2025年6月6日金曜日

山の暮らしに欠かせない家畜、牛。バターやチーズは現金収入になった。スイスからは牛だけでなく、パティシエもやってきた。

イタリア料理の2つの柱、地中海料理とアルプスの料理。山の料理の特徴は、気候と物流が困難という厳しい環境で、手に入るわずかな材料で作る人間と自然の結びつきを象徴する料理。
ピッツォッケリの話をする前に、そばやライ麦など、山の料理に欠かせない食材の話をしました。
そもそも、太陽と野菜などの栽培に適した豊かな土壌に恵まれた地中海地方と、正反対の高山地方。イタリアの北と南には大きな違いがあります。山の生活には、南とはまったく違う食生活がベースにあることが大前提。
山の暮らしに欠かせない家畜は牛です。山の民は大部分が牛を飼育して暮らしていました。まれに山羊も飼いました。牛のミルクからはバターやチーズ、リコッタを作りました。肉用ではなく、チーズを売って現金収入を得ました。牛肉は山の料理には登場しませんでした。雌牛や雌鶏が病気や老いて死んだ時だけ、食卓に登場しました。豚を飼育できるのは裕福な家庭だけで、しかも1年に1頭でした。貴重な動物性タンパク質はラルドとラードからとりました。
山の食文化は山脈でつながっています。酪農業はスイスの影響を受けています。

スイスから伝わった品種、ブルーノ・アルピーナ種。

ブルーナ・アルピーナのミルクから作るチーズ、バゴッス。

スイスからは牛だけでなくパティシエもやってきました。彼らはまずベネチアに移り住み、そこからイタリア各地に散らばってジェラートなどを広めました。
16世紀のベルガモの羊飼いはレンネットの使用方法をスイス西部の羊飼いから学んで高山地域全体に広め、それにより、ヴァッレ・ダオスタのフォンティーナが生まれました。

ヴァッレ・ダオスタのフォンティーナ


山のライフスタイルは、古い山の伝統と自然が結びついたサステナブルな食生活で、山の地元の生産者が作る産物を使い、温室の野菜や柑橘果実、オリーブオイルはない。
それではピッツォッケリの話に戻ります。テーマはピッツォッケリのバリエーション。

ヴァルテッリ―ナ風ピッツォッケリ。

日本語のリチェッタは(CIR2月号)P.14にありますが、上の動画では
材料/
そば粉・・250g
キャベツ・・200g
じゃがいも・・240g
カゼーラチーズ・・180g
グラナ・・40g
バター・・80g
にんにく、塩

・じゃがいもを角切りにして塩ゆでする。
・キャベツは硬い葉脈を取り除いて薄く切る。
・これらとピッツォッケリを熱湯でゆでる。
・水気を切って取り出し、皮を取って薄く切ったチーズを加える。おろしたグラナを散らす。
・バターとにんにくを熱してかける。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。イタリアの地方料理の本としては最高の雑誌です。
(CIR)は2冊の雑誌を毎月日本語に翻訳している力作です。イタリア発の地方料理の情報は、昔の有名書籍が売り切れて入手困難になっている昨今ではとても貴重です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

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