2022年10月25日火曜日

アマローネはキアンティに匹敵するけど知名度が低くてとんでもグルメ映画『ハンニバル』には採用されなかった(ホッ)。

まだ多少こんがらかっているので、ちょっと整理。
ヴァルポリチェッラはヴェローナ県にある地区の名前。
イタリア料理の百科事典『1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ
によると、ヴァルポリチェッラというのは
ラテン語でカンティーナ(ワインリー)がたくさんある谷という意味のvallis polis cellaeが語源。昔からワイン造りで知られた地方でした。
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラは、ヴァルポリチェッラと同じ品種のブドウから造る同じ地区の赤ワイン。
ぶどうは収穫後、1月までアッパッシメントappassimentoと呼ばれる水分を飛ばす作業を行う。
バルポリチェッラのアッパッシメント。

このワインを最高の料理と共に味わうなら、strada del vinoがお勧めだそうです(webページはこちら)。



『スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ』にはこんな話も載っていました。
『ハンニバル』という映画はグルメなサイコパスが主人公なので、出てくる料理やワインがやたら通好みなのです。人喰い殺人鬼の話はちょっと手が出ないのですが、イタリア貴族の末裔という設定で、さりげないセリフの一言が、美食家たちが思わず納得しちゃうセリフばかりでぞっとします。例えばwikiにアメリカ映画の名セリフ100選に選ばれている「そいつの肝臓をソラマメと一緒に食ってワインのつまみにした」という不気味なセリフが取り上げられているのですが、21位だったということは、ちょっと美味しいかも、なんて考えたグルメがかなりいたようです・・・。
実はハンニバルが飲んだワインは映画では知名度の高いキアンティになっていましたが、原作ではアマローネだったそうです。

アマローネは濃いルビーレッド色、滑らかでボディーのある味、完熟した果実のアロマ、アマレーナジャムやラズベリージャムのアロマが感じられる。
タールの香りということもあるが、これはタールのような熱さや強さを感じるというポジティブな比喩。
料理は、ジビエ、ロースト、ブラザート、煮込み、熟成チーズなどと相性が良い。

今月の(CIR)のヴァルポリチェッラの記事には(P.37~)ヴァルポリチェッラに合う料理のリチェッタとお勧めのワインも載っています。
最初の料理は“ラディッキオ・ロッソ”とモンテ・ヴェロネーゼのリゾット。
モンテ・ヴェロネーゼはイタリアが誇る山のチーズです。この地方に食べ歩きに行くなら、チェックしておかないと。
モンテ・ヴェロネーゼ・ディ・マルガ↓

アマローネとモンテ・ヴェロネーゼのリゾット。


(CIR)でモンテ・ヴェロネーゼのリゾットに合わせたのはサルトリのマラー二Marani。
ガルガネガを軽く(40日間)アッパッシメントした蜂蜜の香りの白ワイン。クリーミーなチーズとほろ苦いラディッキオ・ロッソや冬野菜、きのこ、内臓料理、トリュフ、甲殻類によく合うそうです。

ヴァルポリチェッラ・リパッソ・レゴロは18~24か月樽で寝かせ、さらに6か月ボトルで寝かせたジビエに合うコクのある赤ワイン。軽い脂がある料理に合い、料理の脂を流す。なめらかなチェリーの香りがあるワイン。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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