今月の「総合解説」のピクニック料理の話、2品めは、ズッキーニとパプリカのポルペットーネです。
『サーレ・エ・ペペ』誌の表紙にもなっているインパクト大な美しい料理。
ピーマンのリピエーノのバリエーションの一種です。
リチェッタはP.41
ピーマンを器にして中にポルペットーネを詰めた、持ち運びできる料理。
『クチーナ・ディ・ナポリ』には、こうあります。
ピーマンはナポリ人が大好きな野菜で、小さなものや辛いものなど様々な色や大きさ、味の品種が栽培されている。幸運を呼び、邪眼を吹き払うお守りとしても信じられている。
ナポリもシチリアも、同じブルボン家に支配される国だったので、その料理も自然と似ている。なすのパルミジャーナのように、2つの街の間で本家争いが起きている料理もある。
リチェッタを調べている時に感じたのは、なす愛が強いのはシチリア、ピーマンはナポリ、という印象だった。
野菜を育てながら料理をしているジョルジョーネの本、『ジョルジョーネ/オルト・エ・クチーナ』には、もちろん、夏の章になすが登場する。
夏は新鮮な野菜、そしてなすの季節。
なすはアラブ人が持ってきた。大きいものや長いもの、丸いもの、黒色、紫色など、様々な品種があるが、私は紫色の紡錘形の甘くて種が少ないなすが好きだ・・・。
日本人はナスの原産地、知ってるかなあ。
こちらのページによると、日本のナスとヨーロッパのナスでは原産地が違うようです。
パスタもそうですが、小麦粉がアラブを経由してスパゲッティになったように、アラブ経由の食べ物は、独自の歴史を経て普及していく傾向があり、なすの原産地も、案外重要なポイントかも知れません。
なすの場合、アラブというキーワードのせいで、ナポリ対シチリアの戦いはシチリアの勝利です。
ピーマンはナス科の野菜ですが、もちろん原産地は中南米。アメリカ経由の野菜にアラブが関わるチャンスはなかった。これはナポリの勝ち。
輪切りなすの持ち運べる料理、なすのコトレッタ、別名コルドンブルー。Cotolette di melanzane (Cordon bleu di melanzane)
材料/4人分
なす・・4個
ハムか生ハム・・100g
プローボラかスカモルツァ・・100g
卵・・1個
小麦粉・・大さじ4~5
水・・1カップ
パン粉
EVオリーブオイル、塩
・なすの皮をむき、厚さ6~7mmの輪切りにする。
・なすを2枚ずつ並べて開く。チーズのせてナスに合わせて切る。
・さらにハムか生ハムを載せて閉じ、抑えてしっかり閉じる。
・衣を作る。卵と水を混ぜて塩少々、小麦粉を加える。ダマが消えたら水を足して濃度を調節する。
・なすを抑えてしっかり閉じ、衣、パン粉をつける。ナイフの刃で表面全体を抑えて平にする。
・170℃の油で1、2個ずつ揚げる。
材料/3人分
パプリカ・・3個
パン粉・・大さじ4
塩抜きしたケッパー・・50g
ガエタの黒オリーブ・・80g
EVオリーブオイル・・50ml
アンチョビ・・2尾
なす・・1個
ミニトマトの小角切り・・3~4個
にんにく・・1かけ
揚げ油
・ナスを小角切り切りにする。塩を振って1時間置き、アクを出す。
・洗って水気を拭き取り、揚げる。
・パプリカは上部を切り取り、切り取った部分は取っておく。種をくり抜き、たっぷりの油で1個ずつ揚げて皮を全部むく。
・パン粉を油を加えずにトーストして焼き色をつけ、冷ます。
・パン粉、なす、種を抜いたオリーブ、ケッパー、小さく切ったアンチョビ、にんにくのみじん切り、ミニトマトの小角切りを混ぜる。
・これをパプリカに詰めて上部で蓋をし、180℃のオーブンで40分焼く。
シチリア風パプリカのリピエーニPeperoni ripieni alla siciliana
・黄と赤のパプリカ6個のへたをくり抜き、種を取る。洗って伏せて置き、乾かす。
・葉玉ねぎ2本のみじん切りをEVオリーブオイル200mlでソッフリットにし、レーズン大さじ2、松の実大さじ2、パン粉350g、レモン汁1/2個、砂糖大さじ1/2を加える。
・火を止めておろしたカチョカバロ120gを加え、ボールに移す。
・バター、スライスチーズ1/2枚、パン粉大さじ2、小さく切ったゆで卵1/2個、モルタデッラの小角切り数片、ハムの小角切り数片、プリモサーレとカチョカバロ・フレスコの小角切り数片、バター、パン粉適量を詰めてへたで蓋をする。
・油を塗ったオーブン皿に並べて塩を散らし、180℃のオーブンで50分焼く。
「総合解説」
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