今日は、レッコのフォカッチャ focaccia di Recco の話。
『サーレ&ペペ』の記事の解説です。
レッコのフォカッチャは薄~いチーズフォカッチャ, photo by Paolo Costa
チーズは“とろ~り”よりもっと溶けている, photo by Paolo Costa
レッコはジェノバの東にあるリグーリアの町。
レッコ
ロンバルディアにもレッコという町がありますが、ロンバルディアのほうはLeccoで、リグーリアのレッコはRecco。
リヴィエラ・ディ・レヴァンテ地方の、海辺の美しい町です。
レッコ, photo by Massimo Bottelli
レッコのフォカッチャは、この町一番の名物。
観光客も、レッコに行ってレッコのフォカッチャを食べない人はいない!
Panificio Moltedo(2/4 Via XX Settembre)やPanificio Tossini(www.tossini.it)あたりが有名。
材料は、小麦粉、フレッシュチーズ、オリーブオイルととてもシンプルですが、作るには、経験が必要。
この人の場合、チーズは牛乳に浸したクレシェンツァを使っていますね。
伝統的には、プレッシンソア、またはクアッリアータと呼ばれるものを使います。
これの作り方は、まず、牛乳2リットルを48時間休ませます。
このうち500ccを40~50度に熱し、レンネット5gを加えてよく溶かします。
これを残りの牛乳に加えて4時間置けば、できあがり。
チーズと違って、かなり手軽にできます。
レッコのフォカッチャにはこんな言い伝えがあります。
その昔、レッコは海からサラセン人の襲撃を受けました。
人々は慌てて内陸に逃げました。
持ってきた食料は、小麦粉、油、塩だけ。
これらの材料に、山の山羊の乳から作ったチーズを加えて作ったのが、レッコのフォカッチャの始まりでした・・・。
牛乳を固めただけのチーズと小麦粉の生地の、シンプルで素朴なこのフォカッチャ、その時からずっと同じリチェッタで作られているそうです。
-------------------------------------------------------
関連誌;『サーレ&ペペ』2006年7月号(クレアパッソで販売中)
“レッコのフォカッチャ”のリチェッタは、「総合解説」'06&'07年7月号、P.12に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
==============================================
2008年7月31日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
南チロルはドイツと南イタリアが融合した面白い地方。ワインの収穫後の新ワインを味わう時は、ご近所みんなでパーティー!
今日のお題は、アルト・アディジェの料理です。 イタリア最北の州、アルト・アディジェ、別名南チロルsud tirolは、海だけじゃなく、山もあるイタリア料理を象徴する地方。最近では、アルプスへの注目度も上がっています。 南チロルのトルゲレンの祭り。 下の動画のタイトルは、“ビギナー...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
軽い気持ちで手にとった本、『 スーゴとソース 』 ところが、考えれば考えるほど、わからなくなってきました。 スーゴって何?ソースって何? “スーゴ”は、イタリア料理の基本の言葉の一つ。 スーゴ・ディ・カルネsugo di carne、 スーゴ・ディ・ポ...
0 件のコメント:
コメントを投稿