2019年12月26日木曜日

ストリートフードで見るイタリア料理の歴史

さて今日から気分も一新、パスタ編のスタートです。

とても興味深いテーマなので、頑張って色々訳してみたいと思います。
記録も残したいので、内容は次号以降の「総合解説」にまとめて載せることにしました。

まずは『ストリートフード・アッラ・イタリアーナ』から、どうぞ。


イタリア料理のシンボル、マカロニやピッツァは、ストリートフードとして生まれた。
ストリートフードはニューヨークのホットドッグやイスタンブールのケバブ、パリのクレープなどだけではなく、世界中にある。

ニューヨーク

イスタンブール

パリ


仕事の休み時間に手軽に食べることができて素早く空腹を満たすことができる食べ物、レストランのような気取りもなく、値段も安い。しかも地元の食材を使った伝統の料理だ。
農業と食生活との関わりは、少なくとも25億年前に始まった。
ストリートフードとは、道路のような公共の場所で調理されて販売される、すぐに飲んだり食べたりできる食べ物だ。

18世紀末のフランス革命以降、貴族の家からお抱え料理人がいなくなり、パリのような都市ではレストランが誕生するまでの間、家庭の外での料理はストリートフードや市場の料理が利用されるようになった。
世界中どこでも同じものを出すファーストフードとは違い、スリートフードは地元の食材を使った伝統料理を出す。
さらに、ストリートフードは手づかみで食べる。この行為は子供時代の記憶を呼び覚ます。手づかみがマナー違反とされたのは、1558年に出版された平民向けの貴族のテーブルマナーの本『Galateo di Monsignor Giovanni della Casa』の影響だったと言われている。
古代や中世は、道端でものを食べることは庶民の間ではあたりまえのことだった。

フランス革命がストリートフードに関係していたとは、知らなかったですねー。
そして今や、ストリートフードはストリートまで行かなくても家まで届くようになりました。これはフランス革命に匹敵する革命だったのかも。

シチリアの貴族の暮らしを垣間みれる映画『山猫』

ナポリのストリートフードの映画と言えば、ソフィアローレンのピッツァ・フリッタ。

さて、パスタがストリートフードだと言われても、すぐには信じられないですよね。
そのせいか、本にはストリートフードが庶民の暮らしに根付いていたことを伺わせる絵画や写真がたくさん載っています。
みんな路上で手づかみで長~いパスタを食べています。

どうやらイタリアの食生活の歴史を知らないとパスタの歴史は語れないようです。

フランス革命の次にイタリアの食生活を大きく変えたのは、北ヨーロッパからやってきたゲルマン民族の大移動でした。

ゲルマン民族の侵略なら『グラディエーター』

ゲルマン民族によって、ビールの製法が伝わり、豚肉や豆を食べる習慣が根付き、城の周囲の農民の暮らしは、季節と市場が中心になり、修道院や貴族たちは美味しいワインを飲んで、平民には禁じられていたジビエを食べて、イタリアの地方の伝統料理には、教会の影響が色濃く現れるようになります。

伝染病や飢饉に度々見舞われた中世は、暗黒の時代でした。
町も田舎も苦しみました。
メディチ家が繁栄し、カテリーナ・デ・メディチがフランスに嫁ぎ、アメリカが発見されます。

大転換期の到来です。ヨーロッパに、カカオ、じゃがいも、とうもろこし、トマトが伝わりました。
スペインの支配下にあったナポリにトマトが伝わり、アラブの支配下にあったシチリアにパスタ・セッカが伝わります。

そして17世紀に、イタリア料理史上最も重要な革命が起こりました。
路上でピッツァを売るようになったのです。

イタリア料理の歴史をピッツァの前と後に分けた場合、ピッツァの前は、こんな暮らしでした。
これ以降、イタリア料理の歴史はナポリを中心に回ります。

今日はここまで。

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