南イタリアは硬質小麦とトマトが根付いたことで、ピッツァを生み出しました。
北イタリアでは米が育ちました。
リゾットがピッツァに匹敵する北イタリア生まれの素晴らしい料理だと言っても、ピンとこないかもしれませんね。
でも、南イタリアの地方料理の中にリゾットってあまりないですよね。
南イタリアの米料理は、スップリとかアランチーニのような肉と組み合わせたティンバッロの形に進化しました。
イタリアでは、米は水の中で生まれてワインの中で死ぬ、と言います。
つまり水田で育ってリゾットになる、ということです。
元々、米はとも高価な食材でした。北イタリアの伝統料理のリゾットを探してみると、トリュフ風味、バローロ風味、ゴルゴンゾーラ風味、カエル風味、オッソブーコを添えたミラノ風など、なかなかゴージャスなものばかりです。
リゾットは、米のデンプンを煮汁に溶け込ませながら煮る調理方法です(マンテカーレmantecare)。
パスタはアルデンテ、米はアッラ・オンダalla'onda(wet and wavy)に煮ます。
アッラ・オンダは、煮汁の水分が適度に残って、デンプンのとろみによって波のようになめらかでクリーミーな状態になったことを言います。
ブルーノ・バルビエーレシェフのアッラ・オンダにするマンテカーレ。
見てるだけで疲れます。
これもアッラ・オンダにするマンテカーレ。
笑ってるし。
南の米料理の一つ、
お米のティンバッロ
リゾットに合う米として知られるのはカルナローリですが、ヴェネトもヴィアローネ・ナノという品種の産地として知られ、地方料理にはリゾットがたくさんあります。
ヴェネチアで食べるなら、イカスミのスパゲッティではなく、イカ墨のリゾットを味わって欲しいものです。
さらに言うなら、ヴェネチアの名物リゾットは、グリーンピースのさやでブロードを取るリジ・エ・ビジ。
今まで、ミラノ風のリゾットを中心にリチェッタを見てきましたが、ここで
見方を変えて、ヴェネチアから見たリゾットの話を探してみます。
ヴェネチアの世界的レストランと言えば、ハリーズ・バー。
『ハリーズ・バー』のチェッタをすべてさらけ出したこの本にも、米にまつわる興味深い話がありました。
訳は次回に。
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クレアパッソの地方料理書リスト
クチーナ・プリエーゼ
『リグーリアの発酵生地』
『グイド・エ・グイド』
『トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ1』
『1001スペチャリタ』
クチーナ・レジョナーレシリーズのドルチェ・ディ・ピエモンテ
“グリバウドのグランデ・クチーナ・イタリアーナ”シリーズ
『クチーナ・ディ・ナポリ』
『ドルチ・ピエモンテージ』
『ロッショーリ』
『イジニオ・マッサーリ』
『ガンブリヌス』
『ハリーズ・バー』
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