(CIR2月号)のリチェッタから、今日の記事は“ピッツォッケリ”です。
日本語訳はP.14。
ヴァルテッリ―ナ名物のそば粉のタリアテッレ。
ヴァルテッリ―ナ
ヴァルは渓谷のこと。
山の生活は渓谷単位。食文化も山脈でつながっていました。
高山地方は山脈でつながり、それと同時に山脈で分断されていました。
高山地方は厳しい気候と痩せた土壌、物流が困難。そんな地域ではわずかな材料で作る本質的で個性的な人間と自然の結びつきを象徴する料理が生まれました。
イタリア料理の半分は地中海料理がベースですが、後の半分は高山地帯。
イタリアの高山地方の料理を知ることは、イタリア料理を知ることにもつながります。
山の料理と言えばポレンタ。でも、とうもろこしが渓谷に届いたのは18世紀半ばのこと。18世紀にはじゃがいもも登場します。寒さに強く、長期間保存できて山の土壌に適応したじゃがいもは、もっとも栽培量の多い野菜として広まりました。高地で一番普及している穀物はライムギ。そばが日本に広まった経緯などは全然知りませんが、縄文時代からあったようですね。でも、別に日本独自のものではありません。
イタリアでは、ソバの歴史はアラブと、というか、十字軍と結びついていると考えられています。イタリア語でそばは“サラセンの麦grano saraceno”と言います。サラセンとはアラブ人のこと。
イタリアのそば。
十字軍がソバを伝える一方、南米原産のとうもろこしはスペイン人の地主が広めました。寒さに強い品種が開発されると北にも広まりますが、北の一般的な食事は大麦のミネストラとライ麦のパンでした。
トレントの大麦のミネストラMinestra d'orzo trentina
材料/4人分
大麦・・160g
スペック・・100g
玉ねぎ・・1個
ブロード・ディ・カルネ・・1ℓ
バター・・40g
にんじん・・1本
セロリ・・1/2本
じゃがいも・・1個
シブレット
タイム・・2枝
塩、こしょう
・玉ねぎをみじん切りにしてバターでしんなり炒める。
・小角切りにしたスペック(脂身)を加えて炒める。
・にんじんとセロリをみじん切りにして鍋に入れ、しんなり炒める。
・タイムの小枝を加える。
・刻んだじゃがいもを加えてなじませ、大麦を加えて炒める。
・ブロードをかけて10分煮る。
・拍子木に切ったスペック(赤身)を加えて30分煮る。
・皿に注ぎ、シブレットのみじん切りを散らす。
大麦は小麦の代用品。小麦より厳しい環境でも育つ。
次はライムギパンの話。
その背後には壮絶な山の暮らしがありました。
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