シチリアは大きな島です。イタリア料理のベースをなす重要な島ですが、その食文化を見る時は、ちょっと広大過ぎて手に負えないので、小さなテーマごとに少しずつ見ていく方法がベターだと思います。そして最初に選んだのが“アーモンド”です。アーモンドの地と呼ばれるシチリアですが、アーモンドの樹が土着で生えていたわけではありません。外国に征服されたり、世界中からその地を狙われていたシチリア。アーモンドは、それらの国から伝わりました。その国は、ギリシャです。2500年以上前にギリシャ人によってアーモンドはシチリアに伝わり、島独特の気候と環境が合い、特に南西部では、シラクーザ、ノート、アーヴォラといった町の周囲の野原に広まりました。
シチリア西部は、かつてのギリシャやアラブが植民都市を造った地方です。
シチリアは文明の交差点とも呼ばれます。植物も世界各地からやってきました。
アラブからオレンジ、レモン、アメリカ大陸からはサボテン、ペルシャから糸杉、オーストラリアからユーカリ、ペルーからトマト、インドからはなす、南米のガイアナからは唐辛子、オリエントからはスパイスなどです。古代から定着していたのは、ぶどう、小麦、オリーブぐらい。見事に日本ではメジャーにならなかったものばかりですねー。
海に面してたつギリシャの神殿、ジャスミンの花の香り、バロック彫刻で飾られた館、甘酸っぱい味付けの料理、クスクス・・・。シチリア西部の南海岸は、異国の名残が感じられる場所。
マザーラ・デル・ヴァッロのカスバ(要塞で囲まれたアラブ人街)
マザーラ・デル・ヴァッロ。
旧市街と港。
教会と旧市街中央。マザーラ・デル・ヴァッロのドゥオモはノルマン風、アラブ風、ルネサンス、バロック様式が混ざり合った姿をしている。サン・ミケーレ協会は修道女たちが作るビスコッティやマジパンのフルーツが有名。大きな港町があるので、魚料理がおいしい。
地元料理の店。ラ・ベットラ。
アーモンドに話を戻すと、アーヴォラではピッツ―タPizzuta、フィッショネッラFiscionella、ロマーナRomanaという国際市場で高く評価されている3品種のアーモンドが誕生した。
アーヴォラのアーモンド。
どれも、世界中の最高のパティシエやシェフが使用しているアーモンド。
アーヴォラのアーモンドの一種、ピッツ―タ。アーモンドの女王だって。先端がとがった形をしているのが名前の由来。
アーヴォラのアーモンドは外国産のアーモンドと違って灌漑を行わずに栽培される。殻は胞子を通さないので殺虫剤もほとんど使用しない。さらに手で収穫して天日で乾かす。これらの手間をかけるので食品として本物で、利点を最大に引き出すことに成功している。アーヴォラのアーモンドは植物油、繊維、酸化防止効果が高く、肥満、高血圧、高血糖の改善に効果がある。アーモンドミルクは適度にカルシウムや鉄分、リン、マグネシウム、カリウムを含むので、牛乳や豆乳の代わりになる。
シチリアではドルチェにアーモンドを使うことが伝統になりました。次回はその話。
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