2024年1月21日日曜日

国境とアルプスとベネト平野とカルスト台地とアドリア海に囲まれたフリウリ・ベネチア・ジューリアは、東の端だけど興味が尽きない州。

フリウリ=ベネチア・ジューリアのワイン、カルソの話をしてますが、フリウリの料理なんて、実はなにも知らないけど、ちょっと面白そう。

フリウリ=ベネチア・ジューリア。

フリウリの地理。イタリアで一番東にある州。北がフリウリで南がベネチア・ジューリア。北は高い山、南はべネト平野と海(アドリア海)にはさまれています。北はオーストリア、東はスロベニア、西はベネトという国境地帯。公共語はイタリア語、フリウリ語、スロベニア語、ドイツ語の4つ。山は寒さが厳しく、平野は大陸性気候で、沿岸部は温暖、夏は暑い。州都のトリエステは強い北東の季節風“ボーラbora”が吹き、土壌はカルソと呼ばれるカルスト台地。ぶどうの栽培が盛んで上質のワインの産地として知られる。牛や豚の飼育も盛んで、サン・ダニエーレの生ハムなど、サルーミの名物も多い。

サン・ダニエーレの生ハム。


ギリシャとベネチアを結ぶ中間点のフリウリは、ワインでつながっていました。
きのうの料理、フリウリの代表的料理、フリーコは、残り物のチーズを有効利用する料理で、フリウリの一番北の地方、カルニアの山間部発祥の料理。

カルニア地方。

観光業も盛んです。
個人的にエキゾチックで大好きな州。

フリーコにはじゃがいもなしや玉ねぎなしなど、数多くのバリエーションがあります。そもそもフリーコ自体が、カルニア地方の代表的料理チャルソンズcjarsonsのバリエーションの一つだと言われています。必ず添えられるのがトウモロコシのポレンタ。薄く、カリッと焼くタイプは、チーズだけで作ります。モンタジオのフォンドゥータに森のきのこのミックスを添えるのが定番。

チャルソンズ。

動画で見る限りはラビオリの一種です。具は手に入る様々なものを使いますが、ソースは溶かしバターと硬質リコッタ。山の暮しから生まれた料理。ちなみにイタリアのラビオリは、閉じ方が色々あります。というか、イタリアの詰め物入りパスタは、閉じ方がポイント。これは半円形の生地に具をのせて半分に折るメッザルーナmezzaluna形。ラビオリの閉じ方の中でも、一番シンプルなもの。
ちなみにこの料理を再発見して広めたジャン二・ゴゼッティシェフは、イタリア地方料理書、『リチェッテ・レジョナーリ・イタリアーネ』

を書いた『クチーナ・イタリアーナ』誌の元編集長、アンナ・ゴゼッティさんのお父さん。
(CIR10月号のカルソの記事)で紹介していた料理は、“フリーコ”と“ズッキーニとジャマールチーズのニョッキ”でした。
ズッキーニのクリームとニョッキは、よくあるリチェッタの用ですが、問題はジャマールチーズ。
造り手らしき酪農場のhpによると、どうやらこの酪農場が作りだしたオリジナルチーズのよう。しかも、強烈な味と香りが特徴で、どうやらかなり特殊でくせのあるチーズ。ジャマールとは、カルスト地方独特の地形から形成される洞窟のことで、その中で熟成させたチーズだそうです。

お勧めのカルソワインはマルコ・タヴカルのマルバジーア。

ここはイタリアのはずなのに、すごいアウェー感。マルバジーアは、Marvagiaじゃなくて
Malvazijaだって。クロアチア語らしい。

カルソのストラーダ・デル・ヴィーノ。

なんだかポアロかホームズでも登場しそうなミステリアスでロマンチックな場所。

(CIR11月号)は1月23日発売予定です。


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