアのイルピーナ地方の上質ワイン。 アリアニコというぶどうから造られるローマ帝国の中でも上質のワイン。 北と南は比べられることも多くて何かとライバル関係。 南の代表、ナポリのワイン、タウラージは、北のワインバローロにたとえ...

-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日は、イタリア料理業界の最先端とは無縁の地方の村を紹介します。 ずばり、バジリカータのポッリーノ国立公園です。 イタリア人でさえ、よく知らないというバジリカータの、国立公園の、標高1000m以上の山の中にあるド田舎、もとい、大自然に囲まれた古くて素晴らしい集落です。 ...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
0 件のコメント:
コメントを投稿