フォカッチャに最適な粉を紹介するのも、やたら専門的です。
フォカッチャ以外にも、イタリアの小麦粉を理解する時には欠かせないことなので、訳してみます。
こんな感じ・・・。
小麦粉の強さを理解する唯一のシステムは、Wというシンボルで表される。
Wとはタンパク質の含有量を表している。
タンパク質の含有量が10%以下(W130~170)は、一般的な弱い小麦粉。
ビスコッティやケーキに適している。
11、12%(W170~240)は中程度の強さ。
13%(W240~350)は強い小麦粉。
14、15%はとても強い小麦粉(Wは350以上)。
またはスペチャーレ。
オーソドックスなパネットーネのような長時間発酵させて作る生地に適している。
よくある誤解は、Wで表示される強さを、精錬具合やふすまの含有量の割合と勘違いすることだが、これらは00や0、1、2という番号で表される。
2は全粒粉で、00番はふくまをほぼ含まない真っ白な粉だ。
つまりイタリアではタンパク質の含有量で粉を、薄力、中力、強力、最強力に分類し、ふすまの含有量で00~2に分類するのですね。
この本のリチェッタでは、小麦粉はすべてWか00番などの表記がついています。
タンパク質やふすまの量をすばり指定しているので、理系の人にはスッキリするのでは。
さて、使う粉が決まったところで、本は、最も重要なのはこねる作業だ、と続きます。
この作業こそが、発酵生地特有のあの香りと香ばしさを生み出す。
小麦粉の不溶性タンパク質がグルテンの網目を作り出し、空気を含んで酵母の働きが活性化する。
完璧な堅さ、つまりなめらかで弾力のある生地になると手や台からから簡単に剥がれるようになる。
強さが同じでも小麦粉はいつも同じではなく、水は徐々に加える必要がある。
5%は残しておいて、生地の状態を見て加えるようにする。
こねる時間と温度も重要だ。
こねすぎると繊維質になり、温度が高くなる。
こねが足りないと温度は低くなる。
こね終わりの生地の温度は二次発酵のために重要だ。
25~26℃程度が適切。・・・
さらに発酵の方法の説明があり、手でのこね方の説明があって、ようやく、ビーガ(発酵種)を使ったフォカッチャ・ジェノヴェーゼのリチェッタが始まります。
フォカッチャ・ジェノヴェーゼをカフェラッテに浸して食べる朝食の美味しさがすんなり理解できるのは、つまり塩味の食べ物を甘い飲み物に浸す美味しさがわかるのは、リグーリア人だけだろうと、冒頭から、かなり排他的。
これがジェノヴァ人の朝食。
フォカッチャの塩とオイルとミルクの脂肪の関係を真剣に解説しています。
ジェノヴァにいるみなさん、ぜひトライして、感想を教えください。
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