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2021年7月6日火曜日

マルケ牛が放し飼いされている中央アペニン山脈の大麦と澄んだ水からは、上質なクラフトビールも作られている。

マルケ料理といえばブロデットで、マルケにも山があることなんてすっかり忘れていたましたが、今月の(CIR)P.25〜の「マルケの旅」の記事で、この国がマーレ・エ・モンティの国だってこと、思い出しました。
マルケにはアドリア海もあるけど、アペニン山脈もありました。
例えば、記事のマルケ牛の話に最初に登場する山は、周囲に家が1軒もない、ガッルッツォ山で、この山のある森のハズレでマルケ牛が放し飼いにされている、とあります。
ガッルッツォ山はこんな山↓


確かに、家は一軒もない。
白いマルケ牛が放牧されてる姿も、残念ながら見つからなかった。
↓

 中央アペニン山脈で半放し飼いされている牛、キアニーナの血を引くマルキジャーナ。
地元の農場が栽培している牛の餌がちらっと紹介されていましたが、大麦、グリーンピース、オーツ麦、ソラマメ、とうもろこし、硬質小麦などの穀物を与えているようです。
こんな山の上で栽培するのは大変だろうなあ、と想像できるのですが、それらを餌にしているマルケ牛は、それだけ貴重な牛なのでしょう。
牛だけでなく、これらの穀物からは、もう一つ、地元の経済に大いに役立つものが生み出されています。ヒントはこの地方の澄んだ水も欠かせない飲み物です。
それは何でしょう。
答えはクラフトビール。
大麦は、牛の餌だけじゃなく、ビールにも欠かせなかった。
ビールの町として売出し中のアペッキオ↓

ジンやクラフトビールの造り手、ジュゼッペ・コレシは山の上でビールを造る価値を見出した。テヌータ・コレシのwebページはこちら


次回は、中央アペニン山脈のヴィテッローネ・ディ・ビアンコの料理の話。


地方料理書のお勧めは、『イタリア・イン・クチーナ』


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2020年9月20日日曜日

ナポリのクラフトビール

   シチリアのサボテン地ビールの次はナポリのクラフトビールなんてどうでしょう。
去年ナポリの卵城で開かれたクラフトビール祭りのPV

ピッツァにはビールというのは、ナポリでビールがワインより安い、つまり一番安い飲み物だった時代に言われだしたことでしたね。
クラフトビールがまだ広まっていない時代の話。
かつては、イタリアのビールと言えば、昭和の香りが漂うナストロ・アズーロでした。
ナストロ・アズーロはペローニ社の世界で一番売れているイタリアビール。
それが現代になると、こんな風になるんですね。
ペローニが新しく売り出したのは、硬質小麦やモルトなど、カンパーニアの食材だけを使ってビッラ・ナポリが造る今どきのナポリビール↓

さらにピエモンテのクラフトビールメーカー、グランダを買収して造り出したのが、もっと今どきのシレーナ。

やっぱり昭和生まれはモレッティ。

それでは、ブオナ・ヴァカンツァ。

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2020年9月19日土曜日

アンチエイジング効果があるエトナ山のうちわさぼてんの実、フィーコディンディア。サボテンの地ビールまである。

エトナのザクロを取り上げたら、もう一つのアンチエイジング効果が期待できる食材、
フィーゴディンディアの話もしとかないと。
エトナ山の麓の西から南にかけて栽培されているウチワサボテンです。
サラセン人がシチリアに伝えて、痩せこけた土地でも、石が多くて太陽が照りつける土地でも、自然と根付き、無農薬で育ち、腎臓や肝臓の働きを助け、新地代謝をよくし、強い酸化防止効果があり、パレルモ大学の研究によると、毎日500gを15日間食べ続けたらストレスが大幅に減少したという、夢のような食べ物です。
赤いサングイーネ(はっきりした味で種が多い)、黄色いスルフィリーナ(もっとも数が多く、締まった実で風味が良い)、白いムスカレッダ(甘くてデリケートな味)の3色があります。
最初の旬は8月始めから11月始め。2回花がつきます。1個100~160g、糖度は13度以上。
皮も食べられます。

下ごしらえ。
水に約1時間さらして皮をむく。

太い棘だけでなく、目に見えない産毛も棘なので、素手で触りまくると後で手が1日中チクチクする。
種はシチリアの人は慣れてるから全部食べちゃうんだって、すごい数なのでスイカみたいに1個ずつ吹き出すのは無理。都会っ子用に解説しとくと、種の行く末の心配はご無用。
サボテンの皮は家畜の餌に。
サボテンの皮で育った豚肉なんて、アンチイジングが期待できそう。


サボテンから造ったシチリアの地ビールも登場。

造ったのはシチリアの古代小麦を使ったクラフトビールメーカー、イリアス。



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「総合解説」
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2020年7月2日木曜日

ナポリでピッツァにはビールという習慣が定着したのは一番安い飲み物だったから。

ピッツァにはワインじゃなくてビール、ということを知ったのは、始めてナポリのピッツェリアに行った時のこと。
そう、よりによって、ナポリでのことだったのです。
カメリエーレに飲み物は?と聞かれて、ワイ・・・と答えかけたら、一緒にいた日本人の旅仲間が慌てて、ビールでしょ、と否定したのです。
カメリエーレも冷笑しながらビール以外の選択肢はないよ、という風でした。
どうやら、観光客にありがな失言をしたようだというのはすぐにわかりましたが、まだおこちゃまでビールの苦さが苦手で食が細かった当時の私にとっては、
せっかくのピッツァにビールかあ、もったいないなあ。
という無念の思いと、何かやらかしたらしい、という恥ずかしさが強く印象に残った出来事でした。

結局この体験がトラウマになりました。
今でも、ビールよりワイン派ですが、さすがに、ナポリのピッツェリアでワインを頼んだ時の場違い感は、もうゴメンです。
それに近頃のイタリアのクラフトビールは、ビールの苦味問題をかなり解決してくれます。
だから、「総合解説」7/8月号の“ワインとピッツァ”の記事は、個人的に、ちょっと胸がスカッとなるような記事でした。
ワインメーカーのこちらのページによると、そもそも、ナポリでは1950年代、ファシスト政権の名残で、アルコール度8%以上の飲み物の提供が禁止されていました。
でも、高度成長期に入ると庶民の消費額が増えてピッツァにビールを合わせる習慣が生まれます。
イタリア人の36%はピッツァにビールを組み合わせるようになり、ワインはわずか8%、16%はソフトドリンクでした。

さらにこちらのブログによると、ビールはボトルワインより高価だったので、庶民の食事の場、ピッツェリアではビールのほうが人気があったのでした。

どうやらピッツァにはビールというのも、ナポリ人の食にはやたらこだわってるけど、縁起をかついで伝統を変えたがらない、という深層心理が影響しているのかも。

下の動画では、ピッツァにはビールというのはイタリア人が考えたことで、誕生は第2次大戦直後。この組み合わせが定着したのはビールが一番安いのみものだったから、と言っています。
さらに、ビールを飲むとお腹が張るのは注ぎ方が悪いせい。

はるか昔の私のトラウマが、薄まっていきま~す。

では、どんなワインが合うのか。
これ次回のお題です。


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「総合解説」
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2019年8月30日金曜日

ビールに息子の名前をつけて息子のお披露目もしちゃったテオ・ムッソさん。しかもそのビールが最優秀賞受賞て。

さて、今月の「総合解説」には久しぶりにワインの記事があります。
“グリリアータに合うワインとビール”です。
グリリアータと言えば、バカンスのシンボル料理。
7/8月号には欠かせないテーマです。
まずは魚のグリリアータに合うワインとビール。
元イタリアソムリエ協会長、ジュゼッペ・ヴァッカリーニ氏のお薦めです。

■カヴァッロットのピンネルPinner。
カヴァッロットはバローロで創業したカンティーナ。
Pinnerはピノ・ネロの白のこと。
組織がある締まったワインでトロピカルフルーツの強い香り。
アペリティーヴォにもなります。

カヴァッロット


■ザッカニーニ・トレッビアーノ・ダブルツォ“カザウラKasaura”

ザッカニーニは世界的に知られるアブルッツォの白ワインの造り手。
カザウラはデリケートな香りが特徴のシンプルな白ワイン。
ビンテージの翌年までに飲むタイプ。

ザッカニーニ


■ティーン・スピリット・ゴールデン・エール/レトルト
次はクラフトビール。
2011年に3兄弟が始めたエミリア・ロマーニャのレトルトという造り手の、ティーン・スピリットという上面発酵で比較的低アルコール度のビールです。

ビッリフィーチョ・レトルト

次のテーマは野菜とチーズのグリリアータに合うワインとビール。

■ファレルノ・デル・マッシコ・ビアンコ2016/カンティーネ・モイオ
まずはカンパーニアのワイン、カンティーネ・モイオのファレルノ・デル・マッシコ・ビアンコ2016。
古代ローマ時代から有名な白ワイン。
ファランギーナがベースのソフトでトロピカルフルーツや蜂蜜、白い花の香りの瓶内で軽く熟成させるワイン。
このワインを有名にしたのは造り手、モイオ家の功績、とヴァッカリーニ氏は言っています。
モイオのファランギーナ

■"イザック"/バラディン
ビールのお薦めは、バラディンのイザック。
テオ・ムッソの息子の名前をつけたビール。

パパの後ろでソワソワしながら本を読んでいるのがイザック。

ビールは若者向けが最近のトレンドだったよう。


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“グリリアータに合うワインとビール”の記事の日本語訳は「総合解説」2017年7/8月号に載っています。
クレアパッソの販売書籍リスト
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2019年1月16日水曜日

イタリアのビール~中部、南部

今日も「総合解説」2016年8月号を見ながらどうぞ。
まずはウンブリアでいちばん有名な造り手、ビッリフィーチョ・サン・ビアージョのモナスタ。
www.birrasanbiagio.com

ウンブリアで最初のクラフトビールで、修道院の製法を取り入れて作られたビール。




作っているのはハイネケンで20年働いていた彼。
 ↓


いかにも高級そうなビール。
ダブルモルトで瓶内発酵。
価格は75clのボトルが€11.50。
ちなみにフォルストのビールは33clが3本パックで€3。
妥協はしないで作っています。

次はアブルッツォはペスカーラのビール。
ペスカーラ名物のコンフェッティ用にアーモンドを加工していた建物で作られているビールなので、その名もアルモンド。
www.birraalmond.com




次はバジリカータのビールですが、ラベルには、例の昭和な口ひげのおじさんが。
モレッティです。本社はミラノ。
www.birramoretti.it

提供はハイネケン・イタリア。
いつの間にか多国籍企業になっていたんですね。
しかも、いち早く地ビールに着目して、モレッティおじさんをカラーレンジャー化。
カラブリア(ルカーナ、青)は地元産モルトを使用。





最後はサルデーニャのバーレイ。
www.barley.it

BB7はモスカートぶどうのモストを加えた革新的なビール。



バーレイは、注目の革新派。
バーレイのビールが飲める、というだけでレストランの宣伝になるほど注目されています。

今日もたっぷり飲んだ気分。

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“ワインと対等のビール”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年8月号に載っています。
「書籍リスト」
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2019年1月14日月曜日

イタリアのビール~北イタリア

ビールの話、続きます。
今月の「総合解説」で紹介したイタリア各地のビールから、動画をいくつか。

まずはアルト・アディジェのフォルスト。
www.forst.it






雪の中で震えながらビール飲むのも、おつでんなあ。

次はヴェネトのテレジアネル。
www.theresianer.com



歴史を感じさせる造り手ですね。
会社の現住所はヴェネトですが、マリア・テレジアを連想させる社名からも、フリウリ=ヴェネチア・ジューリアのトリエステとのつながりが強そう。
実際、トリエステがオーストリア・ハンガリー帝国の一部だった1766年に創業した、町で最初のビッレリアだったのでした。
いわゆるウィーン派のビールです。

次はエミリア・ロマーニャのラ・マータ。
www.birrificiolamata.it
イタリアで最初にホップの栽培を始めた農家の1軒が経営しています。



ビールはラベルが可愛い系。

北イタリアの3社を紹介しました。
職人技の伝統が独自の進化を見せるイタリアのビールは個性豊かで楽しいですねー。
全部飲んでみたくなります。

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“ワインと対等のビール”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年8月号に載っています。
「書籍リスト」
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2019年1月11日金曜日

ビールのサーブ方法

今日はイタリアビールの話。

ビールはワインと同じくらいこだわりが詰まった飲み物ですよね。
下の動画ではビール用グラスについて語っていますが、ずらっとグラスを並べて、それぞれの特徴を語る語る。
イタリアソムリエ協会の元会長のジュゼッペ・ヴァッカリーニさんが、『クチーナ・イタリアーナ』誌の連載記事で勧めた万人向けのビールグラスはすらりとした足のあるチューリップ型です。
下の動画にも登場しますよ。



次の動画の彼もヴァッカリーニさんと同じ結論に達したようです。
チューリップグラスでビールを飲むイタリアの人、多いんですね。



次は注ぎ方。



最後のステンレスの薄片を落とす実験は衝撃的ですが、これが胃袋の中で起きている現象なのだそうです。
つまりビールを正しく注がないと、お腹の中で泡がどんどん発生して胃袋が大変なことになってしまうわけですね。

泡の大切さを知ったら次は中級編



見てるだけでゲップが出そう。
でもビールの話面白そうなので次回に続きます。
「総合解説」を見ながらどうぞ。

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“ワインと対等のビール”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年8月号に載っています。
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2017年10月10日火曜日

イタリアの3大クラフトビール

先日、イタリアの知り合いから電話があって、
「日本グランプリのニュース見たからどうしてるかなあと思って電話した」とのこと。
「・・・すいません。何のことかわかりません」
車のレースがどうこういってるけど、そんなニュースになるほど大きなレース、何かあったっけ。
車好きの人ならすくにわかるんだろうけど、
北イタリアの年金暮らしのご隠居が、日本人なら知ってるに違いないと思って電話かけてくるレースって、何?
TVのニュースには一切出てなかった気がするけど、鈴鹿で行われた日本グランプリの話題で楽しく盛り上がろうとでも思ったのでしょうか、ご隠居。
結局どこが優勝したのかさえ知りません。
イタリア人と日本人の車に対する温度差、かなりあるなあとおもった出来事でした。

話は変わって、今日のお題は、ビールです。
ガンベロ・ロッソ誌に、「イタリアの主要クラフトビールメーカーは、バラディン、ビッリフィーチョ・イタリアーノ、ランブラーテの3社だ」
とありました。
バラディンのことは度々取り上げているの、今日は後者について。

ビッリフィーチョ・イタリアーノ
 ↓





ランブラーテ
 ↓






どちらもとても個性的。
とやかく言うより飲んでみたい。

どちらも創業が1996年。
この年はイタリアのクラフトビール元年。
この大ブームは20年の間に起きた事なんですね。
バラディンはこの年に醸造所から、造って販売もするブルーパブになっています。

記事ではイタリアで国産ホップを使ってビールを造ることの大変さが説明されていますが、その大変なことをやり遂げる人材や、メーカーと一緒にビール造りに取り組む農家がいたことが、イタリアビールの成功のポイントでした。

イタリアのビールは醸造者が脚光を浴びるクラフトビールbirra artigianaleから、農業と結びついた自然の産物、農業ビールbirragricolaへと進化して国際マーケットで生き残る道を探っています。



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“イタリア産原料のビール”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年5月号に載っています。
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2017年8月14日月曜日

モレッティ、バラディン

ビールの話の続きです。

イタリアのビールのCMでもどうぞ。

まずは代表的で身近な、昔からあるイタリアのビール、モレッティ。
イタリア各地の風味を再現したレジョナーレシリーズ。
フリウリからシチリアまで、色々あります。





アンジェロ・ポレッティ




最後はテオ・ムッソからあふれ出るアイデアの一つ、ビアホール。
ローマのオープン・バラディン。




ミラノ、ボローニャ、トリノにもあります。
ローマはカンポ・デ・フィオーリ地区のVia degli Specchi にあります。
料理の監修はなんとカット・ピッツァの王様、ガブリエレ・ボンチ。
最強のタッグですね。
web ページはこちら。


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“イタリアのクラフトビールの世界”の日本語訳は、「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2017年8月10日木曜日

イタリアのクラフトビール、ルリジア

今日のお題は、イタリアのクラフトビールです。

『クチーナ・イタリアーナ』によると、今や、イタリア女性の3人に一人は、外食の夕食ではビールを選ぶんだそうです。
イタリアのクラフトビールブームの勢いは、まったく衰えていないようです。
それにしても、なぜイタリアのクラフトビールはこんなにバリエーションが豊かなのでしょうか。
やはり、職人技を尊重する食文化があって、クリエイティブな力に溢れた職人が大勢いるからでしょうか。

イタリアのクラフトビールの種類は飛躍的に増えています。
『クチーナ・イタリアーナ』誌は、「新しい女性と新しいビールは似ている」と言っています。
その心は、どちらも自由だが、一方で敬虔で、タブーもたくさんあるからだそうです。
これもイタリアの食文化を言い表す名言ですねー。

ビール造りにはどんな発想も許されるけれど、その飲み方には、厳格な掟がある、それがイタリアのクラフトビール。

という訳で、ビールと料理の組み合わせにも、厳格な掟がありました。

プリーモ・ピアットを例に考えてみましょうか。

まず、パスタやリゾットとビールの組み合わせを考える時、重要なのはソース。

例えば、イカ墨にはヴァイツェンが合うそうです。
ラディッキオにはラガー、ミラネーゼにはバランスの取れたエールだそうです。

カルボナーラや、ペスト・ジェノヴェーゼに合うのは、エールのルリジア・スペチャーレやピルスのピルスナー・ウルケル。

ルリジア
 ↓



ルリジアはミネラルウオーターのメーカー。
ルリジア・スペチャーレはピエモンテの山の澄んだ水、イタリア産大麦を使っています。




ピルスナー・ウルケルはチェコのビール。
何を言ってるのか一言もわからないけどピルスナーは飲みたくなる。



おまけの動画
ルリジア・ノルマ―レを語るテオ・ムッソ。
イタリアのクラフトビールブームを作った天才は、ずいぶん美味しそうにビールを飲むんだなあ。




彼のXyauyù'シャオユーは傑作でビール造りの新しい波、世界的にも高く評価されているビールだそうです。
ビールというよりシャンパンみたい。





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“イタリアのクラフトビールの世界”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年3月号に載っています。
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2016年10月20日木曜日

イタリアのビール

今日はビールの話。

スローフードのイタリアビールのガイド本、『ビッレ・ディ・イタリア2015』の発売に寄せた、『クチーナ・エ・ヴィーニ』誌の記事を訳して「総合解説」にのせました。

それによると、今やイタリアのビールは世界的知名度を得て、新しい伝統となりつつあるそうです。
イタリアのビールの特徴は、個性豊かな土壌から生まれる、オリジナリティーや発想力に溢れた醸造。

イタリアのビールブームは熱狂的に沸き上がって、情熱に支えられて成長し、現在は醸造、流通の分野でも重要な産業になっているのだそうです。
外国からの需要の増大が生産増にも結び付きました。

特に、ここ数年の注目は南のビール。

ちょうどいい機会なので、2015年版で、カタツムリマークを与えられた、高評価の作り手を紹介しがてら、本の見方を説明します。

まず、
カタツムリマークは、地域や環境に配慮しながらイタリアのビールの品質向上に貢献するような上質ビールを造っているメーカーに与えられます。

例えば、有名なところでは、ピエモンテのバラディン。
評価は、ビッライオ(醸造者)、ビッリフィーチョ(醸造所)、ビールの総評、個別のビール評価
に分かれています。

「(ビッライオの)テオ・ムッソはイタリアの(あるいは世界の)ビールの歴史を造った」
と高評価。

「バラディンのビールのスタイルは、エレガントでバランスが取れ、料理と組み合わせやすい。
ホップの流行を過度に追うことはせず、上品だが、デリケートすぎることもない。
注目を集めにくい“普通の”ビールでも、バラディンのビールは、いわばビールのマイルストーンになっている」

バラディンのビールは12種類。
特に、スロウ(生産地や生産者の歴史を感じさせる)、クオティディアーナ(シンプルで飲みやすい)、グランデ(ぜひ飲んでほしい素晴らしい風味)の特徴があるビールには、各称号が付いています。
バラディンの場合は、ノラというビールがグランデ評価。
ビール名の横にある●は、ビールの色を表しています。
ノラは濃い琥珀色。
さらにその隣はアルコール度。
その隣のAのマークは上面(alta)発酵の意味。
さらに隣のRは再発酵という意味。

ノラを語るティオ・ムッソ氏。
 ↓


ガイドの評価は、

エキゾチック、熱く、魅力的。
エジプトの精油ミルラやしょうがの風味がモルトと完璧に調和。
モルトには貴重なカムット小麦を使用。
独特の風味が長く残る。

このガイドを片手にイタリアビールを飲むと、うんちくを語れそう。

プーリアのグランデ・ビールの作り手の一つ、B94。
 ↓



同じくプーリアの注目の醸造所、ビッラノーヴァ。
 ↓




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“ビッレ・ディ・イタリア”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年8月号に載っています。
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2016年4月18日月曜日

クラウスターラー

今日はビールの話。
今月の「総合解説」のビールは、イタリアのピッツァ業界が一目置ているノンアルコールビールです。
そういえば、先月紹介したビールはグルテンフリービールでした。
イタリアでは、ノンアルコールよりグルテンフリーのほうが関心が高いのですねー。

今月の記事で紹介しているのは、市場に最初のノンアルコールビールを登場させたドイツのメーカー、クラウスターラー。
日本ではクラウスターラーと読むんですね。
「総合解説」では、ドイツ語の発音からクラウストハラーとしています。
失礼しました。




クラウスターラーのテイスティング。




ノンアルコールビールでもいろいろ語れるもんですね。
ちなみに、下面発酵のラガーだそうです。

このビールのことはまったく知らなかったのですが、なんでも1978年に誕生した最初のノンアルコールビールで、それから40年間、クラウスターラーを超えるドイツビールは登場しなかっのだそうです。
ドイツ語圏では、ノンアルコールビールの代名詞なんだそうで。


さらにこのメーカーは、最初の無濾過のノンアルコールビールも作っています。
カスケードホップを使い、ホップフェンシュトプファー製法のタンク内発酵で作られたのだそうで、もう、何のこっちゃですね。

イタリアのピッツァ業界も、スペインのグルテンフリービールやら、ドイツのノンアルコールビールやらをそろえたりして、大変ですねー。


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“クラウスターラー”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年5月号に載っています。
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2016年3月7日月曜日

ダウラ・ダム

今日はビールの話題。

クラフトビールのブームは世界的な傾向のようですが、イタリアも、例外ではありません。
イタリアの料理関係の雑誌を見渡すと、ビールの情報に一番熱心な業界が、浮かび上がってきました。
それはピッツァ業界です。
そこで、専門誌『ピッツァ・エ・コーレ』のビールの連載記事の日本語訳を、「総合解説」に載せることにしました。

4月号のビールは、“ダム”です。
イタリア料理通にはあまりなじみがない名前じゃないでしょうか。
それもそのはず、スペインの主要ビールメーカーのビールです。
代表的なビールは、エストレージャ・ダム。

エストレージャ・ダムのPV。
 ↓


どうやらエル・ブジに料理修行に行った若者たちの青春のひと時をスタイリッシュに描いたもののよう。

こんな素敵な修業時代を過ごしちゃう人もいるんですねー。
誰ですか、遠い目をしてる人は?

とにかく、エストレージャ・ダムは世界的に人気のヒットビール。

で、今回取り上げるのは、ダウラ・ダム。

グルテンフリービールです。




イタリアでは、このダウラ・ダムがグルテンフリービールのマーケットリーダーだそうです。

グルテンフリー製品の欧米での注目度は日本の比ではないですねー。
3月号の「総合解説」で、グルテンフリーのパンのリチェッタを訳した時も、グルテンフリー製品のあまりの多さと普及ぶりに、ドン引きしたものです。

グルテンフリーの粉だけでなく、天然酵母までグルテンフリー。
立派なグルテンフリーパンが家庭でもできてしまいます。
イタリアはグルテンフリー先進国、ということを確信しました。

以前、アルト・アディジェのドクター・シェアーというメーカーが、ヨーロッパのグルテンフリーメーカーのリーダーだという話を書きましたが、次号、5月号の「総合解説」にはパンに関する興味深い記事があります。
『ガンベロ・ロッソ』の小麦粉特集なんですが、この記事を読むと、イタリアの小麦粉は特別だ、ということがよーくわかります。
このような研究熱心な体質の業界だからこそ、グルテンフリーの粉の研究も、ヨーロッパを引っ張るぐらいに先を行っているのでしょう。

それにしても、世界中で市場がズンズン拡大中のグルテンフリー製品。
日本は、今のところ、まったく蚊帳の外のようですが、それは需要がない、ということで、よいことととらえるべきですかね。


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“ダム”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年4月号に載っています。
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2014年12月1日月曜日

トマトソースのスパゲッティに合うワインとビール

今日はワインの話。
唐突ですが、トマトソースのスパゲッティに合うワインって、どんなのでしょう。

基本中の基本のような気もするけどあんまり考えたことなかったなあ。
そこで、ローマのホテル・ローマ・カヴァリエーリ(ちなみにシェフはハインツ・ベツク)のソムリエ、マルコ・レイタノ氏を含む、ガンベロ・ロッソの専門家たちの意見を聞いてみましょう。

1位に選ばれたのは、ポッジョ・レ・ヴォルピのフラスカーティ・スーペリオーレ・エポス2010。


カンティーナのhpはこちら。

カンティーナのPV

ワインのページはこちら。

フラスカーティで栽培された地元品種のぶどう、(マルヴァジーア・ディ・カンディア、マルヴァジーア・プンティーナ、トレッビアーノ)を使用した地ワイン。
ガンベロ・ロッソでは何度もトレ・ビッキエーリに選ばれていて、ガンベロ・ロッソお気に入りのフラスカーティのようです。
日本でも手に入りやすいワインのようなので、ぜひ、トマトソースのスパゲッティと組み合わせてみてください。

順位外ですが、相性のよいビールというのも選ばれています。
それは、ドゥカートのヴィア・エミーリア。



ちなみに、このビール、前回のブログで紹介した消費者のタイプ別お勧めビールで、ビール通でない人向きのビール(ウンチクは気にしないサッカーのお供用)に選ばれています。

ドゥカートのhpはこちら。

ビールのページはこちら。

最近のイタリアのソムリエは、ワイン以外の泡を勧めるようになってきたそうで、ヴィア・エミーリアは万人向けのイタリア産クラフトビールの代表格のようです。
下面発酵、ドイツのテットナンガー産ホップを使用した無濾過のケラーピルス。
2010、2012、2014年のワールド・ビア・カップ、ケラービア部門銀メダル。
イタリアで最高のピルスの一つという評価を獲得しています。
産地繋がりでパルマの生ハムにも合うそうですよ。

ヴィア・エミーリアのテイスティング動画


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“トマトソースのスパゲッティに合うワイン”と“ビールと消費者”の記事の日本語訳は、「総合解説」2012年7月号にのっています。

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2014年11月27日木曜日

モンテジョーコ

今日はビールの話。
なんでも、イタリアのビール業界は活況を呈しているようで、あらゆるタイプの消費者をターゲットにしたビールが次々と造り出されています。
そんなわけで、クチーナ・イタリアーナ誌は、ビールの消費者を4つのタイプに分類して、それぞれにお勧めのビールを紹介しています。

1.ビール通→一般的なビールにはあまり興味がない。
2.ビール通でない人→サッカーを観ながら喉の渇きを癒すためにビールを飲む
3.女性→アルコール度が低くワインより気軽に飲めるのでビールを飲む
4.セリアック病の人→グルテン過敏症などでビールが飲めない

あなたはどのタイプですか?

1の人は、傾向として、珍しい、小さな造り手、古い醸造方法、複雑な香り、特別なモストのスパイシーなビールを求めています。
 
ベルギーや北欧産が人気ですが、イタリア産なら、モンテジョーコのラ・ムンミアLa Mummiaがお勧め。
 ↓


ラベルに描かれている通り、ムンミアとはミイラのこと。
長期間寝かせていることの隠喩です。

ランビックスタイルのサワーエール。

バルベーラに使った数種類のバリックで3年寝かせてから瓶内で再発酵。
スプマンテのような泡、ワイン香、野の花の香り、デリケートな柑橘フルーツ風味、エレガントな酸味、最後にくる塩気。

テイスティング動画

モンテジョーコのhp

ピエモンテの造り手で、2005年創業。
地元のワイン用のバリックを使っているのが特徴。
イタリア産のサワーエールではナンバー1と言われていて、もうアメリカには輸出しています。

下の写真は同じくモンテジョーコのビール、デーモンハンター。
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アルコール度8.5%。
濃い琥珀色、イギリス産ホップを使ったアングロサクソン系ビール。
ドライいちじく、カラメル、ベリーの香り、強い味。

ベースとなるビールはルーナruna。
ベルギースタイルのペールエール。
こんなビール→写真

クラフトビールは色んな種類があって楽しいですねー。
今晩は地ビール飲むかなあ。



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“ビールと消費者”の記事の日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。

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