イタリア各地を旅行して、そのオリーブとオイルの美味しさにびっくりしたのはプーリアでした。
線路の両側に広がる広大なオリーブ畑も印象的でしたが、郊外の町で何気なく入ったレストランの料理に使われているオリーブオイルの美味しさにもびっくりし、翌日のお肌のしっとり具合や体調の良さには心底びっくりして、あっ言う間にプーリアオイルの大ファンになりました。
イタリアでは各地でオリーブオイルが作られていますが、ここまで強烈なインパクトを受けたのは初めてです。
オリーブのクンツァータにも興味を持ったので、シチリアのオリーブについて、ちょっと調べてみました。手軽さでは他に類を見ない地方料理書の秀作、グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナの『シチリア』には、こんなふうに書いてありました。
シチリアのエクストラバージンオイルは香り高く、フルーティーだ。年々品種改良が進み、最近は非常に高いレベルになっている。昔は、ボディーが強すぎて荒いと言われたが、6種類あるDOPオイルはエレガントでなめらかで甘く、草の風味や辛味がある。アーモンドやトマト、アーティチョークの風味も感じられる。
オリーブはシチリア中で栽培されていて、栽培地の環境によって風味が違う。オリーブの大部分は土着品種だ。
代表的なのはトマトの風味のオイルができるノチェッラーラ・デル・ベリチェNocellara del Belice、
生食用にも適したオリーブで、大粒で肉厚、オリーブの実としてもDOP製品。
トラーパニ県のベリチェ渓谷で栽培されています。
収穫されたオリーブは、イン・サラモイア(塩水漬け)酢漬け、スキアッチャーテ・エ・コンディーテ、イン・フォルナーテin fornate(オーブン焼き)と、様々に下ごしらえされて各種の伝統料理に使われます。
シチリアだけでなく、イタリアのオリーブオイルの評価は昔と今ではだいぶ違うのですね。
それにしてもトマトの風味があって生食、オイル用、どちらにもなるオリーブ、ノチェッラーラ・デル・ベリチェとは、どんなオリーブでしょう。
羊の放牧で有名らしく、こんな動画がたくさんあります。
ということはもちろんペコリーノの産地。
ベリチェのペコリーノはヴァステッダという名前。
羊は土着品種で、全て放牧。
1日放牧して、ベリチェ渓谷の草をたっぷり食べたら羊のミルクにレンネットを加えて固め、崩してホエーを出します。これをかごに詰めてむ24時間~48時間固めます。
これをスライスして湯を加え、フィラトゥーラの作業をします。さらに塩をまぶして皿に入れて乾燥させます。
ベリチェ渓谷の草の香りが特徴のパスタ・フィラータのチーズだったんですね。
これはどんな料理になるか楽しみ。
次週に続ききます。
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