ミラノのパン屋のピッツェッテがなぜあんなに美味しかったのか、その秘密はトマトソースではないかと密かに思っているのですが、ナポリのトマトソースは、ナポリのピッツァだけでなく、イタリア料理の神髄の一つです。
ナポリのトマトソースは生が手に入る夏の時期のトマトソースと、干しトマトや缶詰のトマトを使う冬の時期のトマトソースがあります。
トマトには、煮汁にとろみをつけてつなぐ効果があります。チーズや卵にも同様の効果があります。
例えば、さらさらの野菜スープも、トマトが入ればこくのある美味しいソースになって、パスタにかけることもできます。シンプルで質素な、農民が手に入るものを使って手早く作った料理から生まれたソースです。
さらに、トマト畑があるナポリの郊外ではなく、大都市のナポリで生まれたトマトソースが、スカルパリエッロscarparielloです。
正確にはナポリの靴屋が多い一角として知られるスペイン人街で、職人のためにすぐ出来て手頃な値段で美味しいトマトソースとして生まれて人気になったソースです。ルーツは家庭の残り物で作る煮込み料理のラグー。
スカルパピエッロのパスタ。
材料/4人分
スパゲッティ・・320g
ミラトマト(ダッテリー二)・・500g
ペコリーノ・ロマーノ(ブロック)・・30g
パルミジャーノ(ブロック)・・30g
バジリコ・・1房
生唐辛子・・1/2本
EVオリーブオイル・・70g
にんにく・・1かけ、塩
・ダッテリー二は最近ではスカルパリエッロによく使われるミニトマト。楕円形でミニトマトの中では大型。ダッテリー二を半分に切る。
・チーズをおろす。チーズは靴屋に代金の代わりにチーズで支払う人が多かったので靴屋にはたっぷりあったと言われている。
・パスタをゆでる。
・にんにくと唐辛子を油でソッフリットにし、ミニトマトを加えてパスタをゆでている間炒める。トマトが柔らかくなったら塩をしてにんにくを取り除き、ちぎったバジリコとでんぷんが溶け出たパスタのゆで汁少々(量産型のパスタだとでんぷんが溶け出ない。アルティジャナーレの低温乾燥のパスタだとでんぷんが溶け出る)を加えて混ぜる。さらにパスタを加える。さらにチーズを加え、必要ならゆで汁少々とちぎったバジリコも加えてあえる。
トマトソースの基本が詰まったソースです。
ただし、トマトについてはナポリのピッツァイオーロが説明する下の動画をどうぞ。
やっぱりサン・マルツァーノの話抜きにはトマトは語れません。
スペイン地区は、ナポリ初心者の観光客にはおっかな過ぎて腰が引けるけど、とにかく美味しそう。
トマトソースの話、次回に続きます。
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