『イタリア・イン・クチーナ』の解説、次は、今月の「総合解説」(2018年7/8月号P.14~)でも取り上げた、アブルッツォ(とモリーゼ)の料理です。
度々言ってますが、アブルッツォとモリーゼは1962年までは1つの州でした。
アペニン山脈とアドリア海に挟まれた、手つかずの自然に満ちた、あまり知られていない、イタリアでトップを争うマイナーな州ですが、素晴らしい地方です。
料理もほとんど知られておらず、本で紹介されているリチェッタは、珍しいものばかり。
モリーゼ料理↓
アブルッツォ同様、モリーゼにも羊の移牧の文化があり、豚や家禽の飼育、チーズ用の牛の飼育も普及している。
アブルッツォで一番普及しているチーズはペコリーノだが、モリーゼではカチョカバロだ。
最初に知るべき名物食材は、カチョカバロ・ディ・アニョーネcaciocavallo di agnone
カチョカバロは、南伊で最も普及している南伊独特の製法、パスタ・フィラータの山の放牧地で放し飼いにされている牛のミルクに子羊や子ヤギのカートを加えたチーズ。
大きな洋梨型にして吊るし、天然の洞窟の熟成庫で3~12ヶ月熟成させる。
熟成が進むと色が濃くなり、味は強くなって辛味も増す。
アニョーネはモリーゼのイセルニア県の山の中にある小さな村。
冬は雪が2mも積もるような場所で作られているチーズ。
モリーゼ料理は羊飼いと農民の、手に入るわずかなもので作る質素な料理といわれているが、ボローニャなど北イタリアの大都市まで行き来する羊飼いによって北イタリアの食やワインの文化が伝わった。
ワインもオリーブオイルも白トリュフもある。
各種のサルーミやチーズが作られている。
カチョカバッロの比較的ポピュラーなリチェッタ、カチョカバロのフライパン焼きアッラ・ピアストラCaciocavallo appa piastra。
・ラクレット用鍋を熱する。カチョカバロを幅5mmに切る。鍋が温まったらチーズをのせて、最初の泡ができて蜂蜜色になったら裏返す。両面焼けたらすぐにサーブする。好みでジャムを添えてもよい。
動画では自家製唐辛子のジャムを添えている。
いろんな意味ですごいカチョカバロのストリートフード、つるし焼き?
「総合解説」
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