2024年1月20日土曜日

ギリシャからベネチア経由で広まった、クロアチアのワイン。マルバジーアはその代表的なぶどう品種。

今月のワインは“カルソCarso”です。
イタリアとスロベニアの国境地帯、トリエステのワイン。ぶどうは、マルヴァジア・イスタリカ種。イスタリカは、クロアチア、スロベニア、イタリア領のイストリア半島にちなんだ名前。

下の動画のタイトルはマルバジア・イスタリカ。何語かも分からないけど、多分クロアチアのワインを紹介する動画。

マルバジーアと言えば、シチリアワインのイメージ。イタリアには19種類のマルバジーアがあるそうです。マルバジーアは歴史の古いぶどうで、ギリシャから各地に輸出されていました。カルソ地方でも、ベネチアという巨大な港から、マルバジーアは広まっていきました。クロアチアはギリシャワインがたどり着いた一大産地。

イタリアワインの話でクロアチアワインの話をする日が来るとは・・・。
クロアチアのべストワイナリー。

この地方とイタリアの接点はフリウリ、そしてトリエステ。

フリウリ料理のもっとも重要な1品は、フリーコ。玉ねぎとじゃがいものトルティーノ。
フリーコFrico(リチェッタはCIR10月号P.40)。玉ねぎやチーズたっぷり入るけど、肉は1㎜も入らない典型的な農民料理。ポレンタを載せるとピアット・ウニコになります。

フリーコ。

チーズはフリウリが誇るモンタジオのスタジョナートとフレスコ。熟成期間は2ヵ月~3年。モンタジオもワインも、長く寝かせると美味しくなる、と言われています。
モンタジオ。

お勧めのカルソワインはスカルクのテッラーノ。





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2024年1月19日金曜日

カルソ地方とは、秋吉台で知られるカルスト台地のこと。イタリアとスロベニアの国境地帯のカルスト台地は、ぶどうの栽培に適した地方だそうです。

今日はワインの話。のワインは“カルソcarso”です。
・・・カルソ?
正直、聞いたことないなあ。
記事の解説によると、イタリアとスロベニアの国境地帯に、カルストという地方があるそうです。この地方のことをカルスト台地と呼びます。なんでもスロベニアのクラス地方が語源とか。フリウリ=ベネチア・ジューリア州になります。
あ、これ知ってる。秋吉台だよね。八つ墓村の舞台になったところ。
映画の印象が強すぎて、カルスト台地=八つ墓村になってた。

カルスト台地。詳しくは(CIR10月号、P.40~)をご覧ください。

カルソ地方。石灰岩の台地。南東側が高く、南西側が低い。アドリア海に向かって急傾斜していて海洋性の気候の影響はあまり受けず、松がよく育ち、ベネチアに運ばれて街を支える杭として利用されました。
中央ヨーロッパの香りが強い地方ですね。中央ヨーロッパ、スラブ、地中海文化がミックスされた独特な地方。一人旅すると映画のヒロインにでもなったような気分になるドラマチックでエキゾチックな地方。

カルソのワインはミネラル分が豊富、カルソ地方はぶどう栽培に適した地方。

この地方の大都市はトリエステ。カフェ文化もある。

トリエステはイリ―コーヒーの街。

カルソ地方のワイン、料理、産物。

あまり取り上げることがないフリウリの食文化、ましてワインの話となると、10年に一度ぐらいしかないかも。貴重な機会です。
そもそも、フリウリ料理って知ってる?


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2024年1月18日木曜日

カセンティーノのスコッティッリアは陸のカッチュッコとか農民版カッチュッコとか言う家禽肉全部入りの豪華な煮込みだったが、猪が増えすぎた地方では、スコッティッリアは猪肉だけで作る。

今日の料理は“スコッティリアscottiglia”です。
昨日からこの料理の話をしようと思っていたのですが、なぜか昨日は大脱線してカッチュッコ
の話に突入してしまいました。
それというのも、スコッティリアは、「陸のカッチュッコとか、カッチュッコの農民版とか呼ばれている」という短い説明が、あまりにもよくこの料理を言い当てていたので、まずはカッチュッコの説明から入ったら、面白くなっちゃったのでした。

でも、カッチュッコが売れ残った魚で作る料理なら、これは、手に入る手ごろな値段の肉の煮込み。手に入る肉をなんでも煮込む、残り物を有効利用した料理。
(CIR10月号P.37)の説明にもある通り、スコッティリアはトスカーナの得意分野、農民風ズッパの一種です。農民風ズッパと言えば、豆と野菜が主役と考えますが、この料理の主役は違います。その理由は発祥地。マレンマ地方やアレッツォ県のカセンティーノが発祥地と言われています。

基本的には、農村で飼われていた各種の家禽の白肉の煮込み。鴨、鶏、七面鳥、ホロホロ鳥、豚、うさぎ、子牛肉など最低4種類。地方によっては子羊や子山羊と、都会の人間からすると、超絶豪華な、どこぞのご領主さま向けの料理。というのも、発祥地と考えられているグロッセ―ト地方の平野は、移牧のルートの途中にあったので、子羊肉や山羊肉が手に入ったのでした。
さらに現在では、この地方に増えすぎた猪肉の煮込み料理にもなっています。1種類の肉だけを使ったものもあります。
農民料理には絶対的なリチェッタというものがなく、作り手の状況次第で、主役が柔軟に変わります。

カセンティーノ。

アレッツォ、シエナ、グロッセ―トを通る移牧。羊飼いちゅーよりカウボーイの雰囲気。


各種の家禽肉を使うバージョンのスコッティリア。

猪肉のスコッティッリア。

煮込みは硬い肉を美味しく食べる方法。とにかくのんびりとじっくり煮る。

子羊肉のスコッティッリア。

マレンマ地方のスコッティッリアがスペチャリタの店、その名もスコッティッリア。

スコッティッリアなんて正直言って聞いたことなかったけど、動画はたくさんあってちょっとびっくり。

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2024年1月17日水曜日

カッチュッコcacciuccoのありがちな間違いはCが4つ、つまりcaciuccoになっちゃうこと。リヴォルノ人気質が現れたまじめで率直で妥協しない料理。

今日の料理はトスカーナの“スコッティリアScottiglia”です。
(CIR10月号.P.37)のこの記事の冒頭にある通り、「陸のカチュッコ」と言われる料理です。
カッチュッコcacciuccoは、トスカーナの漁師町、リヴォルノ名物のズッパ・ディ・ペッシェ。
リヴォルノはメディチ家の元で栄えた活気のある港町で、漁港にはトルコ、シチリア、アドリア海沿岸など地中海の各地から漁師たちがやってきました。
魚は市場で売りましたが、売れ残った魚や骨が多い魚、安い魚は漁師たちのものになりました。
リヴォルノLivorno。

リヴォルノの魚市場。

ティレニア海の北の端で漁をする小さな船団の船の上で作りだされた味の強い漁師料理が、カッチュッコです。最初は船の上で作っていましたが、やがて家庭で漁師でなく女性が作るようになりす。魚が少ない時は、トスカーナのズッパには欠かせないあぶってにんにくをたっぷりこすり付けたパーネ・ショッコを加えます。
やがて隣のヴィアレッジョにも広まります。リヴォルノは岩場の魚、ヴィァレッジョは砂場の魚を使うと言われ、さらにタコ、イカ、シャコ、ムール貝などの甲殻類入りでデリケートでマイルドな味。そのため、リヴォルノ風カッチュッコはリヴォルノ人気質と似ていて、まじめで率直で妥協せず、トマトも骨もたっぷり入れる、と言われています。料理に加えるワインは白ではなく、地元の強い赤ワイン。
カッチュッコ。


カッチュッコはcacciuccoはCが5つもある料理名が有名ですが、リヴォルノ市民はCの数にはこだわりがあるそうです。で、一番よくある間違いは、Cを4つにしてしまいうということ。caciuccoと発音するのはNG。ちなみに日本語だとC5つだとカッチュッコですが、4つだとカチュッコになります。わかんないよねー。

リヴォルノのカッチュッコ祭りでヴィァレッジョのカッチュッコと対決。おばちゃんたちガチンコすぎてちょっとこわい・・。


カッチュッコの話は歴史の古い町の名物料理だけあって話題が尽きず、本題に入れなかったです。
本題はスコッティリアだからね。

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2024年1月16日火曜日

食食事の欧米化は日本人にとっては危険な響きだが、米には小麦とは違う利点がたくさんある。


リゾットのための米、カルナローリ・クラッシコ。
(CIR10月号)には、カルナローリ・クラッシコを使った3種のポルチーニのリゾットとラズベリーとマスのリゾットのリチェッタが載っていますが、
ミラノのリゾットはナポリのピッツァのようなものと考えている私にとって、リゾットと言えば、黄色いミラノ風リゾット。ミラノのトラットリアでオッソブーコをたのむと、リゾット・ミラネーゼが付け合わせとして添えられているので、お得感倍増です。
ちなみにこの料理のようにセコンド・ピアットとブリーモ・ピアットが一つになった料理は、ピアット・ウニコpiatto unicoと呼びます。
この料理が好きなのは私だけではないようで、イタリアで一番人気のあるピアット・ウニコと言われています。
オッソブーコとリゾット・ミラネーゼ。

ミラノのトラットリア。

上の動画でも紹介されているトラットリア・ミラネーゼは上質のブロード・ディ・カルネを使ったリゾット・ミラネーゼが有名。
ポルチーニのリゾットもリゾットの定番。

ピエモンテで白トリュフの季節になれば、白トリュフのリゾット。

ラズベリーのリゾットで思い出しました。
昔、イタリアでいちごのリゾットが大ヒットしてたんですよ。

カルナローリ米の話はこのあたりで・・・。
最後に世界の米事情について少し。米は世界的に不足していて価格も急騰しているそうです。その原因は、バイオ燃料。石油に代わる燃料で二酸化炭素の排出量が少ないエコな燃料として原料である穀物の需要が増加したそうです。
米のお粥は離乳食として用いられますが、それは米の澱粉の粒子が2~10ミクロンととても小さいため、消化しやすいのだそうです。小麦は20~40ミクロン、じゃがいもは50~170ミクロン、セルロースが少ないことも消化の良さに結びつきます。
米のたんぱく質はパスタと比べると量は少ないけれども、内容は優れています。
米は発酵させて造るパンには使うことができないのですが、それはグルテンを含まないから。これは米の欠点であると同時に長所でもあります。味の濃い、塩分の多い食事が増えた現代人にとっては、ナトリウムの含有量が低くカリウムが多いというのも米の長所。
ローマでは、米は粉にしておしろいにする程度でした。ローマ人向けのおしろいの産地はキプロスで(イタリア語でCipro)は、キプロスは“おしろいcipria”という言葉が語源。




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2024年1月15日月曜日

カルナローリは“噛む”米。煮汁を吸いこみながら歯ごたえは保つ。

イタリアの米の話、続けます。
西洋では、米の歴史にアレクサンダー大王や十字軍が登場します。
知ってる米とは、ちょっと違う歴史なんですね。
(CIR/10月号)の記事にもあるように、米は世界的に研究が盛んになり、様々な名前の数々の米が造りには出されましたが、当時はまだ食文化の概念がない時代。
イタリアで造られた米があちこちで栽培されて米の品質の認識について、混乱も引き起こしました。

中でもカルナローリは日本のこしひかりのような大成功したブランド米。
イタリアにはリゾットという独特の米料理がありますが、カルナローリは、煮汁を吸いみながら歯ごたえは保つリゾットには最適の米。

始めてミラノでリゾットを食べた時、ナポリで初めてピッツァを食べた時の体験を思い出しました。
それまで食べたことのあるピッツァとはまったくの別物で、どうしてこの街のピッツァはこんなに美味しいのか感動し、他の街のピッツァは、イタリアと言えどもどうしてこんなに違うのか、不思議でした。
その後フランスでパスタを食べた時も、イタリアのパスタとはまったく別物で驚きました。
ミラノのリゾットは、日本の米の、それまでリゾットだと思っていたものとはまったく違いました。ミラノのリゾットは、米が一粒一粒主張していました。(CIRの記事にある通り)カルナローリは“噛むmasticare”米でした。それ以来、私のリゾットに対するイメージは一新されました。
カルナローリは、1945年にヴィアローネ種とレンチーノ種のハイブリッドを選別して作りだされた、イタリアの米の分類だと太くて長い米、スーペルフィーノ米を代表する品種です。リゾットの造り方を熟知している農家や研究者がリゾットのために作った米。

いまだにイタリアの米は混乱を引き起こしています。簡単には信頼できない、と考えている消費者もいます。リゾットの文化がないと活かせない米です。


カルナローリ・クラッシコはこれらの混乱を解決するためにも、必要性があって生まれた品種。カルナローリはカルナローリ・クラッシコとは違う米です。値段も違います。カルナローリ・クラッシコはお高いんだそうです。でも、安い食品は、食の大量生産、食品の工場化から生まれるものということは、そろそろ知れ渡っている時代。その違いを認識することが必要なのです。下の動画では、カルナローリ・クラッシコは米のサラダではなく、リゾット用に生まれた米、と主張しています。

次回はカルナローリのリゾットのリチェッタ。


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2024年1月13日土曜日

米の起源にシヴァ神やガンジス川に身を投げた美少女の願いが関わってたなんて知ってた?

今日のお題は米、カルナローリ米です。
(CIR10月号)の記事によると、
2017年から、カルナローリ米に、オリジナルのカルナローリ100%であるアルティジャナーレの米を意味する新しい表示、“Carnaroli classico”というのが認められたそうです。

こと米に関しては、日本とイタリアの米事情はかなり違うことがあります。

そもそも米は、米をピエモンテのシンボル的産物と語るピエモンテ州が出した大力作の本『リーゾ

ピエモンテの米。

によると、
米の歴史は、
これまで聞いたこともないインドの神話から始まっていました。
それによると、主役はインドのシヴァ神。シヴァ神はインドの美しい村娘レナに恋をして、彼女を不死にするためにプロポーズします。すると娘は、彼女のために新しい作物を授けてもらう、という条件で結婚を受け入れます。そこでシヴァ神は世界中にこの食べ物を探すために召使を送り出しました。ところが召使はこの作物を探し出すことができず、待ちつかれたシヴァ神は、娘を手籠めにしてしまいます。そして娘はガンジス川に身を投げてしまうのです。
すると、河のほとりに細い植物が1本生えてきました。その中には白金色の粒が入っていました。これはレナの魂と、彼女の望みがよみがえったものでした。
もお、どこぞの昼メロかという展開ですが、それより、こんな聞いたこともない話が、ヨーロッパのピエモンテでは信じられていたことにもびっくりです。
アラブや南米発祥という食物には慣れているヨーロッパも、さすがにシヴァ神やガンジス河が出てくる話だと、ついていけないだろうなあ。と思いきや、まだこんなもんじゃなかった。
こうしてアジアには米の信仰が広まり、日本の神道には稲荷という神様まで生まれたのです。
へえ~。そうでしたか。勉強になります。
京都の稲荷大社。

米の歩みは、さらに広がっていきます。インドからメソポタミアへと進み、ペルシャ王のダリオの戦いとかいう聞いたこともない戦争によって、商人によってチベットの山の中にまで伝わります。紀元前330年には、アレクサンダー大王に同行した学者によって、米の栽培方法が地中海に伝わります。
いや、米の歴史にアレクサンダー大王が出てくるなんて・・・。
これは私が知ってる米じゃないかも・・・。
古代ローマ人も米の存在は知っていましたが、米をスパイスや薬として扱いました。
地中海沿岸に広まる前に、米はエジプトに到達しています。
ヨーロッパでは、アラブ人の到来と共に歴史が変わりました。アラブ人に征服されたスペインに伝わり、やがてイタリアにも伝わります。
一説には十字軍が持ち帰ったと主張する人もいます。
アラブ人にスペインとくれば、シチリア王国まではあと少し。
極東と交流があったベネチアの影響を指摘する説もあります。

イタリアの米の歴史。

イタリアに伝わった米は土地を灌漑する資金と力を持った支配階級によってその領地に広まっていきます。


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イタリアの新しいマスター・オブ・ワインが選ぶコンテンポラリーな赤ワイン。

イタリアの新しいマスター・オブ・ワイン、アンドレア・ロナルディが提案するPinosophyの概念。イタリアの食の分野のカリスマたちは、深い哲学への造詣がある人が多く、言ってることの意味が分かるまで、かなり苦労します。マスター・オブ・ワインも例外ではありません。なので、それなりにか...